【コラム:ココロを扱うお仕事です】♯11 二子玉川ゾーン30④ゾーン30制定後

 前回(【コラム:ココロを扱うお仕事です】♯10 二子玉川ゾーン30③交通実態調査から制定まで)は、「ヒヤリハット」の調査を行い、その結果からどのような動きにつながったのかについて紹介しました。今回は2014年2月に玉川3丁目の一部と4丁目全域が東京都内で初めて、住民組織の発意により「ゾーン30」の制定を受けることになった後の地域の交通安全の活動について紹介します。

大瀧(以下O):ゾーン30を導入する際、どういうことに期待していましたか。

中村さん(以下N):速度を30キロに制限をすることによって、大事故を防ぐことですね。

O:ゾーン30に基づく警察の取り締りは行われているのですか?

N:法律上は可能なのだと思いますが、今のところ、実際に二子玉川のゾーン内で交通反則切符を切ったという話は聞いていませんね。取り締りも大事ですが、もっと大事なのはやはり「注意して走行しましょう」という啓発ではないかと考えています。その結果、地域住民の意識も高まり、生活道路の安全性も高まるのではないでしょうか。

O:ゾーン30の導入後は、どのような活動をされたのですか。

N:交通安全活動のさらなる推進を表明するため、毎年2月の第1土曜日には「玉川のゾーン30記念式典」を開催しています。2017年は3周年とゾーンのエリア拡大をお祝いし、ワークショップも行いました。※2018年は2月24日(土)に開催予定です

ゾーン30制定記念式典(2017年・3周年記念)
ゾーン30制定記念式典の様子2(2017年・3周年記念)

 ほかに、春と秋には交通安全運動も実施しています。活動の1年目は世田谷区の提案型協働型事業(参考:平成29年度「提案型協働事業」事業提案を募集します/世田谷区公式サイトより)として新たな調査なども実施しました。ゾーン30の導入前後で走行速度を2カ所で比較した結果、平均速度は「保育園付近(X 地点)」で32.6km/h→30.3km/h 、「丸子川沿い(Y 地点)」で34.7km/h→32.2km/h、いずれも平均 7% スピードが落ちており、30km/h を超えたクルマの割合も、20 ポイント近く下がっていて、少しずつ効果が現れてきていることがわかりました。(参照:ふたこたまご通信vol. 8 2015winter )

ふたこたまご通信vol.8
ふたこたまご通信vol.8

 しかし、速度そのものはどちらの地点でも決して低いとはいえず、平均が 30km/h を超えていて、歩行者のために安全な道路になったとは、まだまだ言えない状態です。そこで、玉川では、町会・小学校 PTA・商店街を中心に、住宅街をゆっくり走行してもらうための活動をしています。具体的には小学校の子ども達にゾーン内の道路で立哨してもらい、スピードガンで計測し時速30kmを守ってくれている車には「ありがとう」というプレートを掲げ、オーバーしている車には「ゆっくりね」というプレートを掲げたり。これは、自転車マナー向上のためのキャラクター「フタコレンジャー」ともコラボしたので、子ども達の夏休みの自由研究などにも役立ったようでした。

 活動のアウトプットもしっかり行っていこうということで、2017年3月には交通安全活動の今後について話し合う「交通安全シンポジウム」を開催しました。シンポジウムでは、地域の皆さん、子ども達、警察や行政、企業の皆さん、学生さんなどなど、多くの皆さんと一緒に行っている「玉川の生活道路の交通安全活動の今後」について、改めてお話しする機会になりました。そこでは「二子玉川に学ぶ交通安全活動ゲーム」のお披露目なども行いました(参照:ふたこたまご通信vol.16

ふたこたまご通信vol.16より
ふたこたまご通信vol.16より
二子玉川に学ぶ交通安全活動ゲーム

O:それにしても、ゾーン30の導入においては、反対意見などはありませんでしたか。

N:特に反対意見はなかったですね。むしろ、「もっとスピードを制限した方がいい」という意見があったくらいでした。実施のアンケートでも肯定的な意見ばかりでした。もちろん、そもそも関心のある人しか回答しないでしょうけれども…(笑)。

O:今後の課題は、ありますか?

N:当初は玉川4丁目と3丁目の一部だけでしたが、2017年の3月から3丁目全域には広がりました。あとは、1丁目、2丁目、玉川全域に広げていきたいですね。安心・安全なまちづくりをしていきたいです。(参照:ゾーン30エリアについてはfutakolocoのまちマップ「FUTAKO ロコマップ」で確認できます)

ふたこたまご通信vol.15

O: ゾーン30について、よく分かりました。本日は、ありがとうございました。

N: いえいえ、こちらこそ、ありがとうございました。

 これで、玉川町会事務局長/二子玉川地区交通環境浄化推進協議会交通部会長の中村輝之さんにお聞きする、住民発意による「玉川のゾーン30」についてのインタビューを終わります。次回はこのテーマの原点「どうすれば交通事故が減るのかについて」に立ち返り、二子玉川の交通の安心・安全のそのほかの取り組みについて考えていきます(掲載は2月22日です)。

投稿者: 大瀧 靖峰

弁護士。丸ビル綜合法律事務所(パートナー)。 2015年まで二子玉川に7年間在住(最後の3年間は二子玉川商店街に在住)。 二子玉川街情報プロジェクト「フタコロコ」の法律アドバイザー。 http://otaki-yasumine.kaisya.info/