「二子玉川フィールドツアー&デザインワークショップ(2019年1月27日)」に参加しました。フィールドツアーで入手した自然の恵み情報を、参加者がワークショップの場で披露して課題化し、その解決策を提案するという能動的なプログラム。
主催は、厳網林教授(慶應義塾大学)と小堀洋美特別教授(東京都市大学)主導で、東急電鉄、玉川町会、NPO法人せたがや水辺デザインネットワーク、(社)生物多様性アカデミーが共同で運営する「二子玉川生態系サービス見える化プロジェクト」、共催は「世田谷グリーンインフラ研究会」。
ツアーは、夢キャンパスを出発後、多摩川兵庫島付近から野川ベースをぬけて、ファーマーズマーケットをのぞき、都立世田谷総合高等学校を左に見ながらかわべ農園へ。瀬田四丁目旧小坂緑地の旧小坂邸で、ゆかさんお手製のお弁当を受け取り、二子玉川商店街を通って夢キャンパスに到着。
ランチの後は、4つのテーブルに分かれ、対話型ワークショップが展開されました。参加者は、慶應義塾大学環境情報学部と東京都市大学環境学部の学生さんはじめ、地域住民(学校の先生やサラリーマンなど)、そして、海外から視察に見えたメリーランド大学客員教授のVirji Hassanさん、ハンズ大学教授のRob Roggemaさんなど35名。日本語と英語が飛び交うインターナショナルな集いになりました。
この流域はアユが生息し、マルタウグイが産卵するという「いわば、アユやマルタウグイに選ばれた自然環境なんです」と解説するのは中西修一さん(NPO法人せたがや水辺デザインネットワーク代表)。
川辺のお父さんを囲んで、内外の大学教授と地域の人々が談笑中。
「ゆいまあると3つの磁石」のゆかさんが、5か所の農園から調達してきた世田谷野菜を取り入れたやさしい味のお弁当。(撮影前に一口手をつけてしまいましたm(__)m)
午後は夢キャンにてワークショップ。お腹がいっぱいになったところで、もう少しだけインプット。横田樹広准教授(東京都市大学)が「生態系サービスとは?」「グリーンインフラとは?」について、わかりやす~くレクチャーしてくださいました。
お待ちかね、参加者らによるアウトプットのお時間です!! 4つの各テーブルに置いてあるのは、縮尺の異なる二子玉川のマップ。ここに、フィールドワークで見てきた生態系サービスを見える化していきますヨ~
テーブルごとにフィールドツアーで巡った道をおしゃべりしながら描きました。各テーブルに2人以上の日本語ノンネイティブが参加されていたため、成果物の書き込みはほぼ横文字。
★参加者のミッション
わがチームの課題は、「河川敷周辺の地域(海抜の低い)と国分寺外線を挟んで丘側の(海抜の高い)地域の人々による往来の分断の解決」。白熱したディスカッションのすえ提案したのは、地域に分散している小さな公園や林などの緑を集結させて、分断している地域をつなぐ一本の緑の小路をつくるというアイデア。Green Network Community形成と題し、緑の小路を地域のグリーンインフラとして活用し、住民のやすらぎとアクセス、さらには防災に役立てるというもの。(実現させる方法は考えなくて良いというのがミソですが…‥‥)もちろん、他のテーブルからもステキなアイデアが発表されていましたよ!
最後は、見える化された生態系サービスの課題を「グリーンインフラ」を有効活用して発展させて解決するという方向でテーブルごとにディスカッションし、代表者が前に出てプレゼンテーション。ほぼ全員がマイクを握ったというイメージかな?
東京都市大学の小堀先生とメリーランド大学のVirji Hassan先生による講評でワークショップは終了しました。
旧小坂邸の横の林には、ムクドリの群れに紛れて野生化したインコを発見!こういうことが生態系サービスの課題でもある。そして、この林は二子玉川の貴重なグリーンインフラの素材でもあるのですね。
*中村輝之さん(玉川町会事務局長)の閉会挨拶で約6時間におよぶイベントは大盛況にて終了♡
★SDGsへのアプローチ
Virji Hassanさんはアフリカタンザニアのご出身。世界の水問題などをリサーチされ、SDGsの観点でも、各国の持続可能な都市化に向けてリードされてきた先生と伺いました。講評にて「地域住民のそれぞれにとって、よりよい生活や想いを実現していくには、みんなが対話を重ねていくことで、互いがかみ合っていくこと(Engagement)そして、歩み寄ることが(Compromise)が何より大切です」という語り掛けが印象的でした。その営みに国境はなく、人間らしい振る舞いの基本ではないかと気づかされた一日でもありました(^^♪
慶應義塾大学SFC研究所 アーバン・ネクサス・ラボ
https://www.kri.sfc.keio.ac.jp/ja/lab/unl.html
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