【レポート】玉川高島屋S・C開業50周年記念 love and trees ① ミニコンサート編

 あの世界的音楽家、坂本龍一さんが二子玉川にやってきました。開業50周年を迎えた玉川高島屋ショッピングセンター(S・C)のクリスマスプロジェクト「love and trees」(11月11日~12月25日)と、坂本さん主宰の(一社)more treesとのコラボレーションのために。12月18日、坂本さんは玉川高島屋S・C本館1Fグランパティオで行われた「love and trees」メインイベントのミニコンサート&トークショーに登壇しました。

 Part①では、玉川高島屋S・Cがこのクリスマスイベントに込めた思いと、イベントの第一部、東北ユースオーケストラ弦楽四重奏によるミニコンサートの模様をお伝えします。

台風19号の影響で姿を変えた多摩川を見守るように佇む玉川高島屋S・C @南館屋上テラスより
50周年の宣言

 まずは、開業50周年を迎えた玉川高島屋S・Cが、このイベントに込めた思いを東神開発(株)営業本部玉川事業部副部長の菊山みちさんに伺いました。

 「二子玉川という街とともに50年歩んできました。近くに多摩川のある自然豊かな環境を大切に思っています。そんな我々は随分前から環境を意識した取り組みに力を注いできています。一つは緑化。屋上緑化をはじめ、館内の要所要所に生きた植物を豊富に植え込んでいます。そして、エネルギー関連では夜のうちに氷をためて、それを溶かす力で昼間の冷暖房を行うという氷蓄熱システムを取り入れてCO2排出のセーブに注力しています。お手洗いの排水用の水は雨水を溜めるシステムを取り入れ、電気関係もLEDにどんどんシフトしています。ショッピングセンターという場をつくる構造的な所で、省エネ・リサイクルと環境を意識した取り組みを行って参りました。

 そこで、開業50周年のイベントでは、二子玉川の豊かな自然環境と次世代の豊かな未来に向けたサスティナブルな企画を実施したいと考えました。同時に森林保全にも強く賛同してきたのでmore trees、 隈研吾さん、そして坂本龍一さんという流れでお願いすることになったのです。商業施設が街の人に永続的に受け入れられるためには、自然や環境の取り組みを大切にしていることを表現する必要があると思っています。今回のクリスマスプロジェクトは、今後さらに『環境、緑化を意識して参ります!』という宣言といえるかもしれません。」

【futakoloco 参考資料】フルタニDの街歩き「玉川高島屋S・C開業50周年記念イベントから見た 二子玉川50年の歩み」の巻【動画あり】

peaceサインが何とも似合う教授です
peaceサインが意味するもの

 なるほど、この宣言を温かく象徴的に表現したのがmore treesだったというわけですね。そして、more trees代表の坂本龍一さん(教授)はそのクリスマスプロジェクト名を「love and trees」と命名しました。その経緯をこんな風に話してくれました。「十代の頃に60年代のアメリカのヒッピー文化に憧れていて、彼らの合言葉“love and peace“が頭にあって、とはいえ今さら言うのは気恥ずかしく、これにひっかけて『love and trees』を手紙の署名などに使うようになり、大切な言葉になったんですよ」と。

 そして、その元にはやはり「peaceあってこそ!」という教授の思いが込められているように思います。

大学生メンバー(東北ユースオーケストラ)によるカルテットの生演奏
上品な優しい音色で会場を魅了

 第一部の幕開けから、会場は東北ユースオーケストラ弦楽四重奏による上品で優しい音色に包まれました。要所要所でアイコンタクトを交わす奏者の姿が初々しく、スローテンポの曲を丁寧に奏でるパフォーマンスで観客を魅了。彼ららしさを最大限に引き出す、教授が施してきたディレクション工程が目に浮かんできた幸せな時間でもありました。冒頭2曲の古典に続き3曲目の「Aqua」は、BTTBという教授のアルバムに収められている讃美歌のような響きの美しい曲。4曲目はYMOの「Behind the mask」。テクノポップのリズムが弦で刻まれ、新鮮な驚きがありました。最後はこの曲を聞かずに帰れない、戦メリ「Merry Christmas, Mr. Lawrence」。演奏者とオーディエンスが一体となった高まりが会場を包みました。私はといえば、24歳にもなる息子を妊娠中に胎教に良いと、この曲を毎日ピアノで弾いていた頃の記憶となぜか重なった時間でもありました。

緊張の面持ちの彼らを見守り、愛ある眼差しを送る教授
演奏楽曲(全5曲予定) 
バッハ「G 線上のアリア」
モーツァルト「AVE VERM CORPUS」
坂本龍一「Aqua」
坂本龍一「Behind the mask」
坂本龍一「Merry Christmas, Mr.Lawrence」

東北ユースオーケストラ とは
音楽家・坂本龍一が代表・監督を務め、東日本大震災の被災三県(岩手県・宮城県・福島県)を中心に普段は異なる楽団で演奏をしている小学校・中学校・高等学校・大学の生徒・学生たちが楽団員となって、プログラム(演奏)ごとに楽団編成を変えながら活動中。

今回の弦楽カルテットのメンバー
ヴァイオリン 渡邉真浩さん 福島県出身 大学2 年生
ヴァイオリン 伊藤拓也さん 福島県出身 大学2 年生
ヴィオラ 村岡 暸さん 宮城県出身 大学3 年生
チェロ 高橋彩夏さん 福島県出身 大学1 年生

more treesが隈研吾さんに依頼した「TSUMIKI」のメッセージムービー
@玉川高島屋S・C南館6Fホワイトモール展示ブース
都市と森をつなぐ

 more treesが大切にしているのは、都市と森をつなぐこと。都会に住んでいる私たちは森林の大事さを意識するチャンスはあまりありません。ところが、一つ水害が起きたりすると森の恵みの大切さを再認識します。「人々が日々の生活の中で“木”を使うことで、遠い森に想いを馳せ、精神的に森や山につながることができるのではという思いからの活動です」と、more trees事務局長の水谷伸吉さんは話します。

 都会っ子だった教授は、小学生から大学生まで世田谷区民で、多摩川にも頻繁に訪れていたそうです。クリスマスツリー完成式に登壇された同じく都会っ子の隈研吾(建築家)さんとは、「隈の親友が僕の親友だった」とかで、学生時代からのお付き合い。都会っ子の教授も地球の未来に目を向けると、都市と森をつなぐ活動が大切と気づき12年前からmore treesの活動を続けています。

more treesとは

一般社団法人more trees(モア・トゥリーズ)は、音楽家 坂本龍一が代表を務める森林保全団体。地域と協働で森林保全を行う「more treesの森」の展開、国産材を活用した商品の企画・開発、イベントを通じた森の情報や魅力の発信など、「都市と森をつなぐ」をキーワードにさまざまな取り組みを行っている。

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more trees(モア・トゥリーズ) 
 

⇒Part②はトークセッションの模様をお伝えします

この記事を書いた人

牟田由喜子

牟田由喜子

瀬田に移り住んで約20年。とはいえ二子の魅力をしみじみ感じだしたのはここ数年。『地域でいろんな世代が集う場づくりプロジェクト』でサイエンス・ワークショップをやらせてもらったり、ぬくぬくハウスサテライトで展開中の『アート&サイエンス&読み聞かせ』のワークショップではサイエンス部門を担当。要は、地域の魅力をサイエンティックな視点で愛でつつ、みんなで楽しく語り合いたいんです(^^♪
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