二子玉川ライズのカルガモ親子はいなくなってしまいました

futakoloco では先日8月2日、二子玉川ライズのルーフガーデンにカルガモが飛来し、営巣した後ヒナ7羽の姿が確認されたニュースをいち早くお知らせいたしました。※過去の記事では5羽とお伝えしましたが、最終的には7羽と確認されたそうです

 ところが、とても残念なことに、現在このカルガモの親子の姿は同商業施設のどこにもありません。1組のカルガモの親子の姿が見られるようになったのは7月31日。同所の管理担当者によると、8月5日夕方に、複数の(人間の)子どもと保護者とみられる大人たちによっておよそ1時間半に渡り、施設内を追いかけられたことで巣に戻ることができず、二子玉川ライズテラスマーケットと二子玉川公園を結ぶ通称リボンストリートを公園に向かって出ていく姿が確認されています。

 7月31日に初めてその姿が確認された後、カルガモ親子は、4階にある同ルーフガーデンめだか池から階段を下り、リボンストリートに掛かる歩道橋を渡り、菜園広場(3階)を回って再び別の歩道橋を渡って階段を上がりぐるりと1周してお散歩していました。およそ90分をかけてめぐるコースだったそう。始めの頃は朝方の人気のない時間に動き回っていたカルガモたちでしたが、2、3日もすると「ここでは危害を加えられない」と安心したのか白昼もお散歩行脚をするようになったとのこと。

▼二子玉川ライズ カルガモ親子お散歩コース(早送り画像)

▼二子玉川ライズ めだか池でくつろぐカルガモ親子の様子(2017年7月)

▼二子玉川ライズ めだか池へ飛来し、泳ぐカルガモ(2017年5月)

  過去にもお知らせした通り、同施設は生物が国分寺崖線・等々力渓谷と多摩川の中継点とする場になることを目指し設計され、地域の環境と共生し保全する基準を満たしています。再開発終了後も、実際に地域や専門家と連携した「水辺観察・ガサガサ」や地元幼稚園や小学校との食育講座や農園体験など、さまざまな活動を行ってきました。そのかいあって開業から2年の時を経て、カルガモのつがいが飛来し、繁殖と子育てが初めて行われただけではなく、なんと「商業施設をぐるりとお散歩」…同所の担当である二子玉川ライズ タウンマネージメントの桑波田真広さんも「施設内の水辺周辺だけではなく、商業施設をぐるりとお散歩することにはさすがに驚きました」と明かします。

 野鳥の親子が商業施設をお散歩する姿は大変珍しいこともあり、見かけた子どもたちだけでなく大人さえも、ついついその一瞬をカメラに収めようと至近距離まで近づいて撮影をした模様です。時には壁際まで追い詰められた様子も記録されており、カルガモ親子は通常と異なるルートを取らざるを得ず、人通りの多いリボンストリート(2階)に降りた後、巣に戻れずそのまま出て行ってしまったということです。
 
 カルガモの繁殖と子育て時期は初夏までですので、残念なことに今年は再度のチャンスがありません。桑波田さんは「ここからまた、来年に向けてさらにカルガモが生息しやすい環境づくりを行っていきます」と話されています。

 地域や二子玉川へ来街くださる皆さまには、水辺に隣接するまち・二子玉川は、このような自然の生き物との触れ合いが「日常の風景」となるよう地域一体となって推進していることへのご理解をいただき、自然の生き物との共生についてのご協力をいただけることを願っています。

カルガモが生息していた二子玉川ライズ ルーフガーデン内めだかの池(4階)

二子玉川ライズ

http://www.rise.sc/

名称
二子玉川ライズ ルーフガーデン
所在地
世田谷区玉川1-14-1

この記事を書いた人

こばなお

futakoloco 編集長。玉川町会100年懇話会事務局スタッフ。主に公民連携分野のフリーランス・ライター/エディター。二子玉川在住20年。出版社勤務を経てまちづくり法人で情報・広報戦略と水辺などの公共空間における官民共創事業に従事。多摩川流域生まれ&育ち。

暮らしを起点に「ほんとうに創造的な社会とは」を考えるラボラトリー「チームうなラボ」のフェロー。自分たちのまちづくり活動の経験や学びを言語化し、ときにはゲストとの議論と振り返りをまじえて発信・活動しています。

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