【レポート】五島美術館特別展「東西数奇者の審美眼―阪急・小林一三と東急・五島慶太のコレクション―」

五島美術館では10月20日から特別展「東西数奇者の審美眼―阪急・小林一三と東急・五島慶太のコレクション―」が開催しました。そして10月28日には講演会「五島慶太(古経楼)と小林一三(逸翁)」が行われ、そちらに参加してきました。

 講演会では山梨大学名誉教授の斎藤康彦氏が小林一三と五島慶太やその他大正から昭和にかけて活躍した実業家らが好んだ「茶会」というものについて解説しました。実業家と茶会というのは非常に面白い関係を持っていて、たとえばその業界で互いに不倶戴天の敵と呼び合っていた者同士でも、茶会では同じ茶室に座り美感を共に分かち合う茶人として過ごしたというそうです。

 今回の特別展は「実業家」ではなく「芸術コレクター」としての小林一三と五島慶太が紹介されています。五島美術館と逸翁美術館のそれぞれから選出された絵画・書・陶芸品・漆芸など合計100点が展示されています。また小林一三と五島慶太がそれぞれ茶会で用いた茶器や掛け軸などのセットをそのまま再現して展示してあり、当時彼らが茶を通してどのような美を表現しようとしたのかを読み取ることができます。

 特別展は12月9日まで開催しています。逸翁美術館館長の仙海義之氏を迎えた講演会「小林一三 コレクションの形成と美術館構想」は終了してしまいましたが11月22日、30日には午後2時からギャラリートークが行われ様々なテーマについて展示品の解説が行われるそうです。

 秋の寒さが増す中、茶会の幽玄を鑑賞してみてはいかがでしょうか。

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〈イベント詳細〉

特別展「東西数奇者の審美眼―阪急・小林一三と東急・五島慶太のコレクション―」
期間:2018年10月20日(土)~12月9日(日)
開場時間:午前10時~午後5時(入館は午後4時30分まで)
休館日:毎週月曜日
アクセス:東急・大井町線(各駅停車)「上野毛(かみのげ)駅」下車徒歩5分
入館料:一般1200円/高・大学生900円/中学生以下無料

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ミュージアムショップ内で販売中の同展図録

【レポート】秋の優品展「禅宗の美術と学芸」展覧中の五島美術館に行ってきました

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名称
五島美術館
所在地
世田谷区上野毛3ー9ー25

この記事を書いた人

いちさん

東京都市大学の大学院生.家は横浜だけど大学がニコタマ付近なので縁あって記事を書いてます.美術館や博物館のレポートを偶に書きます.