【レポート】五島美術館ギャラリートーク「印章の魅力」

5月21日、令和最初の大雨となったこの日五島美術館では展覧会「近代の日本画展」のギャラリートーク「印章の魅力」が開催された。
 
印章、つまりハンコのことで、そういえば世界中を見ても日常生活でハンコを使っているのはどうも日本だけらしい、このギャラリートークではハンコの歴史からその芸術的評価点などを、日常生活でamazonの荷物を受け取るぐらいにしかハンコを使わない私のような人でも分かり易いような解説を、五島美術館の尾川明穂さんがしてくれた。
 
ハンコのルーツはなんと2000年前、紀元前の中国にあるとのこと。ただ当時は掛軸の左下にあるような署名としての用途や小学校で子供が持ってきた宿題に褒める目的で押すものでもなく、専ら皇族たちが封筒に粘土で封をする際に他人に開封されないように印をつける、いわゆる「封泥」として使われていたようだ。それ以外にはお墓に一緒に入れていたりしていたらしい。当時はまだ青銅や鋳造などで作られていたが十世紀ごろになると石を彫って作るようになり、そのころから”芸術品”として扱われるようになったようだ。
 
芸術品としてのハンコの評価点は素人の私からすると思いのほか複雑で繊細である。例えば石の素材、似たような色でも採れたのが山なのか渓流なのかによって石の名前が異なる。同じ石の種類でも光の反射度合いや大きさ、不純物の混ざり具合などで価値が全く変わってしまうとのこと。また同じようなハンコでも彫り方によって線の滑らかさや綺麗さなどが変わり、それらは彫る人の力量などに影響されるそうだ。また彫った図面としての評価、例えば面全体のバランスや風合いや線の細さや文字の多さ大きさなどは素人が作ったものと歴史的に評価されているものでは別格だそうだ。
 
現在五島博物館で開催中の「近代の日本画展」では日本画の他に「石印材ー宇野雪村コレクションー」と題して中国の印章をいくつか展示している。普段とは違う不思議なハンコの世界を是非とも体感してほしい。
 

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〈イベント詳細〉

展覧会「近代の日本画展」
期間:2019年5月11日(土)~6月16日(日)
開場時間:午前10時~午後5時(入館は午後4時30分まで)
休館日:毎週月曜日
アクセス:東急・大井町線(各駅停車)「上野毛(かみのげ)駅」下車徒歩5分
入館料:一般1200円/高・大学生900円/中学生以下無料

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当日もらったレジュメとメモ
 
 

名称
五島美術館
所在地
東京都世田谷区上野毛三丁目9番25号

この記事を書いた人

いちさん

いちさん

東京都市大学4年.コンピュータ触って生きてます.研究の休憩とか,大学院に行く準備をさぼるためとか,いろんな口実をつけて美術館に逃げる日々です.