みきちゃんの水辺観察日記:6月の多摩川散策

 前回の記事 みきちゃんの水辺観察日記:「春告げ魚」マルタウグイレポート ハル君編 はこちら

 みなさん、こんにちは。

 まちの緑も日に日にあざやかさを増す、今日この頃。多摩川に降りると空を飛び交うツバメたちに出会い、しめった風が草はらの甘いにおいを運んできます。夏の予感に満ちた季節がやってきました。(つい1か月前まで、春を待っていたのに!)

 6月の多摩川で必ず話題にあがる生きものが「アユ」です。今年も6月1日から、二子玉川周辺を含む下流部でのアユ釣りが解禁されました。

 こちらは2015年9月の、せたがや水辺の楽校 いちにち水族館でのアユの写真です。

 私たちも、今年もアユの稚魚に会いたいな!ということで、6月2日、二子玉川エリアマネジメンツの中村さんと内野さん、フタコロコ編集長の小林さんと4人で一緒に、多摩川観察に出かけてきました。

 自転車を漕ぎ漕ぎ、多摩川沿いのサイクリングロードを二子玉川公園兵庫島から最終目的地・二ヶ領上河原堰を目指します。片道約8キロの道のりです。

 参考資料1:国土交通省多摩川散策マップ 下流(2)・2006年作成

 太陽も上々、暑いけど気持ちのいい日でした。

多摩サイロードをみんなで漕いで。葉桜になったマルタ桜の下で。

 こちらは、中間地点(二子玉川兵庫島公園から約4キロ上流)の二ヶ領宿河原堰の魚道。アユの姿は見られませんでしたが、魚道周辺には小さな魚の群れが泳いでいました。

宿河原堰のすぐそばにある「多摩川決壊の碑」で内野さんとパチリ。

 さらに4キロ遡上し上河原堰に到着!ここにはカワウやアオサギ、コサギなどたくさんの鳥たちの姿がありました。

 鳥たちは堰の下にたまる魚を捕ったり(絶好の狩場!)、堰の上で休んだりしています。手前はアオサギ、奥にいるのはカワウとアオサギです。

 ここの魚道にも、アユの姿はなし。結局この日、アユには会えませんでした。(後から詳しい方に聞いてみると、この辺での遡上の最盛はもう少し前だったようです。)

上宿河原堰の魚道
上河原堰

 せっかくなので、なにかいないかな~と周辺を歩いていると、1㎝ほどの魚の群れが岸近くにたまっていました。何かの稚魚のようです。よく見えないのでそ~っと近づき撮影してみました。すると!!

「メダカだ」と叫ぶこばなおさん、違います…

 なんとなく、ウグイっぽいかも!マルタウグイの赤ちゃんたちかな?(稚魚の同定、自信がありません。写真も上手く撮れてないですが、もし分かった方いらっしゃいましたらぜひ教えてください!)手作り産卵床では会えなかったマルタ、稚魚たちに会えたならとても嬉しいです。

 帰宅後、改めて今年のアユの遡上状況を調べてみると、遡上数はとっても少なかったようです。東京島しょ農林水産総合センターのアユ遡上調査取りまとめによると、推定遡上数は37万尾。ここ10年で最も少ない、とあります。昨年の台風19号の影響で、産卵が少なかった可能性が考えられるそうです。

 参考資料2:令和2年アユ遡上調査取りまとめ(東京都島しょ農林水産総合センター公式サイト)

 参考資料3:東京 多摩川 遡上アユが激減 台風19号が原因か(2020年6月2日 5時25分、NHK News Web)

多摩サイロードを下る(帰り道)のみきちゃん。左足がはだしですけど…

 その後6月6日、今度は二子玉川兵庫島公園から4キロ下流の調布取水堰に出かけて、「岸覗き」してきました。カニが隠れていたり、大きな魚が足元を通って行ったりして、とても面白かったです。

 資料4:国土交通省多摩川散策マップ 下流(1)・2006年作成

  

 水辺での生きもの観察も楽しくなってくる、これからの季節。 流れがゆるくなっている岸では、水面を覗くだけで意外と生きものを見つけられたりします。 コンクリート護岸の隙間や砂の溜まった浅場に、稚魚の群れやゴリ(ハゼの仲間)、モクズガニなどが潜んでいるかも。川に行ったら、ぜひ探してみてくださいね。

 だたし観察の時、夢中になって川に落ちないように!子どもたちはできるだけライフジャケットを着用してくださいね。水分補給も、忘れずにね。

川に入る服そう(画像提供:NPOせたがや水辺デザインネットワーク)

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この記事を書いた人

miki

NPO法人せたがや水辺デザインネットワーク職員。とにかく生きものが大好き!色々な生きものを家に連れて帰っては、家族を戦慄させている。マイブームは二子玉川ライズの多摩川水族館にいる魚たちに話しかけること。地域のインタープリターを目指して目下修行中。