モズのハヤニエ発見!at 野川ベース

初めまして、ミキです。2015年からせたがや水辺デザインネットワークの職員です。私はとにかく生きものが大好き!色々な生きものを家に連れて帰っては、家族を戦慄させています。二子玉川ライズ内にある「多摩川水族館」の管理を担当。水辺を中心としたフィールドで、子どもたちと一緒に駆け回っています。

今日は、先日野川ベース(世田谷区立多摩川二子橋公園となり)で開催された「かわのまちアクション 野川ベース整備大作戦2017秋」に参加した際に子どもたちと一緒に見つけた、「モズのハヤニエ」について紹介します。

Q1: 「モズのハヤニエ」とは何でしょう?
A1: 枝の先に串刺しになったまま干からびたバッタやトカゲ・・・、すこしぎょっとする光景ですが、これは「モズ(百舌)のハヤニエ(早贄)」と呼ばれる、モズの狩りの痕跡なのです。モズはスズメ目モズ科に属する留鳥で体長は20センチほど。九州より北の地域の畑や公園、林や草原などに生息しており、身近な野鳥として知られる肉食性の鳥です。

モズがこの「ハヤニエ」をする理由は、はっきりとは分かっていないようですが、保存食として取っておくため、食べる時に獲物を固定するため、ただの本能的な習性・・・とさまざまな説があります。早贄するものは昆虫に限らずヒミズ、アメリカザリガニ、カナヘビ、オオマシコなど、哺乳類、爬虫類、鳥類など様々なんだそうですよ。

Q2: この季節、多摩川で頻繁にみられるの?
A2: ハヤニエは、特に秋から冬にかけて、多摩川のあちこちでよく見ることができます。木の枝はもちろん、河川敷の植え込みの中や囲いの鉄線の先などにあることも。獲物も、バッタなどの虫をはじめ、トカゲやカエルなどバリエーション豊かです。

また、今の時期は縄張りをアピールするために大きな声で鳴いているので、モズご本人にも出会うチャンス!実際に姿を見てみると、ワイルドな狩りとは裏腹に、スズメほどの大きさのかわいらしい鳥です。

Q3:今回発見したハヤニエの様子と特徴は?
A3: 11月12日に行ったかわのまちアクションに参加した幼稚園から小学校6年生までの子どもたちが、木登りをしていた時に発見しました。エノキの木の高い位置であったのにも関わらず見つけてくれて、思わず私も昼食を放り出して見に登ってしまいました。

ちなみにこの日の獲物は「クビキリギス」という、多摩川での虫捕りでもおなじみのキリギリスの仲間。子どもたちの思わぬ発見に、「子どもの頃はよく見たなぁ」と懐かしむ参加のおじさま方、「ビジュアル的にちょっと・・・」なお母さま方と、大人たちも一緒にしばし盛り上がったのでした。

秋になると田んぼや畑の周りで、よく見られたというモズのはやにえ。まちに田畑が少なくなった今、見かける機会はあまりないかもしれません。

でも、まちのすぐそばを流れる多摩川には、豊かな自然が残されていて、四季を通して生きものたちのさまざまな痕跡を見ることができます。

モズに限らず、バードウォッチングがおもしろくなってくるのが、これからの季節。あちこちからぞくぞくと、冬鳥が多摩川に集まってきています。ぜひ、私と一緒にフィールドに出てさまざまな生き物を観察しませんか?いつでも水辺で待っています♪

モズのハヤニエ

せたがや水辺デザインネットワーク

http://setagaya-mizubedesign.org

名称
野川ベース(世田谷区立多摩川二子橋公園となり)
所在地
世田谷区鎌田1

この記事を書いた人

miki

NPO法人せたがや水辺デザインネットワーク職員。とにかく生きものが大好き!色々な生きものを家に連れて帰っては、家族を戦慄させている。マイブームは二子玉川ライズの多摩川水族館にいる魚たちに話しかけること。地域のインタープリターを目指して目下修行中。