「医療の継続に輸血は不可欠」国立成育医療研究センターの緊急献血会、想定上回る採血に謝意

 「国立成育医療研究センター」(世田谷区大蔵2)が4月10日(金)正午から開催した緊急献血会は、想定以上の人々が集まり、同センターは急遽献血バスの追加を要請するなどの対応を行いました。

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 日本赤十字社、関東甲信越ブロック血液センターによると、外出自粛要請が始まった3/26~4/6の10日間で協力者が大幅に減少し、約1万人の献血協力者分が不足しています。国立成育医療センターでも「大量出血を伴う出産、手術される方、小児がんや白血病などで輸血を受ける患者さんなどの命を守るためには、献血が必要」としており、急遽、同センター敷地内での献血会を実施することになりました。

 献血会は予定通り12:00 に受付を開始しましたが、すでに待っている人の姿があったそうです。その後、来場者はさらに集まり、13:00には採血キャパシティーの80人を超えたため受付を中止。15:00頃に追加で献血バス1台が到着しましたが、採血のキャパシティーを超えていたため、お待ちいただいている方々を優先し、近隣の献血センターなどへの来場をご案内しました。今回の採血者は概算で100名以上とのことです。

 受付開始の40分前に到着したという世田谷区祖師谷在住の中村奈保子さんは、「私が着いた11時半頃には、すでに数人の方が集まって来ていて、すぐに列ができました。 献血が終わって出て来ると100人を超える人が1メートルくらいずつ間をあけて並んでいるように見えました」と会場の様子について話してくれました。

 また、献血へ協力した理由について「電車に乗ってそのために出かけるのはちょっと躊躇していたところだったので、自転車で来れる距離で、屋外だったことから今回は自分なりにできる限りの感染予防の装備をして参加することに決めた。コロナで人が亡くなったり、病院が溢れてしまう医療崩壊も絶対に避けたいけれど、コロナ以外の疾病の人たちが受けられるはずの治療を受けられずに命を落とすような事態も絶対に嫌です」と気持ちを明かしてくれました。

画像提供:中村奈保子 2020年4月10日13時ごろ

 国立成育医療研究センターの笠原群生副院長は、フタコロコの取材に対し以下のコメントをお寄せくださいました。

 本日は沢山の皆様に献血にご協力頂き、大変ありがとうございました。国立成育医療研究センターの各病室からも、皆様が献血にご協力頂いている姿を、患者さんと一緒に大変感謝しながら拝見させていただきました。成育医療研究センターでは、重症な小児患者さんの手術、分娩、小児がん治療などを、今後も滞りなく実施してゆく所存です。医療の継続に輸血は不可欠ですので、今後ともご支援のほどよろしくお願い申し上げます。本日は大変ありがとうございました。

 国立成育医療研究センターでの次回開催の予定はないそうですが、近隣の東京都赤十字研究センターの献血ルームあるいは、献血バスの運行スケジュールを確認していただき、引き続きの協力と関心を、と呼び掛けています。

名称
国立成育医療センター北玄関前
所在地
東京都世田谷区大蔵2-10-1

この記事を書いた人

こばなお

futakoloco 編集長。玉川町会100年懇話会事務局スタッフ。主に公民連携分野のフリーランス・ライター/エディター。二子玉川在住20年。出版社勤務を経てまちづくり法人で情報・広報戦略と水辺などの公共空間における官民共創事業に従事。多摩川流域生まれ&育ち。

暮らしを起点に「ほんとうに創造的な社会とは」を考えるラボラトリー「チームうなラボ」のフェロー。自分たちのまちづくり活動の経験や学びを言語化し、ときにはゲストとの議論と振り返りをまじえて発信・活動しています。

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