イソマイの建築楽(ケンチクガク)。はじまります。
建築をもっと楽しみ、ちょっぴりためになる。そんなコラムを目指します(^^)
では、記念すべき1回目のはじまりはじまりー。
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■ 第一回 世田谷区本庁舎 公開プレゼンに行って来た!
9月18日(祝)「世田谷区本庁舎等整備基本設計業務委託公募型プロポーザル」の設計者を決める公開プレゼンに行って来ました。
開催日が祝日というのは嬉しいですね。
みんなに広く公開と言いながら、平日の昼間に開催する事が多い気がするので。
抽選に当たらなかった方の為に、会場受付付近のモニターで見る事も出来ましたし、今回は本当に開かれたプレゼンですね。
そして、抽選に見事当たり会場の成城ホールへ!
プレゼンが始まっての第一印象は…。
審査員7名、6社×発表者6名、司会進行、女性が1人もいない。
と少し寂しい気持ちでしたが、舞台で一生懸命通訳をしている手話通訳の方と、筆記されている方を見て、少しホッと致しました。
このプレゼンには手話通訳がついていたのですが、残念ながら専用の席には誰も座っていなかった。
でも少し手話を読める私は見ていますよ〜!と伝えたい気持ちでいっぱいでした。
公開プレゼンの内容については、世田谷区のHPに全て公開されています。
『世田谷区 本庁舎等整備について』
この〝全て〟というのがスゴイ事ですね。事前質疑の内容も、案も、模型写真も、評価の点数も、ヒアリングした記録まで。
会社名も全て公開しています。普通はここまで公開しないと思います。
区も審査員も設計者も、それを良しとしたみなさん潔いと思います。
「提案を踏まえながら、人・組織を選ぶ」プロポーザルなので、この案がそのまま計画案になるわけではないのですが、
案の方は、年内いっぱいで公開をやめるようなので、見たい方はお早めに!
『世田谷区本庁舎等整備基本設計業務委託公募型プロポーザル 提案書の公開について』
さて、個人的に感じたポイントです。
・保存をどこまでするか、全て新築にするのか残すのか
・区民会館と庁舎の配置
・広場の位置
・区役所機能を分棟にするのか、一棟にまとめるのか
・敷地を分断する道の考え方
・使いながら建築するための工夫
・防災拠点としての考え方
・周辺への配慮
などなどです。
建物の一部を保存する案は、2者が提案していました。
株式会社 佐藤総合計画(区民会館保存)
RIA・隈研吾設計共同体(区民会館、区民ホール、第一庁舎保存)
そして…。
9月27日、設計者として選ばれたのは
株式会社 佐藤総合計画 !!
「玉川総合支所」の改築の設計者にも選ばれており、wでスゴイ事ですね。
個人的には、けやき並木、水景、噴水、壁面レリーフ復元、曲げ降り階段の復元など、随所に記憶が残るものとなっていて、少しホッと致しました。
移転の可能性も検討したけれど、今の土地以外に見つけられないとなると、残すか建替えるか。全て新築する方が良い場合もありますが、地域性や、納得出来るだけの理由がはっきりしていないと難しいなと改めて思いました。また、設計条件や要項の縛りなどが多くなればなるほど、案の可能性を狭くしてしまうので、もう少し設計者に任せた方が多くのアイデアが出るのではないかなと思います。
さて、公共建物の建設には、設計者を決める前に、基本構想をまとめて、それに対してみんなが意見を言える場(パブリックコメント)がありますが、気にしていないと気づかない。
(今回の基本構想に対して)
意見した人数は 403人
世田谷区人口 89万人
建物が建ってから意見を言っても届きません。区民みんなが使う施設です。少しでも早い時点から関心を持つと、出来た時の楽しさが増しますよ。
伝えたい事は山ほどありますが、今回はここまで。
完成は2025年度の予定。まだまだ関われる事はありそうです。解体前に撮影ツアーとか出来ないかしら?と妄想しつつ、今後も世田谷区本庁舎について、レポートしていきたいと思います。
玉川総合支所分庁舎も建て替えを控えています。こちらもまたレポート予定です(^^)
◼︎DATA
◇世田谷区民会館
設計者:前川國男
述べ面積:5,333 m²
概要:RC造 地上2階地下1階
竣工:1959年
◇現:第一庁舎
設計者:前川國男
述べ面積:8,305 m²
概要:RC造 地上5階地下1階
竣工:1960年
◇現:第二庁舎
設計者:前川國男
述べ面積:10,518 m²
概要:RC造 地上5階地下1階
竣工:1969年
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世田谷区ホームページ
http://www.city.setagaya.lg.jp
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