【二子玉川のまちレポート】緊急事態宣言から1週間

新型コロナウイルス感染症の感染拡大の事態を受けて、4月7日に東京を含む首都圏ほか7都府県に対して「緊急事態宣言」が発出されて1週間が過ぎました。翌日には二子玉川駅を中心とした二子玉川エリアの商業施設を含む各種施設は、当面の間、一部食料品店等を除き臨時休業・臨時休館となりました。

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また、11日土曜日には東京都の休業要請が始まり、渋谷・スクランブル交差点などの都心では大幅に人出が減少したとの報道がありました。一方で、小池都知事は一昨日13日に都心部から地域の商店街などに人が流れ、地域にいわゆる新たな「3密」ができあがっているとして注意喚起しました。

そこで、本日午後3時~5時、二子玉川の市街地~多摩川河川敷の様子を取材してきました。

1.人出が大幅に減少した駅・商業施設周辺

二子玉川駅
玉川髙島屋S・C南館裏 柳小路
臨時休業中の玉川髙島屋S・C内
玉川髙島屋前スクランブル交差点

画像からもわかる通り、行き交う人も滞留する人も少なく、閑散とした様子でした。

2.二子玉川東口エリア~二子玉川公園

二子玉川駅の東側エリアへ向かうと、徐々に人出が増えて来たような…。

二子玉川ライズ バーズモール前

玉川税務署前では、建物の外で社会的距離を保って人々が行列を作っていました。また、待合室は屋外に椅子を置いて対応しているようでした。

玉川税務署・屋外で社会的距離を開けて並ぶ人々の姿

二子玉川のシンボルツリー・ハナミズキが紅白に美しく咲く街路樹を眺めつつ、そのまま野毛方面へ進み、世田谷区立二子玉川公園に到着すると、自転車置き場には少なからぬ数の自転車が駐輪されているのが見えてきました。

美しく咲き誇るハナミズキ。二子玉川には日中友好の木として植樹されています。

園内の遊具広場、エントランス広場(芝生広場)、みどりの遊び場、子ども広場…普段の平日午後よりも多くの人でにぎわっていました。

新型コロナウイルスは、子どもたちには「感染しづらい」という報道があるから、でしょうか。遊具を共有し、手を取り合って走り、サッカーに興ずる姿は普段ならばとても微笑ましい風景ですが…。ちなみにビジターセンター、旧清水邸書院、ふれあい休憩室は休館中です。

3. 多摩川河川敷(世田谷区立兵庫島公園)

そして一抹の不安を抱えながら、そのまま多摩川河川敷の岸辺の路から、世田谷区立兵庫島公園へ。兵庫島公園を始めとする多摩川河川敷一帯は現在、昨年10月の台風19号による大きな被害からの復旧工事中。砂利や土砂が高く積まれ、立ち入り制限があり、トイレも利用ができません。しかし、その隙間を縫うように、春の川風と川遊びを楽しむ人々の姿がありました。

世田谷区立兵庫島公園・兵庫橋からみた景色

さらに上流の河川敷グランドでは、未整地の野球場やテニスコートで思い思いにチームスポーツを楽しむ人々の姿もありました。

4.確かに”3″密ではないけれど…

厚生労働省は、新型コロナウイルス感染症による集団感染が生じた場の共通点を踏まえると、特に:
1.密閉空間(換気の悪い密閉空間である)
2.密集場所(多くの人が密集している)
3.密接場面(互いに手を伸ばしたら届く距離での会話や発声が行われる)

という3つの条件が同時に重なる場で感染を拡大させるリスクが高いことから、この3密を避けるように求めています(「3つの密を避けましょう」)。

いつまで続くかわからない外出自粛制限の生活で、小さい子どもがいるご家庭や、エネルギー溢れる若者だけでなく、適度に体を動かさなければ心身の不調につながってしまう…その事情は身に染みるほど理解ができます。

しかし、都内の最新感染動向や海外の状況を見ると、「命を守るためにできるかぎり在宅すること」「できるだけ人と接触しないこと」そしてそれが「社会を最低限維持すること」につながることであるという要請は世界共通のようです。SNSでは #stayhome といったハッシュタグをつけて在宅を呼び掛ける声も盛んです。また、英国のエリザベス女王は「We will meet again」そのために今を生き抜きましょうと、と市民へメッセージを送りました。

誰かを責めたり批判するだけでは何の解決にもなりません。お互いに目を配りあいながら、困ったことを助け合いながら、二子玉川がこれまで通り伸びやかなみずみずしい風の吹く街であり続けるにはどうしたらよいでしょう。本当ならば今ごろは、二子玉川のシンボルツリーのハナミズキが咲き誇る中で行われる「花みず木フェスティバル」を楽しみに待つ時期なのに…そんなことを考えながら、4日ぶり(緊急事態宣言後2回目)の外出の帰途につきました。

花みず木のまち二子玉川

【参考資料】※東京都公式動画チャンネルより

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この記事を書いた人

こばなお

futakoloco 編集長。玉川町会100年懇話会事務局スタッフ。主に公民連携分野のフリーランス・ライター/エディター。二子玉川在住20年。出版社勤務を経てまちづくり法人で情報・広報戦略と水辺などの公共空間における官民共創事業に従事。多摩川流域生まれ&育ち。

暮らしを起点に「ほんとうに創造的な社会とは」を考えるラボラトリー「チームうなラボ」のフェロー。自分たちのまちづくり活動の経験や学びを言語化し、ときにはゲストとの議論と振り返りをまじえて発信・活動しています。

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