二子玉川のまちづくり法人「二子玉川エリアマネジメンツ」は、かわのまちである二子玉川での安全な暮らしのため、家族で相談しながら防災避難計画を作成できる講座を、「多摩川緊急治水対策プロジェクト」(国土交通省京浜河川事務所公式サイト)における「減災に向けた更なる取組の推進(ソフト施策)」に基づき、2020年より開催しています。
今年度は当初、台風シーズンを前にした、夏休みの親子参加企画を予定していましたが、新型コロナウイルス感染拡大の状況により、緊急事態宣言解除後の10月24日(日)に延期して実施しました(詳しくはこちら:二子玉川エリアマネジメンツ公式サイトへ)。
NPO法人水・防災機構との共催で、後援には世田谷区教育委員会、そのほか玉川町会、東京都市大学、二子玉川まちづくりセンター、東急株式会社の協力を得ることにより、駅から近く広々とした「東京都市大学二子玉川夢キャンパス」を会場に、気象や防災、地域の地形、河川、環境、などの専門家による充実した内容で行うことができました。
当日は、小学生から大学生まで、親子を含んだ約20人が参加者しました。休憩を含んだ3時間という長時間の講座ではありましたが、無事に終えることができました。その参加者の一人である二子玉川エリア在住の高校2年生・浅見彩加さんが講座の様子をレポートしてくださったのでご紹介します。
親子こうざ「ぼうさいマイ・タイムライン」参加レポート
私は10月24日に東京都市大学二子玉川夢キャンパスで開催された、親子こうざ「ぼうさいマイ・タイムライン」に参加しました。
この講座に参加した理由は、私が今年の夏休みに友人と水災害についての論文を執筆したことをきっかけに、防災に興味を持ったからです。
この講座は、気象予報士による気象解説、二子玉川の地形と水みちについてのレクチャー、実際にマイ・タイムラインを作成、講座の振り返りセッションの大きく分けて4部で構成されていました。
気象予報士による気象解説と「観天望気の書」づくり(工作)
まず最初は、気象予報士による気象解説です。生物の行動や自然現象を観察して天気を予想することを意味する「観天望気」を学びながら、「観天望気の書」を工作しました。オリジナルの「観天望気の書」をつくって、子ども大人も、楽しむことができました。特に私がおもしろいと思った観天望気は、「星がチラチラとゆらいで見える時は、風が強くなる可能性が高くなる」ことでした。この講座を通して、天気を予想する力を身に着けることができました。
二子玉川の地形と水みち講座
2つ目は、「二子玉川の地形と水みち講座」でした。雨が降った後の水のサイクルや二子玉川に降った雨水の水のみち、下水道の役割などを勉強しました。私は、下水道があれば大雨が降っても大丈夫だと思っていましたが、下水道がいっぱいになってしまうと川の水が溢れたり、下水が道に溢れたりすることを知り、身近に危険が発生することがわかりました。
休憩時間:立体シミュレーションでひもとくたまがわ
休憩時間には、会場の後方にある情報ブースエリアで、ボランティアとして参加された東洋大学客員教授の高橋陽一さんに、世田谷の現在と昔の比較ができる地図を見せて頂きました。比較をしてみると昔、川が存在していたのに現在は無くなってしまった地域は低地になっていて、雨水が溜まりやすくなっていることがわかりました。このことから、川がなくても別のところに危険が潜んでいて危ないと感じました。
また、同じくボランティアである林将宏さんの「二子玉川のまちを立体地図で見てみよう!」では、林さんが手作りで制作してくださった、二子玉川周辺の立体地図模型が展示されていました。水みち講座などで、地形の段差などを指で触れて確認しながら、自分の住んでいる付近の地域の高低を確認することができました。
親子でマイ・タイムライン(避難計画)をつくろう!
3つ目の講座では、マイ・タイムラインを作成しました。今回は時間の都合上、マイ・タイムラインのチェックシートまでしか作ることができませんでしたが、これは親子や家族で防災について話し合う良いきっかけになると思いました。
振り返りセッション
その後は、東京都市大学 環境学部 環境創生学科 都市環境分野 丹羽由佳理ゼミ生の皆さんによる、今日の講座の振り返りをしました。
参加者は絵馬のようなカードに感想を大きなボードに張り出すのですが、参加した人の感想を見て、皆さんが楽しみながら学ぶことができたのだと思いました。
参考資料:マイ・タイムライン【振り返りセッション】「来場者が学んだこと」(丹羽由佳理ゼミ作成)PDF
私の感想
私自身は、この講座に参加して下水道や低地が雨水でいっぱいにならないような対策を自分なりに考えていきたい、と思いました。また、マイ・タイムライン作成では普段あまり考えることがない災害を考えて、親子や大切な人と話し合うきっかけになってよかったと思いました。貴重な体験ができてよかったです。