マルタのキモチ

マルタウグイという魚を知っていますか?
多摩川を代表するという魚と言えばアユ。水がきれいになった多摩川のシンボルですが、マルタウグイもこの地域に春を告げる忘れてはならない魚です。

マルタウグイは、一般には「ハヤ」と言われるウグイの仲間。名前の由来は体が丸太ん棒のように太くて大きなウグイだから。オトナになると50cm以上にもなります。マルタとも呼びます。
一生を淡水(川や湖など)で過ごす魚のことを純淡水魚と言いますが、マルタは産卵のために海から遡上してくる遡河性回遊魚。産卵行動はサケと同じですが、卵を産んでも死にません。
一方、アユは一生のうち一時期だけを海で過ごす両側性回遊魚。上流で成長したアユは、晩秋に二子玉川の周辺で卵を産み、生まれた仔魚は一度東京湾に降りて再び春先に多摩川を遡上して川で成長するのです。

マルタは2月下旬から3月下旬の早春に、産卵のために多摩川の河口付近から遡上してきます。目指す産卵場所は、水がきれいで川の流れが速く、石がゴロゴロしている川底があるところ。
とは言っても、ただ石がゴロゴロしているだけでは卵を産みたい気持ちにはなりません・・・。「フッカフカ」が大事。川の石は以外としっかり川底に埋まっています。この状態を「沈み石」と言いますが、マルタたちが卵を産みたい場所は石が埋まっていない状態、「浮き石」のところ。なぜならマルタの卵は付着卵。このため、卵がくっつきやすい多孔質で表面積が多い浮き石の場所がいいのでしょう。
さらに、しっかり卵が着床するためには、石の表面に藻(アカ)が付いていたり、泥だらけではいけません。ツルッツルでピッカピカの石であってほしいわけです。
ゴロゴロでフッカフカでピッカピカの場所。マルタたちはそんな場所を探さねば、と言う気持ちで川を遡ってくるのです。

昔の多摩川は、解け水で春先の水量が多かったのでしょう。水量が多ければ石が転がされ、浮き石が多くなり、石の表面も水の勢いでピッカピカ。いたるところに産卵したくなるような環境があったのでしょうね
でも近年は水利のための水量の調整や気候変動などで早春期の水量が減り、自然作用でつくり出される産卵に適した場所は少なくなってしまいました。

そこで、地域のチカラの出番。

毎年、マルタたちの気持ちに添えるように、駒澤大学のグラウンドのそばの多摩川で地域の人とせたがや水辺の楽校の有志が、産卵場所づくりをしています。産卵が始まる前に川に入り、草津温泉の湯揉みのように川底の石を木の板でグリグリと揉み、ふかふかにします。石を揉むことで石の表面もきれいになります。さらに、泥や藻を拭き取ったきれいな小石も投入して最高の「床」をつくってあげる。

昨年からこの活動は二子玉川エリアマネジメンツのかわのまちアクションとして実施しています。
春の風物詩、多摩川のマルタたちの産卵をちょっとだけ手助けしてくれませんか。今年は3月5日(日)にやります。

マルタウグイという魚を知っていますか? 多摩川を代表するという魚と言えばアユ。水がきれいになった多摩川のシンボルですが、マルタウグイもこの地域に春を告げる忘れてはならない魚です。 マルタウグイは、一般には「ハヤ」と言われるウグイの仲間。名前の由来は体が丸太ん棒のように太くて大きなウグイだから。オトナになると50cm以上にもなります。マルタとも呼びます。 一生を淡水(川や湖など)で過ごす魚のことを純淡水魚と言いますが、マルタは産卵のために海から遡上してくる遡河性回遊魚。産卵行動はサケと同じですが、卵を産んでも死にません。 一方、アユは一生のうち一時期だけを海で過ごす両側性回遊魚。上流で成長したアユは、晩秋に二子玉川の周辺で卵を産み、生まれた仔魚は一度東京湾に降りて再び春先に多摩川を遡上して川で成長するのです。 マルタは2月下旬から3月下旬の早春に、産卵のために多摩川の河口付近から遡上してきます。目指す産卵場所は、水がきれいで川の流れが速く、石がゴロゴロしている川底があるところ。 とは言っても、ただ石がゴロゴロしているだけでは卵を産みたい気持ちにはなりません・・・。「フッカフカ」が大事。川の石は以外としっかり川底に埋まっています。この状態を「沈み石」と言いますが、マルタたちが卵を産みたい場所は石が埋まっていない状態、「浮き石」のところ。なぜならマルタの卵は付着卵。このため、卵がくっつきやすい多孔質で表面積が多い浮き石の場所がいいのでしょう。 さらに、しっかり卵が着床するためには、石の表面に藻(アカ)が付いていたり、泥だらけではいけません。ツルッツルでピッカピカの石であってほしいわけです。 ゴロゴロでフッカフカでピッカピカの場所。マルタたちはそんな場所を探さねば、と言う気持ちで川を遡ってくるのです。 昔の多摩川は、解け水で春先の水量が多かったのでしょう。水量が多ければ石が転がされ、浮き石が多くなり、石の表面も水の勢いでピッカピカ。いたるところに産卵したくなるような環境があったのでしょうね でも近年は水利のための水量の調整や気候変動などで早春期の水量が減り、自然作用でつくり出される産卵に適した場所は少なくなってしまいました。 そこで、地域のチカラの出番。 毎年、マルタたちの気持ちに添えるように、駒澤大学のグラウンドのそばの多摩川で地域の人とせたがや水辺の楽校の有志が、産卵場所づくりをしています。産卵が始まる前に川に入り、草津温泉の湯揉みのように川底の石を木の板でグリグリと揉み、ふかふかにします。石を揉むことで石の表面もきれいになります。さらに、泥や藻を拭き取ったきれいな小石も投入して最高の「床」をつくってあげる。 昨年からこの活動は二子玉川エリアマネジメンツのかわのまちアクションとして実施しています。 春の風物詩、多摩川のマルタたちの産卵をちょっとだけ手助けしてくれませんか。今年は3月5日(日)にやります。

名称
多摩川
所在地
Tamagawa

この記事を書いた人

あめます

河川と水生動物の自然環境コンサルタント。日本中の水辺を歩いて、足もとの多摩川のすばらしさに気がついたオジサン。NPO法人せたがや水辺デザインネットワークで子どもたちと川遊び中。地元の東京都立世田谷総合高校「環境科学」で高校生とお散歩中。