みきちゃんの水辺観察日記:「春告げ魚」マルタウグイレポート#2 遡上日予測!

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18日水曜日、晴れ、観察時間12:30、気温18℃

 産卵床づくりから4日、一番暖かく穏やかな日になりました。 今日は、「マルタの桜」から、産卵床まで行ってみようと思います。

左の木が通称「マルタの桜」

 「マルタの桜」について、詳しくはゆかちゃんの記事をお読みいただきたいのですが(どうぞのごはん♯42 谷津田さんの「マルタの桜」とふきみそ)、品種はソメイヨシノです。多摩川の土手に植わるこの桜、今年は例年よりずっと早く開花しそう。もう、今にも咲きそうなつぼみがいくつかありました。マルタの桜の前から見下ろす多摩川。産卵床づくりの名人・谷津田さんが、毎日眺めていた景色です。

 ここから土手をまっすぐ降りて、護岸へ。昨年の台風19号の爪痕は残っていますが、川はいつもと変わらない春の表情です。この護岸は、毎年4月に行われるせたがや水辺の楽校の「おさかなのすみかづくり」の舞台でもあります。これから産まれるマルタの稚魚たちにも、この周辺で会えるんじゃないかな?

 

 川を眺めていたら、大きな魚が3回跳ねました。

 マルタウグイは群れをなして遡上してきますが、大きな群れが来る前にも、少しずつ遡上は始まっています。

この護岸の前には大きな深みがある。そこに、マルタはもういますよ。

 昨年の今ごろ、谷津田さんと護岸に立って川を見たときに仰っていた言葉です。

 この周辺には、コイなど他の大きな魚も生息しています。その時にもいくつか魚影を見たのですが、私には全部同じに見えました。谷津田さんはある魚影を指差して、「あれは、そうですねえ」と嬉しそうに教えてくださいました。

 あちこちを指差しては、あそこには今、群れがいる。あの瀬にも今にマルタが来ますよ、と語る谷津田さん。まるで「開いた本を読むように水面を見ている」と感じたことを覚えています。

 今日跳ねたあの魚がマルタだったかどうか、私にはやっぱり分かりませんが、きっともうこの川のどこかに、マルタは来ているんだろうと思います。

 さて肝心の、今日の産卵床です。
 今日はとにかく、きれいな石を足していくことにしました。

 川の中のふたつの石。左が汚れた石、右が新しい石です。昨日、「マルタのすきなピカピカの石」と書きましたが、こうしてみると違いが分かります。右側のような石がたくさんあるように、産卵床を保っていきたいのです。

 最後に、今年の遡上時期について、ふたつのキーワードをもとに予測してみます。

キーワード①大潮→3月24日(火):
通常、大潮のときに合わせて遡上が進みます。次の大潮は来週24日火曜日、新月です。

キーワード②雨→3月19日(木)
雨による川の増水で、「マルタの道」が開けるのです。週間天気予報をチェックすると、大潮の前後で雨が降るのは今のところ19日木曜日のみ、でした。

 もちろん、川の状況によって変わりますが、例年の様子も加味すると、来週あたりにこの辺までくるのではないかな?空の上から(もしかしたら川の中から?)見ているマルタウグイの名人に、わたしの見立てはどうでしょうかと、聞いてみたいものです。

 なんにせよ、マルタたちが答えを教えてくれる日は、そう遠くはないでしょう!皆さんも、見逃さないよう川を見ていてくださいね。

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この記事を書いた人

miki

NPO法人せたがや水辺デザインネットワーク職員。とにかく生きものが大好き!色々な生きものを家に連れて帰っては、家族を戦慄させている。マイブームは二子玉川ライズの多摩川水族館にいる魚たちに話しかけること。地域のインタープリターを目指して目下修行中。