どうぞのごはん#50 ありがとうの関係者べんとう~沖縄を想うゴーヤ麩チャンプルー風~

 私は、二子玉川から上流3キロあたりの大蔵という地域に「ゆいまあると3つの磁石」という場を借りていて、そこで子どものアトリエをやったり、お弁当を作ったり、映画会をやったりしてきました。映画会は2020年まで、大家さんやグリーンピープルズパワーの方、下北沢のかまいキッチンさんたちと連携しながら開催していました。私が主宰のときは「映画とキャラメル」と銘打ち、映画鑑賞と併せてちょっとしたお話会をするのを常として、これまでに「happy」「人生フルーツ」「ミリキタリの猫」などを上映しました。

2019年3月24日「映画とキャラメル」で「ミリキタリの猫」を上映。
中央でお話しているのは、プロデューサーのマサ・ヨシカワさん

 そんな中、2019年にロードショウで「東京干潟」と「蟹の惑星」という多摩川の河口の干潟を舞台にした2作品を観ました。とても感銘を受けて、映画館に舞台挨拶に来ていた村上浩康監督とロビーで名刺交換し、「自主上映をしたい」という会話を交わしたものの、その後コロナ感染症の拡大などを始めとするさまざまな事情で早3年が経ってしまいました。

「東京干潟」「蟹の惑星」公式サイト

 時が経って今年の春、私が代表をしているNPO法人せたがや水辺デザインネットワークが制作を請け負っている森永エンゼル財団主催のWEBサイト「森永エンゼルカレッジ」シリーズの新作(「身近な自然観察シリーズ」)を撮るにあたり、若いNPOスタッフが「汽水域の干潟を紹介したい」と提案しました。

そして出来上がった2023 年8 月に収録した最新作です!

 「干潟のことは『佐川さん』に相談するといい」と「多摩川はかせ」のえのきんからアドバイスをもらっていたところ、たまたまお誘いを受けた多摩川流域の水辺の楽校の集まりの場でそのご本人・NPO法人多摩川干潟ネットワーク理事長でだいし水辺の楽校事務局の佐川麻理子さんに出逢いました。河口に集まるゴミの問題などの情報をお聞きする中で、佐川さんの「なにものも決めつけない姿勢」に、私はいたく共感。また、彼女の干潟に対する想いや、膨大なデータなど知識の蓄積を目の当たりにして、「佐川さんの動画を残したい」と思いました。

 改めて動画撮影の相談に佐川さんに会いに行ってみると、目の前に干潟が。そこは私が2019年に感銘を受けた映画作品「東京干潟」「蟹の惑星」の撮影現場だったのです。急にいろいろなことが繋がり、私は佐川さんに映画の話しをしました。すると、「あ~村上(監督)さん。私のとこにもよく来てたわよ」と仰いました。

 そんな頃、2017年ごろに二子玉川で「ちょいまち会(ちょっといいことしてみる会)」という面白いムーブメントを起こした橘たかさんと助成金のことなど情報交換する中で、「多摩川で一緒に自主上映会をやろう」という話しになり、多摩川で上映するなら多摩川の干潟2作品をテーマにしたい!と提案したのでした。会場は河川敷などの野外も検討しましたが、私たちのNPOが毎年2月に「多摩川子どもシンポジウムin世田谷」を開催させていただいている、東京都市大学の「二子玉川 夢キャンパス」がベストだと考えました。多摩川に向かって大きな窓一面が開かれている明るく広々とした空間です。

 助成が無事に下り会場の使用も決まり、とんとん拍子に10月9日(月・祝)に開催が決まりました。「多摩川のちいさな映画会」と名付け、多摩川干潟2作品の上映と村上監督と佐川麻理子さんのスペシャルトークを行う、という盛りだくさんな内容で、2本上映(68分+83分)とトーク(60分)でお昼タイムをはさむことになりました。お借りした会場は本来飲食禁止ですが、関係スタッフと村上浩康監督、佐川麻理子さんを囲んでお昼ごはんを一緒に食べたい、と思い夢キャンパスさんへご相談したところ「どうぞ」とご了承いただくことができました。

futakoloco記事

 夢キャンパスでの「どうぞのごはん」は3~4年ぶり?今回は時間があまりないこともありブッフェスタイルではなく、各自お弁当箱に詰めて「どうぞ」することにしました。(「どうぞのごはん」連載の一覧はこちら

お弁当のテーマは「沖縄を想う」

 今回のお弁当のテーマは、「沖縄を想う」です。沖縄では2018年から、辺野古基地の建設のための土砂の投入が止まりません。さまざまな見方があるとは思いますが、軟弱地盤の問題など、ほんとうにそれはやるべきことなのか。ここにきて、県知事が不承認したものを国が代執行するということは、日本国民全体の問題ではないのか。私は、そのことをおかしいと思うし、自分にも関係のあることだと思っています。

 沖縄の自然を壊してまで、ほんとうに必要なのか、強行しようとしている人たちに考えてもらいたい。だけど、自分に何ができるのかわからないのです。だからせめて、沖縄の自然に、そこに暮らしている人たちに想いを寄せたいと、沖縄の料理を見よう見まねで作るようになりました。

 今回の「どうぞのごはん」メインディッシュは今年、毎日のように作り、大勢に食べてもらって好評だった「ゴーヤ麩チャンプルー」。実は沖縄の本場で食べたことがないので正解はわかりません。ゴーヤ麩チャンプルー「風」といったほうがいいのかもしれませんね。ゴーヤは、世田谷産(というか、庭でとれたもの)です。

ゴーヤ麩チャンプルー風レシピ

材料:豚肉(今回は岐阜白川郷「結旨豚」の切り落としを使用。JAファーマーズマーケット二子玉川で購入)豚肉は脂が決め手かな。車麩・卵・ゴーヤ・野菜なんでも(今回は、玉ねぎ、にんじんを使用。キャベツ、もやし、ナス、などなんでもOKでした)

  1. ゴーヤを縦二つに切り、種と白いわたをスプーンで取り除く。わたが苦いみたいなので、しっかり取り除くと苦味が少なくなるかも。わたをとったあとにお砂糖、お塩を適当に塗り込みます。ゴーヤ、野菜は薄く切っておきます
  2. 沖縄の車麩を水で戻し、ギュッと絞って卵とあわせておきます。塩、コショウ少々
  3. フライパン(私は中華鍋)に油を敷いて(私は、揚げ物に使った油を使います。いろんな味が染みていて美味しい気がする)豚肉を弱火で焼きます(弱火で焼くと脂がじわじわ出てくるそうです)塩コショウして、お皿に移しておきます。
  4. 豚の脂が出てきたフライパンで野菜を炒めます。玉ねぎ、にんじん、ゴーヤなど火のとおりにくいものから順に。しんなりしたら塩コショウしてお皿に移しておきます。
  5. 野菜を炒めたフライパンで麩にたまごをあわせて焼きます。脂がなくなっていたら足します。
  6. 麩たまごに火が通ったところに豚肉、野菜をもどして混ぜ、醤油を回しかけてできあがり!

お弁当に添えたお味噌汁は、冬瓜のお味噌汁でした。冬瓜のレシピについては、またの機会に!

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名称
東京都市大学二子玉川夢キャンパス
所在地
東京都世田谷区玉川2-21-1 二子玉川ライズ・オフィス8階

この記事を書いた人

ゆか

サラリーマン時代に東急ハンズ玉川店、玉川高島屋を担当し、ここいら辺が気に入って移住。岡本の坂下に住み、母となり産んだ子どもたちはもうオトナ。2005年から鎌田で子どものアトリエを始め、2016年に大蔵5丁目「ゆいまあると3つの磁石」に引っ越し「子どものアトリエ」「映画とキャラメル」など、よくわからないことを展開中。NPO法人せたがや水辺デザインネットワーク事務局。