二子玉川ライズの屋上庭園にカルガモが飛来 多摩川と等々力渓谷の中継点に

 2015年4月の全体開業から2年が経過した二子玉川ライズ。民間が施行する再開発事業では都内最大級で、総施工面積は約11.2ha。地域の生態系や歴史・文化を活かし、地域環境の価値を創出する「エコミュージアム」の考えのもとランドスケープが設計されている。

 「地域に根づいた空間」を目指し、多摩川や等々力渓谷、国分寺崖線などの地形や、そこで見られる野草や樹木を取り入れた植栽計画で周辺との生態系のつながりを目指すランドスケープの設計により、2014年4月には生物多様性保存への貢献度などを定量評価する「ハビタット評価認証(JHEP)」制度で国内最高ランク(AAA)の認証を取得している。

 開業から2年、屋上緑化をはじめとした環境維持のほか、「菜園広場」では農作物を育て、地域住民や小学生、幼稚園に収穫体験の場を提供。また、周辺の水辺環境を再現した「めだかの池」では生物観察の場を提供し、近隣小学生の理科の授業で活用し地域との交流事業も積極的に行ってきた。そのかいあってか、徐々に昆虫や鳥類の飛来数が増え、ついに今春、2組のカルガモのつがいがめだかの池へ姿を見せるようになったという。

 開業前から同所を担当しているタウンマネージメントチームの高光晴さんによると、4月28日に飛来を初確認。当初は人気を避けてか朝方のみの滞在だったが、次第に滞在時間を延ばし、現在は日中毎日のように姿を見せ、池の端から端までを泳いでいる。

 高さんは「当初より同所は多摩川と等々力渓谷を結ぶ拠点という計画でしたが、生きている生物や植物が相手ですから最初から全て計画通りというわけにはいかなかった」とこれまでの「苦労」を明かしつつ、「次の目標は営巣、孵化そして子育て」と話す。留鳥であるカルガモは、水辺の草むらや竹やぶ、休耕田など人目につかない場所に営巣し、孵化後は水辺でメスと子どもだけで生活が始まるという。そのために現在、枯れ草を水辺に増やすなど植栽管理会社と相談し、卵を産みやすい環境を整備中。

 同池では最近、「第2回ニホンイシガメ放流式」も実施。絶滅が懸念される日本固有種のニホンイシガメに適した環境はどのようなものかなどについても日々検討している。高さんは「我々の仕事には『ここで終わり』ということはありません。『JHEP 認証』や『LEED』(Leadership in Energy and Environmental Design:環境性能評価指数)を取得したということは、その評価にふさわしい施設として維持し続ける責務があると考えています。より地域に関心を持ってもらい、次世代に環境を継承するために、今後も尽力していきます」と今後の展開へさらなる意欲を見せた。

同所が目指す「多摩川から国分寺崖線における生物ネットワーク」
めだかの池で泳ぐカルガモのつがい
親子連れの姿も多く見られる
池のそばに設置された水質を示す電光板(5月17日午後5時ごろ)
カルガモの飛来は施工時からの願いだった
めだかの池周辺のウッドデッキにうっすらと彫られている「カルガモ親子の足跡」
名称
二子玉川ライズ
所在地
世田谷区玉川1-14

投稿者: こばなお

二子玉川まち情報プロジェクト「フタコロコ」編集長。二子玉川カヌー部部員。二子玉川エリア在住14年。コンテンツづくり一筋、サイトの技術のことはまったくわかっていません。