commonで「二子玉川 落書きマッピングプロジェクト」市民参加で可視化、防犯意識醸成の一助に

 東急が二子玉川エリアで先行開始した地域内コミュニケーションアプリ「common」(コモン)は8月6日、利用者からの投稿を通して市民参加型で落書きを可視化する「二子玉川 落書きマッピングプロジェクト」を開始しました。

 「だれもがいつでも気軽に街づくりに関われる社会をつくる」ことをミッションに掲げるcommon、すでに数回のバージョンアップと社会実験のほか、リアルイベントも行っています。なかでも、6月19日~7月11日の期間で実施された社会実験「街への提案」には59件もの提案が寄せられ、提案に対する利用者のリアクション「ありがとう(≒賛同)」は、593に上ったそうです。最も提案の多かったジャンルは多摩川河川敷に関するもの(10件)で、地域の方からの河川敷活用への期待の表れと見ることができる、としています。

 そこで、commonが注目したのが「新二子橋橋脚の落書きを、いっそのこと先々アートで埋め尽くして、二子玉川らしい景観にできないか。以前学生が作ってくれたアートのような形で、これからの時代を作る人たちに彩って欲しい」という提案です。

 2016年に地域の有志の声掛けで始まった新二子橋(国道246号高架)橋脚の落書き消し活動は、2018年に世田谷区の都市再生推進法人・二子玉川エリアマネジメンツが活動の受け皿となることで、壁面の活用などと併せて数々の試行錯誤を繰り返しながら、二子玉川の水辺の巨大な公共インフラである「橋」を介して、有識者や市民を交えた議論と、共に活動する「まちづくり参加」の機会が作られてきました。

2020年9月に開催された
Futako Tamagawa Light It Blue期間中に展示された橋脚ラッピングのアート作品(提供:二子玉川エリアマネジメンツ)
二子玉川の橋脚アクション年表(提供:二子玉川エリアマネジメンツ)

 その過程で見えてきたさまざまな課題のうち、とりわけ考えるべきは「落書きが簡単に行える場所」はつまり、「人目が少ない場所」であり「犯罪が発生しやすい場所」である、ということ。地域の安全・安心を考える上で、そのような「人目につきにくい場所」を可視化し、共有することが防犯の一助になるのではないか…。「二子玉川 落書きマッピングプロジェクト」は、こうした地域課題の解決策に寄与することを目的として始動しました。

 Step1として、8月6日(金)~8月29日(日)の期間中、街中にある「落書き」を可視化するために利用者へ落書き画像の投稿を募集しています。集められた投稿から位置情報などを集約し、一つのマップとして二子玉川エリアマネジメンツの公式サイト、common上等で公表される予定です。最終的には、落書き問題を地域としてどのように捉えていくか、対応していくかの議論の場を作ることを目指すそうです。

 生活の中でふと目にした街なかの落書きを多くの人が気軽に投稿することで、地域課題が可視化でき、地域の共通認識が生まれます。そこから具体的なアクションへとつながっていくことこそが、「だれもがいつでも気軽に街づくりに関われる社会」であり、手の届くまちづくり。まずは、「二子玉川 落書きマッピングプロジェクト」に参加してみては。

参考記事:

【投稿ご協力お願い】 二子玉川 落書きマッピングプロジェクト(外部リンク:common公式ブログ)

【お知らせ】地域内コミュニケーションアプリcommon「二子玉川 落書きマッピングプロジェクト」に参加・協力します!(外部リンク:二子玉川エリアマネジメンツ公式サイト)

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この記事を書いた人

こばなお

futakoloco 編集長。玉川町会100年懇話会事務局スタッフ。主に公民連携分野のフリーランス・ライター/エディター。二子玉川在住20年。出版社勤務を経てまちづくり法人で情報・広報戦略と水辺などの公共空間における官民共創事業に従事。多摩川流域生まれ&育ち。

暮らしを起点に「ほんとうに創造的な社会とは」を考えるラボラトリー「チームうなラボ」のフェロー。自分たちのまちづくり活動の経験や学びを言語化し、ときにはゲストとの議論と振り返りをまじえて発信・活動しています。

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