マルタのキモチ

マルタは2月下旬から3月下旬の早春に、産卵のために多摩川の河口付近から遡上してきます。目指す産卵場所は、水がきれいで川の流れが速く、石がゴロゴロしている川底があるところ。
とは言っても、ただ石がゴロゴロしているだけでは卵を産みたい気持ちにはなりません・・・。「フッカフカ」が大事。川の石は以外としっかり川底に埋まっています。この状態を「沈み石」と言いますが、マルタたちが卵を産みたい場所は石が埋まっていない状態、「浮き石」のところ。なぜならマルタの卵は付着卵。このため、卵がくっつきやすい多孔質で表面積が多い浮き石の場所がいいのでしょう。
さらに、しっかり卵が着床するためには、石の表面に藻(アカ)が付いていたり、泥だらけではいけません。ツルッツルでピッカピカの石であってほしいわけです。
ゴロゴロでフッカフカでピッカピカの場所。マルタたちはそんな場所を探さねば、と言う気持ちで川を遡ってくるのです。

群れをなして遡上するマルタウグイ

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名称
多摩川
所在地
世田谷区鎌田2丁目地先の多摩川

この記事を書いた人

あめます

河川と水生動物の自然環境コンサルタント。日本中の水辺を歩いて、足もとの多摩川のすばらしさに気がついたオジサン。NPO法人せたがや水辺デザインネットワークで子どもたちと川遊び中。地元の東京都立世田谷総合高校「環境科学」で高校生とお散歩中。