どうぞのごはん♯44~パクパク食べる旬のフキ~

 学校が休校になったのが3月2日。かわのまちアクションの公募を中止したのが3月4日。結局、「かわのまちアクション」を予定していた8日に雨が降り、どうぞのごはんを投稿したのが3月9日。かわのまちアクションでの「公募」はしなかったけど、マルタウグイをわたしたちのまちにやっぱり呼びたくて産卵床づくりをしたのが3月15日。世田谷区の学校の休校は15日までの予定だったけど、結局春休みまで延長。いったん新学期は分散登校と決まり、さあ、明日から、というところでの、休校延長、そして、東京都の自粛要請から、4月7日に国からの緊急事態宣言。

3月15日公募はせずに「マルタウグイの産卵床つくり」を行いました。瀬の速さを見ているところかな(撮影こばなお)

 緊急事態宣言が続く中、みなさん、どう過ごされていますか?新型コロナウィルスのことは、まだわからないことも多く、人はわからないと不安になるものらしく、なんとなく、もやもやっとして不安な空気が、そこここに流れている気がします。私は、ふだんから、あまりスーパーなどへ買い物も行かないし、電車にも乗らないし、半径2キロ圏内くらいを自転車で行ったり来たりしてすごしているので、さほど生活は変わっていないのですが、学校がお休みになったり、「外出禁止」と言われたり、日常が変化し、大人でも不安がいっぱい。お子さんのいるご家庭では特に、困ったことが起こっているのではないかと、気になっています。

 もし、うちの娘が今、小学生だったら、中学生だったら、高校生だったら・・。そう考えると、正直ゾッとします。たまたま、もう二人とも大人になり、不安はあるけれども、私のことや、周囲の人たちを気遣ってくれるくらいになっています。それでも。私たち大人でも、イライラや、不安があるのでしょう。そんなイライラや不安を、SNSなどで、自分とは違う関係ない人にぶつけているのだろうなという人たちの発言を見ると、悲しい気もちになります。

 人は、人と顔をあわせて話し合い、ふれあって生きるのが普通。子どもたちは、大好きな人に会えば、傍にいってまとわりつきます。面白そうなものがあったら触りたい。それは当たり前。それを制しなければいけないとしたら、それは、親御さんにとっても苦行にちがいありません。

興味があるものに出会えば、子どもたちは集まってくる。子どもたちは絶対に悪くない。(河川敷探検にて)

 いろいろな考え方の人がいて、いろいろな感情があります。子どもたちと、ずっとおうちにいたら、ケンカになっちゃって大変!ってご家庭もあるでしょうね。

 例えば、もし、うちの娘が小学生だったら、「ママ、絶対外に出てはだめ!死んじゃうよ」と不安で恐怖におびえているのではないかなあ、と思います。それなのに、エネルギーが余ってて、外にでたいけど出られなくて、眠れなくて、私はイライラして怒る、娘は泣く、みたいな。

 人生100年という時代、まだ半分過ぎたくらいの私ですが、人生も、子育ても後悔ばかり。子どものころから、「明日死んでも後悔しないように生きるぞ」と思って生きてきたつもりですが、いつだって、「あの時こうすればよかったのかも」「あんなことしなければよかった」と後悔ばかりです。

 だけど、後悔するたびに、何が「正しいか」なんて、歴史が終わるまで誰にもわからないのだろうから、その時に「いいと思ったこと」をひたすらやるしかないな、と思います。だって、戦国時代だったら、人殺しをどんどんできる人が英雄になったわけで、その時の時代によって「正しいであろう」ことは変わっていくわけですから。けれど、子育てしているときは、自分の人生だけでなく、子どもたちの人生もある程度自分が左右してしまうわけなので、そういう風にわりきれないこともたくさんありました。子どもたちには、今しかなくて、すぐに大きくなっていきます。明日は待ってくれないのです。この状況でいったいどうすればいいのか。

 なにが正しいのかわからない、確かなことがあるとしたら、どんなときも、絶対に子どもたちは悪くない、ということ。現代は、本当に難しい局面にあるなと思います。いろんな事情があって、それぞれが、同じように行動するのは、きっと難しい。みんな不安で、みんな困っているんだと思います。でも、だからこそ、人を責めることだけはしたくない。そして、小さなカタマリの中で、ゆるやかで丁寧なつながりを大切にしていきたいなあと思うのです。

ちょっといけば広い広い河川敷

 このひと月くらいの間、ひたすら、花さんぽと、川さんぽをしてきました。この二子玉川のまちは、東京都23区、世田谷区のいちばん南の端っこ。渋谷まで電車で15分だけど、駅から少し離れれば、そこには、美しい花々と、広い空があり、虫や、鳥みたいな小さな友達がたくさん。私は、九州の大分育ちですが、地方とは言え県庁所在地で、川はPCB汚染、産業道路が通り、工場が煙をもくもく、野山を駆け回って遊んだりというのとは程遠く、道を歩いてて野菜を農家さんにいただくなんて、子どもを産んで、このまちで初めて経験しました。最近は、近所にコンビニもできましたけど、ほんとに、都内とは思えないのんびりしたまちだなあ、と思います。

 もし、天気がよければ、人のいない小さな自然がある場所で、大きな空を見上げてお散歩してみたらどうかな。子どもたちは、公園に行って、遊具があれば、それであそびたいし、取り合いもしますが、何もなければ「触らないで!」と怒らなくてもいいし、ただ危険のないように見守っていれば、きっと、小さなだれか~虫や、花や、石や~を見つけてお友達になれると思います。 

 私は「鍵っ子」(今は、あまり聞かないけれど)でした。おばあちゃんに預けられたり、おねえちゃんと留守番したりが多くて、家で折り紙やお絵かきをしたり、一人で外で自転車に乗ったり、石を拾って遊んだりしていました。あのころは、今と違って、子どもは小さくても一人で外で遊んでいられた時代でしたから。自分の娘たちの時は、子どもだけで遊びにだすなんて、考えられない!となってきていました。(ちょうど、池田小学校での殺傷事件があった時に豊中に住んでいました)そして今。ほんとうに大変な時代になったなあ、と思います。

道路計画でつぶされていく畑。整地されたあと、しばらくまた工事がないので、耕して夏野菜を植えるおじいさん

 私たちのまちには、まだまだ畑がたくさんあり、街角に野菜スタンドもたくさんあります。スーパーでなくて、野菜スタンドで野菜を買うのもいいのでは。今日は、ワサビ菜、スナップエンドウ、きぬさや、ホウレンソウなど買いました。このまちは、あちこちで、タケノコや、フキを戴くこともあり、そんなあたたかいまちの関係の中で、そういう旬のものを料理して食べられるのは、ほんとうにありがたいことだなあ、としみじみ思います。

昨日、野菜スタンドで買ったわさび菜。初めて食べた。

フキの皮をむいたときの美しさといったら。

できるだけ長いまま湯がいて皮をむきます。これは、かわべ農園のフキ

 このひと月、さんぽの途中で見つけたフキを何度も剥いて食べました。うちの子どもたちは、味のついてない、塩ずりしてゆがいただけの塩味のフキを、「おいしい、おいしい」と食べてしまうのでした・・・。

みんな、また、遊ぼうね!!

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フキ

▶葉を落として、できるだけ長いまま、まな板の上で塩ずり(塩をつけてゴロゴロ転がす)

▶お鍋やフライパンにお湯を沸かして湯がきます。2~3分

▶お水にとって冷やす

▶端っこから皮をス~っと剥きます。上下両方から剥くと剥き残しがありません。

切ってから、出汁をかけたり、味付けをします。

あぶらあげと一緒に出汁で
ピリ辛のきんぴら風(酒:醤油:みりん:さとう=1:1:1:1)ごま油でさっと炒めて調味料と鷹の爪をいれます

 

♪きょうは なににであうかな どんなことが おこるかな
いきものと かくれんぼ しりたいことが いっぱい♪(せたがや水辺の楽校のうた)

名称
河川敷
所在地
世田谷区鎌田1丁目地先

この記事を書いた人

ゆか

サラリーマン時代に東急ハンズ玉川店、玉川高島屋を担当し、ここいら辺が気に入って移住。岡本の坂下に住み、母となり産んだ子どもたちはもうオトナ。2005年から鎌田で「子どものアトリエ」を始め、2016年に大蔵5丁目「ゆいまあると3つの磁石」という場を開設、「子どものアトリエ」「映画とキャラメル」など、よくわからないことを展開。2021年、岡本から玉川4丁目の空き家(通称たまよん)に1年間入居。2023年、「ゆいまあると3つの磁石」近くに建った家に転居、「あめます舎」と名付けて家開きしている。NPO法人せたがや水辺デザインネットワーク所属。