【レポート】静嘉堂文庫美術館「美の競演 ―静嘉堂の名宝―」

 多くの美術館が新型コロナウイルス感染拡大防止のために休館を余儀無くされてきました、しかし、緊急事態宣言解除に伴い、各美術館では安全を考慮された上での展示が再開されています。

 静嘉堂文庫美術館では6月27日から「美の競演―静嘉堂の名宝―」が開催しました。本展では同美術館が所蔵する名品の中から精選された合計70点が展示されます。今回は同館の主任学芸員である長谷川祥子さんに案内していただきながら本展を周ることができました。

館内はソーシャルディスタンスを保とう

 美の競演」と題された本展は当初、東京2020オリンピックをイメージされていたそうです。絵画、茶道具、陶磁器、漆工芸、彫刻、刀剣などの美術品がそれぞれ8つのエリアで、さまざまなテーマに別れて「競演(あるいは共演)」しています。長谷川さんに注目の「競演」を解説していただきました。

 「同一モチーフの競演!」では、中国・清時代の重要美術品「青花胭脂紅龍鳳文瓶」(乾隆〈1736〜95〉年製銘)の作品が展示されています。高さ約47センチ大で筒形をした花瓶には、群青色の雲の間を、片面に臙脂色の龍が、裏には鳳凰が向かい合せに描かれています。「この濃いピンク色をした臙脂紅には高価な金が顔料に含まれており、それをふんだんに使って片面には精巧に描かれた龍が、裏側には鳳凰が極めて精巧に描かれています。当時の最高級の技術が見て取れます。」と長谷川さんが解説してくださいました。豪華で迫力のあるこの作品の隣には、朝鮮時代(李朝)の「鉄砂雲龍文壺」という同じく龍の描かれた作品があります。こちらの作品は、中央部が張り出してソロバンの珠のような形をした白磁に、とぼけた表情をした焦げ茶色の龍が、渦巻模様の雲の合間を飛んでいます。「同じ官窯、同じ主文様ですけれど、作られた国や時代によって、作品の味わいはここまで違うものもあります」と解説していただきました。

精密に絵描かれた臙脂色の龍
臙脂色の鳳凰は龍の裏面に描かれている
この龍はかわいい

 本展はエリアごとの作品を見比べることで、美術品がどのように「競演」しているのかを楽しむことができます。本館の入口には人気投票が行われており、各人が気に入った競演を選んで投票することができます。どの競演が金メダルを取るのか注目ですね。

 また、本展では特別出品として、国宝の曜変天目「稲葉天目」が出展されています。この世で唯一の輝きを持つ天目茶碗をその目で確かめてほしいです。

シールを貼って投票ができる

 

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〈イベント詳細〉

 

展覧会「美の競演―静嘉堂の名宝―」

 

場所:静嘉堂文庫美術館、世田谷区岡本2−23−1

期間:2020年6月27日(土)~9月22日(火・祝)

前期展示6月27日(土)~8月2日(日)・後期展示8月4日(火)~9月22日(火・祝)

開場時間:午前10時~午後4時30分(入館は午後4時まで)

休館日:毎週月曜日(8月10日と9月21日は開館)(8月11日は閉館)

アクセス:二子玉川駅バスターミナル4番のりばから東急コーチバス「玉31・32系統」

「静嘉堂文庫」下車徒歩5分。二子玉川駅−成城学園前駅間のバス停「吉沢」下車からも徒歩10分程度。

※カーナビご利用の方は、美術館名ではなく「世田谷区岡本2−24−16」の住所をご入力下さい。(美術館前駐車場、約20台分あり)

入館料:一般1000円/高・大学生及び障がい者手帳をお持ちの方(同伴者1名を含む)700円/中学生以下無料

T E L : 050-5541-8600(ハローダイヤル)

 

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名称
静嘉堂文庫美術館
所在地
東京都世田谷区岡本2-23-1

この記事を書いた人

いちさん

いちさん

東京都市大学の大学院生.家は横浜だけど大学がニコタマ付近なので縁あって記事を書いてます.美術館や博物館のレポートを偶に書きます.