二子玉川郷土史会が台風19号被害をまとめた冊子第2弾発刊 水害後の生活再建の進め方など

 「二子玉川郷土史会」(会長:原佳子)は9月5日、昨年10月に発生した台風19号の被害をまとめた冊子「二子玉川2019水害の記憶」に続く第2弾「二子玉川2019水害の記憶から いのちを守ったその後で・水害からの生活再建の進め方」をホームページで公表しました。

冊子の表紙

 二子玉川郷土史会は、「川と町と暮らしに関するあらゆることを楽しく語り合い、未来につながる歴史『未来史』を創り出そう」というモットーを掲げて活動している有志のグループです。

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 同会は、郷土・二子玉川の歴史を学ぶ中で、郷土の土台である多摩川の洪水や利水の歴史などへと研究の範囲を拡げており、昨秋発生し流域に大きな被害をもたらした台風19号では、地域内でも浸水が発生したことを受け、「街の記憶や郷土史家としての記憶を整理し、記録することで将来に伝えたい知恵や提言もまとめておくことは会の使命」とし、同冊子の第1弾をまとめました。

 9月5日に発刊した第2弾は、同会「二子玉川 2019・水害の記憶を語り継ぐ委員会」が、水害での避難所で二子玉川の住民にむけて配布することを想定して制作。発行のきっかけは:

台風19号のときの被災者に向け「浸水後の生活再建にむけた情報」があまりに不足していたことでした。避難所から家に戻り浸水の我が家と対面して成すすべを思いつかず茫然としている姿、とにかく片付けた翌春にカビの臭いで耐え切れなくなった話などはその情報不足の結果です。そこで「水害からの生活再建の進め方」をまとめておくことが水害被害を目前にした私たち郷土史会の使命と考えました。

 と同冊子の「はじめに」に書かれています。冊子は二子玉川住民に水害避難所での配布を想定されていますが、日常の災害教育や施策検討、また地域外などにも役立てたいとの思いが込められています。

 冊子は、同会ホームぺージからダウンロードすることができます。: 二子玉川2019水害の記憶から いのちを守ったその後で・水害からの生活再建の進め方」(2020年9月5日)

 現物をお求めの方は、同会へ直接お問い合わせください。また、同会のホームページでは9月5日(土)に開催をした「水害の記憶を共有する会」当日の記録映像、資料などを閲覧することができます。

 二子玉川エリア内をフィールドに設定されたレポートですが、多摩川流域あるいは水害の起こりうる地域の方々にとって有益な記録・史料です。ぜひご一読ください。

この記事を書いた人

こばなお

futakoloco 編集長&ファウンダー。二子玉川在住20年。主に公民連携分野のフリーランス・ライター/エディター。法律専門書出版社勤務と米国大学院留学(高齢化社会政策)を経て、2016年〜2022年、自らの暮らしの場である二子玉川のエリアマネジメント法人で情報・広報戦略と水辺などの公共空間における官民共創事業に従事。最近は生まれ育った西多摩の多摩川および秋川の水辺界隈でもじわりわくわく活動中。

暮らしを起点にした「本当にクリエイティブな社会」のタネを自らのアンテナで見つけ、リアルに伺った物語を記録し続けることがいま、とっても楽しいです!