どうぞのごはん♯16 おまつりとポップコーン

秋は、おまつりの季節。地域でのおまつりの他にも、学校や幼稚園、保育園などでもおまつりが目白押し。おまつりはなんでも大好きだけど、ただ行くおまつりではなくて、自分たちで作るおまつりが特に好き。楽しくするために、そのことが好きで一緒にやってくれる「できる仲間」がいないとできない。それが「おまつり」のすごいところでもあり、むずかしいところでもあるのかもしれないけど、だからものすごく面白い。

地元の小学校・世田谷区立砧南小学校のおまつり「みなみまつり」には、娘たちが卒業して10年経つ今も「みんなのみなみ池ひろばの会」として毎年参加させてもらっている。

10月の最後の土曜日に毎年行われるこのおまつり、今年も28日に行われた。雨が心配だったけど、和太鼓クラブのオープニングの演奏から、外のプログラムも最後まで無事開催できて、たくさんの子ども達、おかあさんたちの笑顔に会えて、本当によかった。

平成16年、長女6年生、次女2年生のころにPTAの本部役員となり、次女が卒業するまでいろいろな役員をやったけれど、最後の平成20年は、このおまつりの実行委員長をやらせてもらった。高学年になると、おまつりにくるだけの「お客さん」ではつまらなくなる子もでてくる。そういう子には、「おまつりをじぶんたちで運営する」ということの楽しさを知ってほしくて、「やりたいことをやろう!」と声をかけた。毎年、実行委員は変わっていくけれど、10年近くたった今でも、6年生は希望者が「何かじぶんたちでやる、」ということを続けてくれているようで、とても嬉しい。

子ども達に何かやってほしいな、と思った時は、まずは自分たちがやらなくてはといつも思う。あいさつしてほしかったら、じぶんが一番に声をださないといけない。おまつりを楽しく運営してほしかったら、じぶんが、楽しく運営しなければいけない。

今年のおまつりでは、実行委員さんだか、本部さんだか、が、「今川焼き」を焼いていた。それが、校章の焼き印つき!おお、こんなのあったのか~と驚いて、校長先生に聞いたら、なんと、焼き印は校長室にあったらしい。(そして電熱)知らなかったなあ。すごくおいしかったし、学校の焼き印を押して今川焼きなんてやりたかった!と思った。そうやってアイディアを出して、実現したなんてすてきだな、と思った。(周年行事のときにおまんじゅうや、おせんべいに焼き印をおすことが多いので、学校でもっているところも多いんだって。発注先に預けている学校もあるそう)

平成16年までは、本部の役員が実行委員を兼ねたようなところがあり、クラスの委員さんと協力して開催するようなかたちだった。(その後、実行委員組織を創ったのだけど)あのころ、学校の先生がおまつりに参加する、ということがなく(土曜日のPTA主催の保護者有志のおまつりという位置づけだったので)先生をおまつりに巻き込むためにいろいろなことを考えた。私が役員をやっている間に「まつりは、この学校の宝物だ」と言ってくださる校長先生が赴任して、その先生にご尽力いただいて以来か、いまでは保護者と先生と子ども達で開催するおまつりになっているようだけど、平成16年当時は先生はだれも参加していなかった。

先生たちひとりひとりをお誘いにいって断られた思い出とともに、それでもがんばってよかったという思い。大変なこともあったけど、そのころの仲間とやったおまつりは楽しかったし、翌年につながって、またつながって・・・、結局は今に続いているいろいろなことを思うと本当に良かった。実行委員長の時は、ゴミ処理代が10万かかると聞き、ゴミの持ち帰りと、バザーの残り物リサイクルをやってみた。今ではゴミは持ち帰りがふつう、ゴミ処理代はかかっていないようで、それもとても嬉しい。難しいように思えても、やってみればできることもあるものだし、ベストでなくてもやってみなくては何もできない。

大変だな、と思っても、それがいつかは何かにつながる。だから、やらなくてはいけないことはやってみて、つづけることが大切だと思う。

大人になってしまうと、なかなかそういうおまつりの運営などできないのが普通だけど、私は子ども達をもったおかげで、そういうことに関われて、本当にありがたかった。

☆ ☆ ☆

さて、ようやく表題のポップコーンだけど、その、なんだかどうにもうまくいかないなと思っていた最初の年に本部役員で出したものがポップコーンのお店だった。簡単にできて、子ども達が喜んで、原価、単価が安くて。安い袋に消しゴム版を押して、ポップコーンを入れて売った。いろいろ開催まではたいへんだったけど、ポップコーンは売れて、子どもたちも喜んで、みんな笑えて楽しかった。

そのポップコーン、去年、「爆裂種」という特別なとうもろこしの種類であることを知った。なにかとお世話になっている東急電鉄のウェブメディア「とくらく」のご担当者から教えていただいた、「爆裂種」のポップコーン。これ、ほんとうに簡単でおいしい。もう、おまつりで売ることはないと思うけど、また今年も持ってきてもらう約束をした。爆裂種ポップコーンは、トウモロコシがなってから、十分に水分を抜かなければいけないので、これからがシーズン。

おまつりの出店でなくても、とっても簡単で安価で安全で、おいしくて楽しいので、ぜひおやつにどうぞ。

◆ポップコーン(爆裂種トウモロコシで作る)レシピ
・トウモロコシは一粒一粒芯からはずす。
・フライパンにトウモロコシを敷き詰めてかぶるくらいに油をいれます。塩も適当に
・ふた(中が見えるガラス製のものがよい)を閉めて加熱。
・はじけだしたら、ゆする。
・全部はじけたら、できあがり。

※塩、バター、などお好みの味付けで。

どうぞのごはん♯15

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この記事を書いた人

ゆか

サラリーマン時代に東急ハンズ玉川店、玉川高島屋を担当し、ここいら辺が気に入って移住。岡本の坂下に住み、母となり産んだ子どもたちはもうオトナ。2005年から鎌田で「子どものアトリエ」を始め、2016年に大蔵5丁目「ゆいまあると3つの磁石」という場を開設、「子どものアトリエ」「映画とキャラメル」など、よくわからないことを展開。2021年、岡本から玉川4丁目の空き家(通称たまよん)に1年間入居。2023年、「ゆいまあると3つの磁石」近くに建った家に転居、「あめます舎」と名付けて家開きしている。NPO法人せたがや水辺デザインネットワーク所属。