昨年2016年4月1日より、障害者差別解消法が施行されました。1年が経過し、社会には、どのような影響や変化が出ているでしょうか?
同法は、日本の内閣が批准をしたことにより2014年2月19日から国内法的効力を生じさせている障害者権利条約(国際連合)を受けて、その条約の実効性を持たせるために成立した法律です。障害のある人が生活をしていくうえで、社会的に障壁となる全ての事柄を除去することを究極の目的としたものです。また、この法律は、行政機関や事業者に対し、障害者の「不当な差別的取扱い」を禁止し、「合理的配慮の提供」を求めています。
法施行後の「変化」の具体的な事例を挙げると、障害者差別解消法施行後、東京メトロやJRなどの鉄道では、「声かけ・サポート」運動の広告掲示と、車内放送が行われています。その内容としては、目が見えなくて困っている状況にある人に対して「何かお手伝いしましょうか?」などの声掛けを推進しています。徐々にではありますが、上記のような社会変化の萌芽は感じられるようになってきました。
ちなみに、私の方には現在はっきりとその影響が出ています。つい先日、同法施行による社会変化の有無、具体的な内容などについて、弁護士会内の小さな勉強会で調査報告をしなければならなかったのです。年度末の忙しい時期ですので、とにかく大変で、いまもまだその波及効果に苦しんでいるところです。
- 名称
- 所在地