フルタニDの街歩き 二子玉川ライズ薪能・能舞台から見た夏景色

こんにちは、フルタニです。放送局で番組づくりをしてました。

7月5日(金)6日(土)の二日間にわたって予定されていた、二子玉川の夏を彩る風物詩「 二子玉川ライズ薪能 」。

両日とも悪天候のためホールでの上演となりました。

「薪能(たきぎのう)」

「薪能(たきぎのう)」とは夜、野外に設置された能舞台の周りにかがり火を焚いて演じる能楽です。

二子玉川ライズでは2016年の初演以来、毎年初夏に開催を続けてきました。開催場所は多摩川の自然環境を模して作られたルーフガーデンの原っぱ広場(5階)。多摩川の風を感じながら二子玉川の街の夜景を背景に幻想的で幽玄な世界を味わってもらいたいというのが狙いです。

地域でもすっかり定着し、人気のイベントとなった薪能の一日を取材しました。

二子玉川ライズ5階ルーフガーデンが薪能の会場です。そのルーフガーデンから見た7月6日(土)の空模様。

多摩川から西、富士山の方角は雲に覆われています。

雨はいったん上がりましたが、夕方から夜にかけての空模様を心配したのでしょう。

午後三時に会場はホールに変更されることになりました。しかしせっかくこの日のために用意された能舞台です。特別にお願いして中をみせてもらいました。

ライズ屋上に特設された能舞台

5階からは東の方角に国分寺崖線を望むことができます。

能舞台があるのはルーフガーデン5階にある原っぱ広場です。観客席後方には生中継のカメラ席が見えます。

能舞台があるのは客席から向かって西の方角です。芝生に覆われた広場には500席近くの客席が並べられています。晴れていれば夕空を背景にした舞台を鑑賞することができます。

 

舞台のそばにはかがり火を焚く燭台が4基配置されています。

上演中は本物の火が灯され、舞台を照らし出します。

舞台は防水シートでおおわれています。

舞台セットは公演前日の深夜に設営されました。舞台の袖に立ち観客席を見ると、ここがビルの5階にあるとは思えないほど、豊かな緑に囲まれていることがわかります。

西空に暮れゆく空、生き物のように揺らめくかがり火、夜の闇に消えていく鼓や太鼓、笛の音。
多摩川の気配を感じながら鑑賞する能舞台は、私たちの五感に働き、想像する力を広げてくれるように感じました。

雨天会場はホール

夕方になって気温が下がってきました。気温は22度。夜風は徐々に強くなります。

薪能ではかがり火を使うことから雨や風の様子に気を遣います。改めて運営の難しさを感じました。

あいにくの天気にも関わらずホールは大勢の人で満員です。立ち止まってガラス越しに中を伺う人もいます。

撮影:二子玉川ライズ

前半は狂言、後半は能の二部構成です。

撮影:二子玉川ライズ

能は「杜若」。旅の僧が八橋にさしかかると杜若(カキツバタ)の花。
そこに現れた女が、ここは在原業平が歌に詠んだ杜若の名所であると言います。女は自分が杜若の精であり、菩薩の化身である業平の歌に詠まれたことで救われたと明かします。

舞台の左(上手・かみて)から現れた杜若の精。囃子方が打ち鳴らす太鼓や鼓に笛の音。ホールでの上演でしたが、屋上の舞台空間を見た私には、多摩川から吹く風や、空いっぱいに広がる宇宙の景色が重なって見えたような気がしました。

今年の梅雨明けはまだ先でぐずついた天気がまだつづきそうですが、毎年楽しみにする人も増えていると聞きました。来年は晴れるといいですね。

二子玉川ライズ薪能について(公式ページより)

ルーフガーデンで薪能を開催します。
「薪能(たきぎのう)」とは、野外に設置された能舞台で薪火を灯りとして行われる能楽のことです。幻想的で幽玄な世界を是非ご堪能ください。

◆日時 2019年7月5日(金)開場18:30 開演19:00 
       7月6日(土)開場18:00 開演18:30

◆会場(全席有料指定席)
     二子玉川ライズ 原っぱ広場(ルーフガーデン5F)
     ※雨天・強風時 iTSCOM STUDIO & HALL 二子玉川ライズ

◆演目 狂言  「清水」
     能   「杜若」

名称
二子玉川ライズ
所在地
東京都世田谷区玉川2丁目21−1

この記事を書いた人

古谷 健治

元テレビディレクター。世田谷八幡山で生まれました。多摩川を挟んだ中原区で育ち、横浜市あざみ野で暮らしています。筑波大学メディア創成学類で「映像制作実習」の講座を受け持ち、非常勤を2年続けたことから動画に関心を持ちました。現在シニアユーチューバーをめざして特訓中です。チャンネル登録お願いします。