【レポート】独特の「エモさ」が魅力、静嘉堂文庫美術館「書物にみる海外交流の歴史」展

映っているのは『天球全図』、実物は展示されている。
『伊曽保物語』ってご存じですか?江戸時代に日本で作られた本です。「いそほものがたり」と読みます。源氏物語のような日本の物語に思えますが、実はこれ有名な「イソップ物語」のことなんです。
 
静嘉堂美術館では6月22日から展覧会「書物にみる海外交流の歴史~本が開いた異国の扉~」が開催されています。本展覧会では海外の様々な国と日本の間の歴史上の交流が”書物”を通して紹介されています。
 
歴史的価値のある古い本というと、例えばまず文字が読めなかったり、あるいは仏教の教えなどが書かれていて内容がよくわからなかったりします。しかし、今回の展覧会に並んでいる本はそのような本とは雰囲気が少し異なります、例えば江戸時代に書かれた『六物新志』は一見日本風に見えるけれども、その内容は「ミイラ」や「人魚」などのオランダで作られた物語であったり、あるいは先程紹介した『伊曽保物語』はみんなよく知る『イソップ物語』が漢字ひらがなが混じった古めかしい文章でかかれていたりしています。
 
このように、本展覧会では古く日本風な見た目をしている書物でも、中身は昔から交流のあった外国について書かれており、それらからは単なる和洋折衷とも言えない、当時にとって全く新しい異文化への知識や情報に対する人々の強い興味と好奇心を感じることができます。この古めかしい日本文化の持つ空気感と、それに対する新しい西洋文化の新鮮さが交わる独特のエモさこそ、本展覧会の最大の魅力ではないでしょうか。

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〈イベント詳細〉

展覧会「書物にみる海外交流の歴史~本が開いた異国の扉~」
期間:2019年6月22日(土)~8月4日(日)
開場時間:午前10時~午後4時30分(入館は午後4時まで)
休館日:毎週月曜日(7月15日は開館)、7月16日は休館
アクセス:二子玉川駅バスターミナル4番のりばから東急コーチバス「玉31・32系統」

「静嘉堂文庫」下車
入館料:一般1000円/高・大学生700円/中学 生以下無料

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名称
静嘉堂文庫美術館
所在地
東京都世田谷区岡本2-23-1

この記事を書いた人

いちさん

いちさん

東京都市大学4年.コンピュータ触って生きてます.研究の休憩とか,大学院に行く準備をさぼるためとか,いろんな口実をつけて美術館に逃げる日々です.