どうぞのごはん♯35 スリランカ風?カレー

 自然の中での活動の時、冬場は火を囲んで煮たり焼いたりしてごはんを食べるのが楽しいのですが、暑い夏は火をおこして、というのはなかなか苦しいです。それに暑くて食欲も落ちたりします。そんな時は、やっぱり暑い国のたべもの、カレー。

オマケ。最近人気の季節野菜のキーマカレー。おさかなダイコン当たった人いたかなあ?(どうぞのごはん♯33 かわのまちアクション夏・ローストビーフ)

暑くなり始めた6月に、開催した「かわのまちアクション」について書いた「どうぞのごはん#33 かわのまちアクション夏・ローストビーフ」の最後のおまけ画像、「キーマカレー」。このへんのカレーから、ちょっとスリランカ風のカレーを作ってみています。

夏野菜たっぷり。野菜をいためて、ルーとチャツネをいれるだけ。

このカレーは「第3世界ショップ」の「カレーの壺」というルーを使っています。これはたまたまスーパーで見つけたものだったのですが、このルーを使い始めたころから、ちょっとじぶんの「どうぞのごはん」に、もう少しこだわってみようかな、と思うようになりました。

ココナッツミルクや、豆乳を使うと、本格的な感じになる

 どこかに書いたかもしれませんが私の母はとても厳しい人でした。小学生のころ、裕福でなかったということもありますが、、お菓子やおもちゃはほとんど買ってもらえませんでした。それと、なぜか甘いものは敵、とでもいうように、いつも母は「これはおいしいわ、甘くなくて」と言いました。そして、もしかするとそれはありがたいことだったのかもしれないのですが、「骨が溶けるから」とジュースも飲ませてもらえませんでした。(私が、赤ちゃんの頃、ヒ素ミルクの事件もあったし、父は熊本の人で、水俣病のことをとても気にしていたので、そういうこととも関係していたのではと思いますが、)とても働き者だった母は、「外で買ったものは美味しくない」と言って毎日毎日おいしいごはんを作ってくれていました。

カレーにつきもののラッキョウ。どうぞのごはんでは、岐阜県郡上市明宝に伝わる「おひさまらっきょう」を付け合わせに。

 そのころの女性は社会で働くといったら学校の先生か看護婦さんくらいだったと思いますが、母は、化粧品のセールスをして、自然食品も売っていました。忙しいと思うのですが、キーキー怒りながらも、ごはんを作ってくれました。昔は当たり前だったのかもしれませんが、お味噌や、果物のジュースなども作っていました。今思えば、とてもありがたいことだったと思うのですが、子どもだった私は、袋菓子や甘いチョコレートやクッキーなんかを食べたいなあ、レストランに行ってみたいなあ、と思っていました。中学に上がって、ジュースやなんだかんだ解禁になったのですが、同じころに私は原因不明の皮膚病になり(今は尋常性乾癬という病名がわかっていますが、その時は「アトピー」と言われていました)そのこともあってか、いろいろと食べ物には気を使ってくれていたように思います。

かぼちゃカレー。子どもたち向けに、こちらは「パルシステム」のルーを使っています。

 そういう子ども時代を過ごしていた私は、自分が子どもを持ったときには、最初、母のように、子どもたちには添加物のはいっていない、自然でおいしいものを食べさせたい、と思いました。その反面、不自由だった自分の子ども時代、母への反発もありました。手作りしようにも母のように働き者でもなかったし、安くておいしいものは街にあふれているし、お友達同士でおいしいものを差し出されたときに、「うちはいいです」という勇気はありませんでした。

 それに、私は、いわゆる「駄菓子」を買ってもらえなかったからかもしれませんが、「駄菓子」を買う楽しさや、甘いお菓子は子どもを幸せにするのではないかと思ったし、イライラしてキーキー怒るくらいなら、手作りなんかしない方がいいんじゃないかとか、いろいろなことは様々な思いの中で中途半端。今でもそうです。なんでも、「絶対こうする」とこだわってしまうと、あまりいいことはないかなあ、と思っているし、イイ、といわれていることも、見方を変えればどっちがイイのかなんてわからないな、って。

 でもできるだけ、何かを選べる時は選ぶようにしたいな、と思うようになりました。それは、昨年の11月に上の娘が5年半のアメリカ生活から戻ってきて、いろいろな知識を身につけて、意見するようになっていたことに関わりがあるかもしれません。

2017年6月アメリカオレゴン州ポートランドにて。NPO CityRepaireで活動していた娘(【ポートランドさんぽ ♯6】 プレイスメイキング現場実況より)

 スーパーで見つけた「無添加」のルー「カレーの壺」。少しでも安く買えないかな、というあさましい気持ちでネットで検索したら、「第3世界ショップ」に行き着きました。フェアトレード。たぶん、これまでも子育てメッセや、あちこちのイベントで出会ってきていたのですが、いかんせん、高くて購入には二の足を踏んでいました。でも結局は持っているモノ(お金でも、能力でも)をどこでどう使うか、ということを自分で選んでいくことが大事なのかもと。

 「本当に、それは高いのか。」そこから得られるものの価値を考える。例えば、なぜ、どうぞのごはんは、世田谷の野菜を使うのか。食べ物だから、おいしさ?、栄養?、、それ以上に作っている人とのつながりだったり、都市部で畑を継続するためだし、「続けていく」ことでの見えない価値を積み上げていくこと。それは、自分が暮らしたいと思える「まち」にいたいから。

暑い夏のイベントのあとに食べるカレーは格別です

 なにがイイとか悪いとか、正しいとか絶対とかではなくて、多様化して、たくさんの選択肢があるからこそ、「自分にとってどうなのか、自分のめざしている世界に沿っているか」を「自分で選ぶこと」そこが大切なのかなあと、今、思っています。

■夏野菜カレー■

・お肉(鳥でも豚でも牛でもお好みのもの)

・ゴーヤを薄切りにしてゆでこぼす

・ジャガイモは一口大に切る

・にんにく、みじん切りにした玉ねぎ、お肉を炒める。ゴーヤ、ジャガイモ、あればピーマンやパプリカなども一緒に炒める。

・カレールー(カレーの壺)を2人分で大匙1.5杯を目安にいれて炒め合わせる

・トマトなどの水分の多い野菜と、ココナツミルク、豆乳、牛乳などの水分を加えて軽く煮込む。

・ナスがあったら、オリーブオイルでいためてさらに加えます。

【ポートランドさんぽ ♯6】 プレイスメイキング現場実況

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この記事を書いた人

ゆか

サラリーマン時代に東急ハンズ玉川店、玉川高島屋を担当し、ここいら辺が気に入って移住。岡本の坂下に住み、母となり産んだ子どもたちはもうオトナ。2005年から鎌田で子どものアトリエを始め、2016年に大蔵5丁目「ゆいまあると3つの磁石」に引っ越し「子どものアトリエ」「映画とキャラメル」など、よくわからないことを展開中。NPO法人せたがや水辺デザインネットワーク事務局。