「二子玉川 たんぽぽツアー2022」開催レポート ~親子編~

「二子玉川 たんぽぽツアー 2022 」 今年は親子づれを対象にしたツアー(親子編)と、大人を対象にしたツアー 大人編 の2回構成で開催しました。 親子編は 4月2日(土)AM10:00 に二子玉川駅より出発。 元気な小学生と、彼らに負けない好奇心旺盛な保護者たちが参加くださいました。 満開の桜の下、タンポポたちも元気に咲いていました✨

2022年のツアー概要を示した フライヤー
2022年の試み

ツアーコースは昨年とほぼ同様。今年は昨年の経験を踏まえて中身はちょっぴりグレードアップを試みました。平日お仕事の方にも参加いただけるように開催日を土曜日にも設定。 事前にタンポポ研究の第一人者、保谷彰彦先生にアドバイスもいただき、観察内容も子ども向けと大人向け、少し変化を加えてみました。
大きな前進は、二子玉川まちメディア(フタコロコ)に協力いただくことができたこと。ロコメンバーの鈴木さんがドンと私の背中を押してくれ 、 磯村舞さんが愛娘の華ちゃんとツアーを盛り上げてくれました。 さらにはフタコロコの小林直子 (コバナオ) 編集長 も「タンポポ面白そう! 」と自ら参加くださり何と心強かったことか。

以下の写真は、コバナオさんが撮影くださいました🙌

当日、参加者にお渡ししたオリジナルマップと資料
在来種・外来種って?

「タンポポ観察を通して身近な自然環境をみんなで知る・考える」 これがツアーの目標。地域にはさまざまな動植物が見られますが、春先に咲くタンポポに焦点を絞って観察することで、私たちの地域の自然環境の特性を見つめてみようという試みです。多摩川流域に暮らす子どもたちは、在来種・外来種の問題にも敏感。なので、そんな対話から観察をはじめることにしました。
ツアーのタスクは観察したタンポポの見つけた場所を種別に色分けしてマップに貼り込み、自分だけのタンポポ地図をつくること。

ツアーを共にするメンバーは大切な仲間。自己紹介からスタートです。

出発は二子玉川ライズ前より。まずはメンバー自己紹介


ライズ前の植え込み。こんな所に在来タンポポ見っけ! 気分上がってきたね(^^♪

大井町線沿いの斜面にもひっそり咲く在来タンポポ
4月2日の大井町線沿い斜面の在来タンポポは咲き始め。かわいいね
丸子川沿いにあら不思議。雑種タンポポに挟まれて、左から 2番目の株だけ在来種っぽい!?
シロバナタンポポとタマリバタケ

もう一つ、昨年より進化した大きな出来事は、私が数年シロバナタンポポの聖地として、柵の外から観察を重ねてきたあの空地が、2021年11月にタマリバタケという素敵なコミュニティ農園に生まれ変わったこと。そのお陰で農園の中でじっくり観察することができるようになったのです。

当日は、タマリバタケの素敵な取り組みを参加者のみなさんと共有することもできました😊

農園内の斜面に咲くシロバナタンポポをじっくり観察
近隣小学校の理科の先生も春先には観察に立ち寄ると言うタマリバタケのシロバナタンポポ
小2にして実物を目の前に観察、そして資料と睨めっこ(+_+)
タマリバタケのみなさんが心を込めて制作されたテーブルでブレークタイム_(._.)_
在来タンポポが咲く環境とは

二子玉川駅周辺だけでも数種類のタンポポをみんなで確認できました。そこで、ツアー告知に記した「在来種と雑種を見比べ、どこがどう違うのか、生えている場所・環境がどう違うのか、そういう視点で観察するとタンポポの奥深い世界が見えてくるでしょう」という保谷先生からのメッセージをふり返ってみましょう。

すると「なぜ、二子玉川公園と多摩川河川敷に挟まれ、ロープで囲われたこの場所に在来タンポポが群生しているのだろう?」 そんな疑問が浮かんできます。

答えは、タンポポに聞くしかないのですが、観察を重ねながらふり返ると、同じタンポポでも種類によって生きやすい環境が少しずつ異なることに気づいたのではないでしょうか。

ロープに囲まれたその中は在来タンポポの聖域
二子玉川公園と多摩川河川敷の間のロープで囲まれた場に広がる在来タンポポたち
多摩川の砂にたんぽぽ咲くころはわれにもおもふ人のあれかし

このツアーの解散場所に相応しいのはやっぱり牧水碑。ということで兵庫島周辺に咲くタンポポを観察すると、ほぼ雑種。この日は在来タンポポを確認することができませんでした。

牧水がこのうたを詠んだのは明治の終盤(明治44年歌集『路上』掲載)。セイヨウタンポポが北海道に食用として入ってきたのが明治の初期といわれているので、当時、関東の多摩川べりで牧水の瞼に映っていたのは在来タンポポだったのではないでしょうか。

たんぽぽの街、二子玉川を象徴する兵庫島の牧水碑
子どもたちの観察結果。すごい👏👏👏
赤●在来種 黄●雑種 白●シロバナ 青●在来みたいな雑種!?
上を見れば満開のサクラ、下を向けば多様なタンポポたち。そんな欲張りなツアーが実現\(^o^)/
たんぽぽツアー親子編を終えて

タンポポだけを見つめるツアー!?  そんなツアーに関心を持ってもらえるだろうか。 ましてや子どもたちが……。不安は直前までありました。子どもたちには大自然がよく似合う。でも今の時代楽しみ方は他にもたくさんあるだろうし、などと。 そんな不安を打ち消してくれたのが、小4Hちゃんのふり返りでの一言。 「最初は行くのめんどうだな~ と思ったけど、観察していったら次々違いが分かってきて楽しくなった!」

私自身もツアー中、彼女の表情が時間と共に輝いてくるのが見て取れ、最後の最後に彼女の口からこんな言葉を聞けて\(^o^)/

自然界と心を通わせるとそれだけのものが還ってくるし、自然にはその力がある。自然の中に身を置けばそれだけで心地よさが味わえます。でも、時には一つの生き物に焦点を絞って観察してみると、実は大自然の営みや在り方、そして人間がつくりあげてきた環境、その良し悪しも見えてくる。

そんなことを子どもたちと共有したツアーでした。 そして、彼らもまたこの日の学びをいつか次の世代に繋いでいってくれそうな。そんな願いが膨らんだ一日でした✨

⇒二子玉川たんぽぽツアー2022 大人編開催レポート

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この記事を書いた人

牟田由喜子

瀬田に移り住んで20年余り。二子玉川地域の魅力をしみじみ味わう今日この頃です。

早春には、多摩川河川敷や兵庫島の牧水たんぽぽ碑付近、タマリバタケ、玉川野毛町公園などでタンポポ・ツアーを実施したり、自然観察することで、みんなで社会や環境課題に向き合いたいと思っています。

人も自然も未来に続く日常のために、地域を愛でつつ、学び合い、対話を重ねる時間を大切にしたいという想いを込めて、サイエンス・ワークショップなども実施しています(^^♪