出水期(6月~10月)を前に今年も多摩川旧堤防「玉川西陸閘・東陸閘」(玉川1丁目)の閉鎖訓練が5月21日に行われました。
大正時代から地域に交通の要衡として親しまれてきた玉川陸閘は、現在でも堤防機能を担っています。毎年閉鎖訓練を行い、閉鎖に必要な材料等が損傷・腐食していないかを点検すると同時に、設置から撤去までの作業と時間の確認が行われています。令和6年度も訓練の様子をレポートいたします。
なお、今年度は上流の「久地陸閘」についても初めて取材しました(【二子玉川 水辺まちづくりレポート】多摩川旧堤防閉鎖訓練②久地陸閘(りっこう)。併せてお読みください。
玉川陸閘閉鎖訓練取材メモから
2024年5月21日、薄曇りの天候の中、玉川陸閘の閉鎖訓練が予定通り9時30分から11時10分まで行われました。今年の訓練は、昨年よりも少人数でリアルな体制で実施され、高村國夫玉川土木管理事務所長が指揮を取りました。
訓練の進行と実施者
訓練は東陸閘から西陸閘へと進行され、水防計画に基づいた順序で実施されました。訓練には、世田谷区土木部から22名、玉川警察署から5名が参加しました。
多摩堤通りは閉鎖せず、陸閘の一時通行止めのみが実施されました。訓練終了後には警察の横断幕「災害に強い街づくり」を掲げて集合写真撮影が行われました。
所要時間と訓練内容
高村國夫玉川土木管理事務所長の計測によると、今年の訓練の所要時間は以下の通りでした。:
- 東閉鎖:24分27秒
- 東開放:23分15秒
- 西閉鎖:11分53秒
- 西開放:15分19秒
閉鎖工程、開放工程ともに、土木部のみなさんの連携が見事に発揮され、非常に手際よくかつ安全に訓練が終了しました。日頃の道路管理業務等の現場経験が有事の際にも生かされることがわかり、ありがたく感じました。
今回の訓練結果をふまえ、実際の出水時には時間的と対応人員数を考慮して工程を組み立てる方針とのことでした。
台風19号時の対応と訓練の評価
2019年に襲来した台風19号の際は、西陸閘のみが閉鎖され、東陸閘は閉鎖されませんでした。東陸閘には中柱があり、アスファルトを掘る必要があるため、多くの人員と機械が必要となります。
実際の出水時における陸閘の閉鎖は、堤外のすべての住民の水平垂直避難が終えられていることを確認してから実施されます。地域ごとの事情に合わせた避難計画がいざというときにうまく運用されるように、日頃から検討しておく必要性を改めて感じました。
今後も引き続き、訓練を通じて防災体制の強化を図っていくことが期待されます。
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futakolocoでは、かわのまち・二子玉川の安全な暮らしのためにこれまでも水辺に関するさまざまな防災活動について現場を取材し、その情報を地域へ向けて発信してきました。
多摩川旧堤防(玉川陸閘)閉鎖訓練については、過去数年にわたるレポートを公開しています。タイムラプスで作業全体を視聴することができますので、ぜひご覧ください。
- 名称
- 玉川陸閘(りっこう)
- 所在地
- 世田谷区玉川1-8付近