JAXA(宇宙航空研究開発機構)は先日、惑星探査機はやぶさ2が小惑星リュウグウに着陸し、リュウグウの地表から岩石のサンプルを採取したと発表しました。私は、生命の原材料が何かとともに、地球上の生命が宇宙(他の惑星等)からやって来たとする「生命宇宙起源論」(パンスペルミア説)が証明されてしまう可能性をひそかに非常に楽しみにしております。
今回のコラムは、惑星探査機はやぶさ2の小惑星着陸をきっかけに、「生命宇宙起源論」を想起し、「人間幸福起源論」をテーマで書きます。また、最近、「サピエンス全史」や「『幸せ』について知っておきたい5つのこと」(幸福学)という本を読んだことに影響を受けてもいます。ジャン・ジャック・ルソー(フランス)の「人間不平等起源論」も意識しております。内容はよく知りませんが(笑)
上記「サピエンス全史」によると、人間(ホモ・サピエンス)の最大の特性は、「信義の下で、知らない人とも協力できる」ことだそうです。この特性があるからこそ人間は、他の人類種(ネアンデルタール人など)や他の大型動物(マンモスなど)も蹴散らし、現在、地球上で「最も栄えている動物」となれたわけです(諸説あります)。
この特性は人間は他人とのコミュニケーションをしつつ他人と協力することに、幸福を感じるようにインプットされているということなのではないでしょうか。違う言い方をすれば、このような「他人との協力に幸福を感じるタイプの人類種だけが生き残ることができた」と言えると思います。なぜなら、他人との協力なくして地球上の過酷なサバイバルを勝ち抜くことは不可能だからであり、他人と協力のできる人類種だからこそ生き残ったものと考えられるからです。
結局、人間は、他人とコミュニケーションしつつ他人と協力することに幸福を感じるものであるため、たとえば自分の生活拠点である地域コミュニティで活動することは、他人とのコミュニケーションや他人との協力が必須なので、まさに人間が幸せを感じる機会なのだと思います。
ゾーン30についてのコラム♯13のまとめで述べたこととも共通しますが、地域コミュニティでは、行政に任せたうえで外野から「他人事」のように文句を言うのではなく、自分たちで協力し合って、言わば内側から「自分事」として地域政策を形成していくことが、満足度の高い地域実現につながるのではないでしょうか。
太古の時代に、人間が幸福を感じながら他人と協力し、生き延びてきたのと同様に、現代での地域コミュニティでの生活や、いわゆる街づくり活動は、人間が今後も生き延びていくための流れそのもののように思えてなりません。
かく言う私も、この地域メディアFutakolocoにコラムを書くことによって、二子玉川地域とつながり、幸せを感じられているのでしょう(がんばって続けよう…)。
<参考図書>
ユヴァル・ノア・ハラリ (著)「サピエンス全史(上)(下)文明の構造と人類の幸福」(2016年9月、河出書房新社)
NHK「幸福学」白熱教室制作班 (著)「『幸せ』について知っておきたい5つのこと NHK『幸福学』白熱教室」(2014年12月、KADOKAWA/中経出版)
<参考サイト>
JAXAはやぶさ2プロジェクト
http://www.hayabusa2.jaxa.jp/science/ryuugu/
小惑星探査機「はやぶさ2」とは
http://www.jaxa.jp/projects/sat/hayabusa2/index_j.html
生命はどこから来たのか(パンスペルミア仮説)
http://www.cis.twcu.ac.jp/~asakawa/MathBio2010/panspermia.html
<過去関連記事>
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