どうぞのごはん♯15ビスコッティ

「どうぞのごはん♯14和菓子の会」を書いたのが、7月5日。なんと、その日から2か月以上、お休みしてしまいました。その2か月のあいだに、和菓子の会もやったし、おにぎりは、もしかしたら、100個くらい握ったような気がします。原っぱでごはんも作ったし、ポットラックの会にも行きました。

なのに、「どうぞのごはん」を書きませんでした。正確には「書けませんでした」かもしれませんが、、、先週、ひさしぶりにビスコッティを焼いたときから、「また書こう」と思い始めました。いままでも、やめようと思って書いていなかったわけではないのですが、なんだか生意気ですが、「スランプ」なのか、と思ったり。そもそも、そんなことを書くのが、果たして、コラムとしてアリなのか、という疑問も。ここまでの文章は、本来、フェースブックなどでごくごく身内につぶやくものではないのか、とか、そんな思いもありますが。(結局は、そんなことを考えるので、2か月半もおやすみしてしまったということ!)

さて、先週焼いたビスコッティ、昨年の9月に借りた「ゆいまあると3つの磁石」という場のステキなガスオーブンで焼いたからか、今回のビスコッティはほんとうにいい出来だったようで、みなさんほんとにオイシイ、オイシイ、といってくれました。賃貸のちいさなアパートには、ちょっと似つかわしくない(あ、大家さんごめんなさい)ステキなガスオーブン。これは、私がこの場を借りる時に、どんな場にしたい?という大家さんとリノベーション屋さんとの話の中で、「ガスオーブンが欲しい!」と言ったことからつけてもらえました。結婚したときに、「ガスオーブンレンジ」というのを買い、ずっと使っていたのですが、15~6年くらいしてレンジ機能が壊れました。その後もオーブン機能だけを使っていたのですが、離婚して家を離れたので、電気の安いオーブンを買いました。が、、やはり、なんだか出来が違うような。(高級な電気オーブンはもしかしたらすごくおいしくできるのかもしれないけど)それで、ガスオーブンがほしいなあ、とずっと思っていたので、リノベーションの希望を聞かれたときに、台所の仕様とともに、「ガスオーブンが欲しい、」と言ったのでした。でも、ふつう、賃貸のお部屋を借りて(それも子どものアトリエの場なんていったら、ほとんど貸してもらえないのがふつうだけど)リノベーションするときに、「いいガスオーブンが欲しい!」と言ったからといって、つけてくれる大家さんはいないと思うのですが、それが実現したわけです。

このことは、というか、すべてのできごとは、毎日ふつうに自分がやっていることが、積み重なって、周囲の人が毎日ふつうにやっていることと、繋がりあっていくこと、、絡み合っていくことによって起こってくる、そういうことの、あるひとつの「できごと」。私が、この「ゆいまあると3つの磁石」という場の「ステキなガスオーブン」で「ビスコッティを焼く」ことは、私が生まれて、これまでにやってきた、ちいさな毎日のできごとが、つみ重なって、周囲の人とつながって、絡み合って、できたこと。

もちろん周囲のひとりひとりにも毎日の暮らしがあって、その人が生まれて生きてきた積み重ねがあるわけで、その積み重ねと私の積み重ねが、繋がりあって、絡み合って、いろいろなできごとはおこるのだと思います。ひとつひとつのできごとは、小さなできごとであるけれど、「どうしてそうなったか」ということの説明はとても難しいし、長い長い物語りになってしまうのだろうな、と思います。

「ゆいまあると3つの磁石」という場は、私が借りて、アトリエをやったり、近所の人を集めてなにかあたたかいことをする、ということで、大家さんと、松陰会館さんがリノベーションを施してくれたものです。大家さんと出会えたのは、子育ての場や、水辺の活動をしていたからだし、ガスオーブンをつけてもらえたのは、松陰会館さんがガスやさんだったからだし、松陰会館さんに出会えたのは、大家さんに出会ったからだし、、、、それは長い長い物語り。そこのステキなガスオーブンで2枚の天板いっぱいに、ビスコッティを焼きました。

それを、たくさんの人に食べてもらって、みんなに「おいしかったよ~」って言ってもらって、うれしいきもちが、また「どうぞのごはん」を書こうという気持ちにつながりました。

こうして、私が、futakolocoという器の中にコラムを書かせてもらっていることも、長い長い物語の中のひとつのできごと。そして、関係ないようだけど、ちょっとお休みをしたけど、また書くことができたのは、「おいしかったよ~」っていってもらったこと。そして、その「ビスコッティ」を作れたのは、ガスオーブンがあったからで・・・それは、ひとつひとつのできごとが、またつながってからみあって、たくさんの長い長い物語りを作っているということでもあるのだと。

こうして、コラムを書いている時に、我が家に住んでいる他人だけど家族が、「ゆかちゃん、ゆかちゃん、うちでトンボが羽化した形跡があります!」と叫んでいました。

このことも、また、長い長い物語りの一節に繋がっていくのかな。

毎日の暮らしは、思いもよらなかった出来事が起こったり、面白いイベントがあるときもあれば、なんとなく日が暮れちゃって、なんにも起こらなかったように思える日もあるかもしれません。でも、どんな日も、どんなひとことも、どこかで、何かとつながって、長い長い物語りを作っていくのだと思うし、これもなにかにつながっているんだなあ、と思うことは、毎日をていねいに暮らすことにつながるかもしれないな、と思います。

そして、ちょっとていねいに暮してみることで、彩りのある楽しい毎日が生まれて、みんなの居心地のいい優しい場所が生まれるかもしれないなあ。
長い長い物語りの中から、ちょっとづつ切り取って、「どうぞのごはん」に書いていけたらいいのかな。今日も、いつもと同じようないちにちだったよ。

そんなことを思いながら、コーヒーにちょっとつけて、ビスコッティを食べました。
みなさんもどうぞ♪

ビスコッティレシピ(大きな天板2枚分)
材料:卵4個・お砂糖160g・油大さじ4・強力粉200g・薄力粉200g・クルミ、ドライフルーツ(クランベリーやレーズン)合わせて150g〜300gくらい。
・ドライフルーツはリキュール(カシスやラム)にひたひたに浸けておきます。
・材料を順番に入れて混ぜます。(粉をいれると、かなり重たいので、丈夫なヘラで混ぜて)
・天板1枚にクッキングシートを敷いて、厚みが1.5センチくらいになるようにタネを全体に広げます。
・180度に予熱したオーブンで15分焼きます。
・1回取り出して、長さは適当に、1㎝くらいの厚さに切って、切り口を上にして並べ、150度に予熱したオーブンで30分〜35分焼き、焼いた後もしばらくオーブンの中に置いておきます。

出来上がり♪

 

ゆいまあると3つの磁石

https://www.facebook.com/yuimaaruto3tsunojishaku

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この記事を書いた人

ゆか

サラリーマン時代に東急ハンズ玉川店、玉川高島屋を担当し、ここいら辺が気に入って移住。岡本の坂下に住み、母となり産んだ子どもたちはもうオトナ。2005年から鎌田で子どものアトリエを始め、2016年に大蔵5丁目「ゆいまあると3つの磁石」に引っ越し「子どものアトリエ」「映画とキャラメル」など、よくわからないことを展開中。NPO法人せたがや水辺デザインネットワーク事務局。