世田谷美術館で「民藝 MINGEI―美は暮らしのなかにある」展 多彩なコラボ企画、老舗工房特設ショップも

世田谷美術館で4月24日、「民藝 MINGEI―美は暮らしのなかにある」展が始まりました。同展は、柳宗悦らが国内外で集めた美しい民藝の品々を「衣・食・住」のテーマに沿って展示するほか、今も続く民藝の産地を訪ね、その作り手と、受け継がれている手仕事を紹介。さらに現代のライフスタイルにおける民藝まで視野を広げ、その拡がりと現在、これからを展望します。開催に先立って行われたプレス内覧会を元に同展の概要と見どころなどをレポートします。

「民藝」は、日々の暮らしで使われていた手仕事の品の「美」に注目した思想家・柳宗悦(1889-1961)が、無名の職人たちによる民衆的工藝を指した言葉。同展監修者の森谷美保氏によると、日々の生活のなかにある美を慈しみ素材や作り手に思いを寄せるこの「民藝」のコンセプトは、新型コロナウイルス感染症による社会状況の変化を経て「生活・暮らしを見直す」動きによって改めて必要とされ、私たちの暮らしに身近なものとなっている、と話しました。

そのため、これまでの民藝展との大きな違いとして「人間・柳宗悦」に焦点をあてた思想であったり歴史・運動を中心にしたものではなく、柳が説いた生活のなかの美、民藝とは何かを視覚化することで「肩の力を抜きつつ」身近に感じられる展示を心掛けたそうです。

同展は「第I章: 1941生活展─ 柳宗悦によるライフスタイル提案」「第Ⅱ章:暮らしのなかの民藝─ 美しいデザイン」「第Ⅲ章: ひろがる民藝─ これまでとこれから」の3章立て。2022年夏までセレクトショップBEAMSのディレクターとして長く活躍し、現在の民藝ブームに大きな役割を果たしてきたテリー・エリス/北村恵子(MOGI Folk Artディレクター)による、現代のライフスタイルと民藝を融合したインスタレーションも見どころのひとつです。

また、展覧会を楽しんだ後は、民藝ファンにとっては憧れの老舗の名店・人気の工房の商品が揃った併設ショップでお買い物ができます。

品ぞろえ豊富な特設ショップ!国内外の「民藝」品を手に取って見られる貴重な機会です。(4月23日プレス内覧会)

会期中は、関連ポッドキャストの配信やジュニアガイド、創作ワークショップのほか民藝フィルムアーカイブ上映会や講演会、トークイベントなど関連企画も多数行われます。また、同展の「美は暮らしのなかにある」というコンセプトをより楽しむために世田谷美術館近隣の飲食店のほか、玉川高島屋S・C、二子玉川 蔦屋家電とのタイアップキャンペーンも。詳細はこちら(特設サイト)

緑あふれる気持ちのよい季節、大型連休を利用して砧公園へのお散歩がてらにぜひお立ち寄りください。

基本情報

会期:2024年4月24日(水)~6月30日(日)

開館時間:10:00~18:00(入場は17:30まで)

休館日:毎週月曜日 ※4月29日(月・祝)、5月6日(月・振休)は開館、5月7日(火)は休館

会場:世田谷美術館 1・2階展示室

主催:世田谷美術館(公益財団法人せたがや文化財団)、朝日新聞社、東映

後援:世田谷区、世田谷区教育委員会、J-WAVE

協賛:TOPPAN

特別協力:日本民藝館

協力:静岡市立芹沢銈介美術館、カトーレック

●ご来館に際してのお願い《こちらをクリック》
●会期中、世田谷区立小学校美術鑑賞教室(対象:4年生)を実施いたします。日程表はこちら
 美術鑑賞教室のページはこちら

futakoloco過去の世田谷美術館の記事

名称
世田谷美術館
所在地
東京都世田谷区砧公園1-2

この記事を書いた人

こばなお

futakoloco 編集長&ファウンダー。二子玉川在住20年。主に公民連携分野のフリーランス・ライター/エディター。法律専門書出版社勤務と米国大学院留学(高齢化社会政策)を経て、2016年〜2022年、自らの暮らしの場である二子玉川のエリアマネジメント法人で情報・広報戦略と水辺などの公共空間における官民共創事業に従事。最近は生まれ育った西多摩の多摩川および秋川の水辺界隈でもじわりわくわく活動中。

暮らしを起点にした「本当にクリエイティブな社会」のタネを自らのアンテナで見つけ、リアルに伺った物語を記録し続けることがいま、とっても楽しいです!