1/12(日)今年も二子玉川水辺で「第31回どんど焼」 水害乗り越え鎌田南睦会がつなぐ日本の伝統

二子玉川どんど焼昨年の様子 撮影:小林直子

今年も二子玉川緑地運動場(鎌田1、通称:ブタ公園北)で1月12日(日)、恒例の「どんど焼」が行われます。

式典は10時30分開始、やぐらへの点火は11時ごろから。甘酒のふるまいもあります。やぐらが燃え落ちたら、竹ざおにつるした「お餅焼き」を行います。お餅と竹竿(約400本分の貸し出し)は、当日会場で「子ども優先」で配布されます。お餅は直火で焦げやすいので、アルミホイルとお醤油などの調味料のご持参をお勧めします。どんど焼の火で焼いた餅を食べると「その年は無病息災になる」との言い伝えがありますので、ぜひご家族皆さまでお出かけください。

どんど焼は地方によって「左義長(さぎちょう)」や「さいの神まつり」などとも呼ばれ、お正月のしめ飾りや門松、書き初めなどの縁起物や神物を持ち寄って燃やし、新年の厄払いを祈る日本の伝統行事。毎年正月15日ごろ(小正月)に開催されます。

もともと田園地帯で畑などが広がっていた二子玉川地域。開発後の近年では、各家庭で物を燃やすことが難しくなったことから、正月のしめ飾りなどの縁起物をゴミ集積所へ捨てられていることが増え、「見るに忍びない」と感じた住民組織「鎌田南睦会」(鎌田1~2丁目、3丁目一部と宇奈根1丁目一部)の有志が「日本の伝統行事を大切にしよう」と、1989年より始めました。同会の主催により今年で31回を数えます。地域に定着し、来場者数は推計1500人にも上ります。

過去の記事はこちら→【フォトレポート】二子玉川水辺「どんど焼き」2018

過去のどんど焼会場の様子 撮影:小林直子

同会に伝わる独自のやぐらはまるで「和風クリスマスツリー」。高さは約13メートルにもなります。これまで、竹や茅(カヤ)を使い、組み立てから当日のお焚(た)き上げまでのすべてを同会の町会メンバーが担ってきました。今年も開催1週間前に当たる5日日曜日、朝9時から同会のメンバーや関係者約80人が参加し、やぐら組み立てなど会場設営を行いました。婦人部の約10人によるお昼のまかないの後、15時ごろ完了しました。

組み立てが終わったやぐら(2020年1月5日14時、撮影:小林直子)
やぐらの仕上げ(1月5日15時ごろ、撮影:小林直子)
やぐら完成後、皆で集合写真(1月5日15時、撮影:小林直子)

今年は台風19号の影響で河川敷に生息するカヤの確保が難しく、また、会場の河川敷運動場の状況などから開催はできないのではないかと危ぶまれました。「そのような状況にありながら、今年は町会関係者だけではなく、横のつながりで大勢の方々に助けていただき、やぐらを組み立てることができて感無量です」と同会の脇克仁会長。また、少ないカヤの確保や会場の整地などについては、世田谷区や行政(同地の管理主体)にも助けていただき、本当に感謝していると話しました。

当日までのご注意点

お炊き上げする正月飾りなどは、当日9時頃までに設置されている集積場へ入れてください。可燃物のみでビン類などは不可。

当日、どんど焼の火柱は想像以上に高く立ち上ります。また、生木が破裂して火の粉が降りかかることがあり、足元にも火が走り危険ですので、見学は距離を十分に取り、燃えやすい服はお避けください。現時点(1月9日現在)で当日は雨の予報もあり、足元が悪いことが予想されますので、お気を付けて、しっかりした足回りでご参加ください。

今年は台風被害のため、隣接の緑地公園内のトイレが使用できない状況です。最寄りは堤防外の鎌田区民集会所内のトイレとなりますが、絶対数が不足していることから混雑が予想されます。お越しになられる方はご留意ください。

詳細や当日の開催状況などについては鎌田南睦会ホームページ二子玉川どんど焼き鎌田南睦会Facebookページでご確認ください。

現在の会場の様子(1月5日)。右手がお焚き上げ物の集積場

名称
二子玉川緑地運動場
所在地
世田谷区鎌田1-15-2

この記事を書いた人

こばなお

futakoloco 編集長。玉川町会100年懇話会事務局スタッフ。主に公民連携分野のフリーランス・ライター/エディター。二子玉川在住20年。出版社勤務を経てまちづくり法人で情報・広報戦略と水辺などの公共空間における官民共創事業に従事。多摩川流域生まれ&育ち。

暮らしを起点に「ほんとうに創造的な社会とは」を考えるラボラトリー「チームうなラボ」のフェロー。自分たちのまちづくり活動の経験や学びを言語化し、ときにはゲストとの議論と振り返りをまじえて発信・活動しています。

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