せたがや水辺の楽校・あそびの日は「自由で楽しくあそべる日」までお休みします
大型連休のゴールデンウィーク、みなさん昨年までどう過ごされていましたか?
私は毎年、砧南小学校と鎌田児童館の間を流れる仙川に架けた大きなこいのぼりを眺め、瀬田四丁目旧小坂緑地でコンサートをやって、「せたがや水辺の楽校」ではシーズン最初の「水辺ガサガサ」をして過ごすのが恒例でした。
国土交通省が全国各地で進めている「水辺の楽校プロジェクト」の一環として運営する「せたがや水辺の楽校」は2006年に開校し、多摩川河川敷(世田谷区鎌田1丁目地先)の「せたがや水辺の楽校原っぱ」(世田谷区ホームページにとびます)を拠点に活動しています。
毎年4月に原っぱで開校式を行い、5月初めから10月までは多摩川や野川で「水辺ガサガサ」、11月から3月までは「草地ガサガサ」をしてきました。地元の活動団体や小中学校、多摩川漁業協同組合、国土交通省京浜河川事務所、区教育委員会などが「せたがや水辺の楽校運営協議会」を構成し、協力して実施しています。多摩川流域の他自治体でも「水辺の楽校」が開校されていますが、世田谷では区民が主体となって進めているのが特徴です。
しかし今年は、新型コロナウイルスの感染拡大を抑えるための緊急事態宣言が出されていて、不要不急の外出・都道府県をまたぐ移動の自粛等の要請が出されています。
学校は早々に休校となり、児童館も休館し公園施設も閉じられました。瀬田四丁目旧小坂緑地の利活用検討会議も開催ができないまま、ゴールデンウィークを迎えようとしています。いつも「同じ日は二度と来ない」と思って、一回一回、その時を大切にしてきたつもりでしたが、まさか、こんな風に何もできなくなるなんて思ってもいませんでした。
休校が続き閉塞感が高まる中、子どもたち、お母さんたち、大丈夫かなと思いながら、動けない日々。「せたがや水辺の楽校」は3月に大黒柱であった中西修一さんを急に亡くしたばかりでした。15年間続けてきた活動をどう舵取りをしたらよいのかという状況での「緊急事態宣言」。そして、外出自粛要請に、一体どうしたらいいのか。
新型コロナウイルス感染症については「法人として対応を考えないといけないな。感染研の動向を見ておきます」中西さんとそんなやりとりをした矢先のことでした。2006年の開校から、「せたがや水辺の楽校」と共にあった中西さんのことは、みなさんにお伝えしたいと思っています。少しづつ、そのうち。
さて、前置きが長くなりましたが、私たちはいったん、今年のせたがや水辺の楽校「あそびの日」を中止することにしました。今の状況では「子どもたちに川を好きになってもらうための、自由で楽しいあそびの日」ができないから。
中止を決めた理由については「せたがや水辺の楽校ブログ」に詳しく書きましたが、運営の中心だった河川環境の専門家の中西さんはいつも「子どもたちが川を好きになることが、川や、森を守ることにつながる」「そのまちの川をみれば、まちのことが全部わかる」と言っていました。「川は、危ないから、汚いから」と言って近づかず、そこを知らなければ、好きになってはもらえない。それで、安全に、楽しく、子どもたちが川にはいって遊べる機会を作るために、私たちはこの活動を15年続けてきたのです。
私は、何かの判断を迫られたときはいつも「何を目指してやっているのか」ということを考えます。だから、子どもたちが楽しくない「あそびの日」はできない。私たちはこれから、この状況下でどうしたら、子どもたちに「川の楽しさ」を伝えていけるのかを考えなければいけないのだと思っています。
二子玉川はかわのまち。この「多摩川と崖線の森のまち」で、「一人ひとりが大切にされる毎日を」とは、せたがや水辺の楽校を運営するNPO「せたがや水辺デザインネットワーク」の目指すところです。
昨年とは違うゴールデンウィーク。これからどうしたらいいか。よかったら、私たちと一緒に考えてください。
2020年4月
せたがや水辺の楽校事務局 村上ゆか
- 名称
- 野川ベース
- 所在地
- 世田谷区鎌田1-1