7/12(土)多摩川に夏の灯火「点火祭」花火師がつなぐ伝統と希望 地域有志で初中継も

地域の花火は、誰かの思いで打ち上がっている──
そんな気づきを与えてくれる、夏の風物詩が今年もやってきます。

「点火祭」とは?

7月12日(土)19時から、川崎市側・多摩川河川敷(二子橋下流)にて、花火師有志による「点火祭」が開催されます。

このイベントは、自治体などによる大規模な花火大会ではなく、臨時花火師たちによる「打ち上げ花火の発表会」。花火を本業としない人も含め、花火を愛し、演出を探求する人々が集まって行われる「実技訓練」の場です。

2006年から続き、同所で行われていた川崎市高津区民祭がコロナ禍で中止となった年も中断することなく、有志によって継続されてきました。特に2020年〜2022年は「多摩川希望の花火」と題し、近隣住民に向けて「上を向いてほしい」という願いとともに花火が打ち上げられました。

自宅からでも鑑賞可能!ライブ配信に地域有志が挑戦

今年は、地域メディアfutakolocoと、二子玉川でオンライン会議プラットフォーム事業等を行う「百人会議」が主体となり、点火祭の現地の様子をインターネットで中継することになりました。この試みに対して、点火祭主催者が「開催の思いを伝えられるなら」と理解を示し、実現に至りました。

当日は以下のURLから現地の様子を視聴可能です:
📺 https://vimeo.com/event/5206163/f7af5203de

あるいは以下のQRコードを読み取ってください:

点火祭では、各花火打ち上げ時に「なぜこの花火を作ったか」「どんな思いを込めたか」といったプレゼンテーションが行われています。遠くからは分からなかったこういった演出も、ライブ配信であればリアルタイムで理解しながら楽しめます。

「地域の景色」を守るために、わたしたちができること

多摩川の河川敷や周辺の公園は、地域の誰もが利用できる「公共空間」です。この場所が、誰かの善意や配慮によって気持ちよく保たれていることを忘れずにいたいものです。

鑑賞の際には、自分の使った場所と「ちょっとその周辺」をきれいにして帰りませんか。花火を楽しめたのは、この場所を日々整えてくれている誰かがいるからこそ。そんな思いに気づいた私たち自身が、次の楽しみの輪をつなぐ担い手になることができます。

花火師の思いを、地域の灯火に

主催の「花火企画 夜光屋」代表・谷古宇正啓さんはこう語ります。

臨時花火師の本業はさまざまですが、皆、花火が大好きな仲間です。ここでしかできない演出を、地域の方に見ていただきたい。そんな思いで続けてきました。

点火祭には、大学の花火サークルやベテラン職人を含む約50名の有志が参加予定。それぞれが思いを込めて“順番に”花火を打ち上げる、真剣勝負のステージです。

2025年点火祭開催概要

日時:2025年7月12日(土)19:00〜20:30(打ち上げは30分程度)
雨天・強風時は7月26日(土)に延期
場所:多摩川右岸・二子橋下流(川崎市側河川敷)
主催:有限会社 花火企画 夜光屋


来週末、二子玉川周辺で花火の音が聞こえたら「これは点火祭かな?」とちょっと上を向いてみてください。誰かの思いが、夏の夜空に広がっています。

地域の手で守られてきたこの景色を、また来年も見られるように。
今年はその思いも込めて、一緒に見届けてみませんか?

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この記事を書いた人

こばなお

futakoloco 編集長&ファウンダー。二子玉川在住20年。主に公民連携分野のフリーランス・ライター/エディター。法律専門書出版社勤務と米国大学院留学(高齢化社会政策)を経て、2016年〜2022年、自らの暮らしの場である二子玉川のエリアマネジメント法人で情報・広報戦略と水辺などの公共空間における官民共創事業に従事。最近は生まれ育った西多摩の多摩川および秋川の水辺界隈でもじわりわくわく活動中。

暮らしを起点にした「本当にクリエイティブな社会」のタネを自らのアンテナで見つけ、リアルに伺った物語を記録し続けることがいま、とっても楽しいです!