【生きることはアートだ!8】 松本記念音楽迎賓館

日曜日に、崖の上にある松本記念音楽迎賓館に行きました。ここは、公益財団法人音楽鑑賞振興財団の創設者、松本望さんの住んでいた邸宅。
(松本記念音楽迎賓館ホームページ)
ここでは、2011年の東日本大震災のあとに、東北の大船渡でのアートワークショップの資金集めのためのチャリティーコンサートをやらせてもらったり、毎年「みどりの講座」をやらせていただいたりしています。

2013年10月19日「彩を届けよう!」(チャリティコンサート)
2015年11月の「みどりの講座」
2014年撮影。緑地にある茶室

建物と緑地、茶室といった佇まいだけで素晴らしいのですが、何がすごいって、ここには音楽ホールがあるのです。それも、Aホールは、壁が木なのです。
チェンバロなど、楽器もいろいろあるのですが、なかでも、木のホールの真ん中にある、ベルギー製のパイプオルガンは、なんと木製。

木のホールに木のパイプオルガン

いろいろと出入りをさせてもらっていても、楽器は演奏者がいないと、音色を聴くことができません。3月になったある日、「知り合いがパイプオルガンとお琴と尺八の演奏会をするよ」とせたがや水辺の楽校の講師の「まーちゃん先生」が声を掛けてくれました。演奏会の日、ちょうど午前中は松本音楽迎賓館のすぐ近くの瀬田四丁目旧小坂緑地でミーティングの予定が入っていて、坂を上って崖上に行っている。パイプオルガンの演奏を聴ける滅多にないチャーンス!

2面のお琴

何年前だったか忘れてしまったけれど、チェンバロのイベントを瀬田四丁目旧小坂緑地(その時の名称は瀬田四丁目広場)と連動でやったことがあり、その関係でパイプオルガンを聴かせてもらって以来のような…。50脚椅子が入るか入らないかの小さなホール。パイプオルガンの横には、二面のお琴と、尺八。

こちら側に尺八

開演15分前、小さなホールの赤い椅子のほとんどはお客さんで埋まっていましたが、運良くいちばん前が。迷うことなくいちばん前のど真ん中に。
木のホールに響く音はなんとなくまるい感じがします。「小倉百人一首」という歌は初めて聴きましたが、すごく面白かった。

「第3回 春爛漫・桜前線コンサート」演奏曲(当日プログラム)

最後の曲「一陽来復」の時に、お琴のハプニングがあったのですが、いちばん若いあみんさんがニコニコしながら「先生の曲は難しすぎるんですよ」とつっこんだり、素晴らしい演奏なのだけど、ふんわり春風が吹くような軽やかな空気がとても心地よい演奏会で、大きなホールで聴くのとは違う、小さいけれどあたたかい感動がありました。

最後のご挨拶が終わったあと、思わず、「どなたもお写真を撮っていらっしゃらないようなので、撮らせてください!私、まちメディアで記事を書いているので、載せていいですか?」と迫ると、快く引き受けてくださいました。

写真左から。渡邊あみんさん(オルガニスト)/酒井多賀志さん(オルガニスト・作曲家・指揮者)/三塚幸彦さん(尺八・「遠TONE音」メンバー)/十日谷正子(ソプラノ歌手・篠原歌劇団所属)/小野美穂子さん(琴・「遠TONE音」メンバー)

日本画家、山田智保氏によるステンドグラスの窓も素晴らしいので、みなさんステンドグラスもパチリとカメラに納めていました。そして、この窓の向こうには実は桜の木もあり、かつて、満開の桜の中でのコンサートという日もあって。今ごろ、もう咲き始めているのではないかなあ。

2016年4月のコンサートのとき。

多摩川と国分寺崖線という自然。湧き水、畑、古民家のある公園。小劇場、美術館、そしてこじんまりとして、緑に囲まれたいい音の聴ける音楽ホール。やっぱりここに住んでてよかったなあ、と少し風が冷たくなった坂道を自転車で下りながら、嬉しい気持ちがこみあげてきました。

4月最初の金曜日のコンサート!絶賛参加者募集中みたいですが、ねらいめかも~

生活の傍に、アートがあるって、いいな。

【生きることはアートだ!7:無名塾『野鴨』

名称
松本記念音楽迎賓館
所在地
東京都世田谷区岡本2-32-15

この記事を書いた人

ゆか

サラリーマン時代に東急ハンズ玉川店、玉川高島屋を担当し、ここいら辺が気に入って移住。岡本の坂下に住み、母となり産んだ子どもたちはもうオトナ。2005年から鎌田で子どものアトリエを始め、2016年に大蔵5丁目「ゆいまあると3つの磁石」に引っ越し「子どものアトリエ」「映画とキャラメル」など、よくわからないことを展開中。NPO法人せたがや水辺デザインネットワーク事務局。