― 地域とつながる農のかたち ―
去る6月27日(金)と6月28日(土)、玉川4丁目にある「たまよんガーデン・コミュニティ」で、ドキュメンタリー映画『大平農園401年目の四季』の上映会が開催されました。会場にはこの映画を製作した森信潤子監督も登場し、この映画や大平農園についてお話しされました。参加者からは多くの質問が飛び出し、大平農園への関心の高さがうかがえました。

記者がお邪魔した6月27日の回には、「大平農園のことを今日はじめて知った」という方から「大平農園の有機野菜を長年食べ続けている」という方まで、男女問わずお年寄りから子供連れのファミリーまで20人を越える参加者が集い、超満員となりました。

上映後には、「まるで一緒に農作業をしているかのような没入感があった」「野菜にアブラムシが付いても、洗えば食べられるという当たり前のことに気づいた」など、映画の感想が多く語られました。

会場が大平農園から近かったこともあり、同農園の野菜を購入したことのある方も多く来場されていました。「スーパーで野菜を買うとトマトも大根も季節に関係なく購入できるが、大平農園で野菜を購入するようになってから旬を実感できるようになった」「子供の食育にもいい」「都心に住みながら無農薬の新鮮野菜を食べられるなんて恵まれている」という声も聞かれました。

なかには、「ボランティアとして力になりたいけれど、審査が厳しいと聞いた」「(定期購入)会員は募集していないという噂を耳にした」という方も。
後日、記者が大平農園に赴き尋ねたところ、農場のリーダー・矢野さんは、「援農ボランティアを希望される方はつねに一定数いらっしゃいますが、今現在(7月上旬)は人数も足りています。増員したい時もたまにあるので、農園の直売所に来たついでにスタッフに声をかけてみて」。当主・美和子さんは、「買い支える会員数が少ないと作る野菜も減る。そうすると畑として認められなくなるため、会員が少し増えるといいのですが…」と語ってくださいました。

しかし、会員になっても「虫や泥が付いている」「購入する野菜を選べない」という理由で退会してしまう人がいるのも事実だとか。
森信監督によると、大平農園の定期購買者数は、1980年に400軒だったのが、2000年には200軒に減少し、現在は70軒。大平農園を買い支えする人が減っているのが実状だと言います。
「メニューを考えてから野菜を買うのではなく、手に入った旬の野菜で何ができるかを考えるという発想の転換が必要」と森信監督。「今は忙しがり、便利なものを求め、均一なものを好む人が多い。学校、人間関係…社会全般に見られる現象ではないでしょうか」と問いかけました。
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今も直接的な対話を重視する大平農園では、メールや電話での問い合わせを受け付けていませんが、直売所(大井町線尾山台駅から徒歩6分)では非会員でも野菜を購入することができます。直売所の一般販売は毎週火曜&金曜13時〜売り切れるまで。※おつりのないよう小銭の持参を忘れずに!
- 名称
- たまよんガーデン・コミュニティ
- 所在地
- 東京都世田谷区玉川4-38-2