どうぞのごはん♯13 ポートランドでミートパイ&フルーツパウンド

ポートランド滞在中に、娘がミートパイを食べたいと言うのでスーパーで冷凍パイシートを買い、オムライスを作ろうかなあと炒めてあったタネを入れて、ミートパイを焼いてみました。(ポートランドにはミートパイというメニューはないらしい)

 
アメリカのお家にはたいていオーブンがあるようです。今回は知り合いが知り合いに借りていた(よくわからないと思うけど…)の2ベッドルームの家に滞在したのですが、娘が友だちとシェアしている家にもオーブンがありました。アメリカのオーブンは一番下を開くと、オーブン用の型も入っていてとても便利。
アメリカでオーブンを使うとき気をつけないといけないのは温度。摂氏じゃないので、いつものつもりで200とか設定しても焼けません。425℉とか。
このミートパイのタネの材料は、ハンバーグとか、ミートローフなども同じ。ハンバーグ、ミートローフのときは、たまごをつなぎに入れます。今回はつなぎなし。

今回たまごを使わなかったのは、娘の卒業祝いにフルーツケーキを焼くのにたまごを使いたかったから。
ポートランドのスーパーではたいていドライフルーツやナッツを量り売りしています。リキュールはなかったので今回は漬けず。オーブンの雰囲気つかめなかったので、ちょっと温度が高かったかも、400℉で35分焼いたら、中はまだ焼けてないのに表面はこんがり。少し温度を下げて300℉でトータルで1時間くらい焼きました。ドライフルーツに粉をまぶすのをサボったせいか、大量のドライフルーツが底に沈んでしまいました。でも、まあ、味は良かったし、娘は喜んでくれました。

ポートランド州立大学の卒業式はNBAの行われるスタジアムで、6000人の卒業生を2回に分けて開催されました。娘は、まだひとつクラスを残しているのですが、私が来るならと、今回の卒業式に参加することに。卒業式は参加するのに30ドルくらいだったかな、払ったそう。それで、卒業生は4枚の無料チケットを貰いに行きます。いろんなことがわからないし、日本と違うので、あちこち聞きながら、面白かったです。

卒業式に着るガウンと被る角帽、これは各自購入するのですが、中古を探して購入していました。卒業式目前にして、ハタと、あの、ぶら下がってる飾り(タッセル)がないのでは?と、疑問が。あちこち聞いて、どうも年ごとに購入するものだと判明。我が家の場合、卒業式終了後はガウンと角帽は当然次に回すので、このタッセルだけ、記念に残せて良かったと思います。それで、これは購入後に分かったのですが、タッセルの色は、他の学校とも共通で、メジャーによって決まっているそうです。娘はsociology(社会学)を学んでいるのですが、liberal artに属しているので、「白」でした。
はて、この帽子、盛る(飾り付ける、デコレーションする)のかな?と疑問だったのですが、結論としては「盛った方がよい。」なぜかというと、あのスタジアムの中で、1人の人を見つけるのは大変ムズカシイ。(結局私は決定的瞬間…娘が名前を呼ばれ、証書をもらうところ…を見逃してしまいました)もしも、また、アメリカでタスキをかけて(タスキは修了した博士号みたいなのごとにもらえるらしい。売ってるけど)卒業式に出ることがあれば、必ず角帽に山盛りの花などで目立つようにしてほしい。

とりあえずタッセルを角帽につけて、ガウンを着て、中には無難に紺色のドレス(ラッキーちょうどドネーションで戴いた)で行こうと言う時、靴はどうするの?という話に。いろいろ検索してみたら、サンダルが多い。ええ?卒業式にサンダル⁈
靴は、古着屋さんで購入したスニーカーしか持ってないので、サンダルを履くなら古着屋で掘り出しものを見つけねばならぬ。そこで、私が履いてきたドクターマーティンのブーツを貸すことに。(一張羅なのであげるわけにはいかないし、気にいったならアメリカで買った方が安い。)日本でも卒業式には袴にブーツの子がいるではないか。(ハイカラさんな感じ)で、なかなか決まったのでは。

 

卒業式は人が多かったけれど盛り上がって楽しいものでした。生徒の国家独唱に始まり、ネイティヴアメリカンの太鼓。登壇した人も、リベラルでとてもいい話をしていました。(と思う。スクリーンに文字が出るのでめちゃくちゃ集中して読むのが追いつけばなんとなくわかる)
特にスピーカーの最後の方、施政者の批判もしつつ、アメリカはすでに強い国だから、一人一人が自分の身の回りの顔の見える範囲の人と、正しくできることをやっていくのが大切だと。

おおらかで優しくにこやかなポートランドの人びと。スタジアムのアリーナから卒業生は手を振り、客席からはファミリーが声援を送ります。小さな日本人の女の子が1人でアメリカに渡り、にこやかに過ごしている姿に胸がいっぱいになりました。

私も娘たちも、できないことや苦手なことがいっぱいあります。でも、できることもある。できないことはできなくてもいい、そうであれば 、できないことを、誰かにやってもらえる、誰かに助けてもらえるような人になればいい、そう娘たちに言ってきました。

世界のどこに住んでいても、そこで暮らす人びとと一緒に、自分のできることをできるだけやっていくこと、自分の身の回りの人を大切にして、一人一人と丁寧につきあい、子どもでもオトナでも、相手を尊重することで、自由で楽しい豊かな毎日が過ごせるんじゃないかなあと、ポートランドという街とそこで暮らす人びとと一緒に過ごして感じました。

おめでとう!そして ありがとう!
Congratulations!& Thank you!

◾︎ミートパイレシピ◾︎
◾︎玉ねぎのみじん切り、ニンジン、トマト、合い挽き肉を炒めて、ウースターソース、ケチャップ、塩胡椒などで味付け。
◾︎冷凍パイシートを型に敷き、底にはフォークで穴を開ける。タネをシートに載せて、もう一枚シートを被せる
◾︎被せたシートは端っこを潰さないように2枚をくっつける(フォークの背をおしつけていくとよい。私はサボって手で潰しちゃったのであまりパイが層になってません。)
◾︎200℃〜230℃に予熱したオーブンでパイが焼けるまで焼く。30分くらいかな。
※今回塗ってませんが、卵黄を表面に塗ると美味しそうにテカります。

ポートランドさんぽ♯7さんぽのおわりに,

フルーツパウンドのレシピはこちら 【どうぞのごはん ♯11 火の回りに人は集まる】

 

どうぞのごはん♯12 ポートランドでどうぞのごはん

http://futakoloco.com/column/murakami/2241

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この記事を書いた人

ゆか

サラリーマン時代に東急ハンズ玉川店、玉川高島屋を担当し、ここいら辺が気に入って移住。岡本の坂下に住み、母となり産んだ子どもたちはもうオトナ。2005年から鎌田で子どものアトリエを始め、2016年に大蔵5丁目「ゆいまあると3つの磁石」に引っ越し「子どものアトリエ」「映画とキャラメル」など、よくわからないことを展開中。NPO法人せたがや水辺デザインネットワーク事務局。