みきちゃんの水辺観察日記:「春告げ魚」マルタウグイレポート#4 「いつでも会える」マルタ

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20日金曜日 晴れ、観察時間17:15、気温15℃  

 今日は、夕暮れ時のパトロールです。 マルタの名人・谷津田さんは、「この時間帯に見るマルタの産卵行動が、背ビレが夕陽に透けていちばんきれい」だと仰ってました。 今日の産卵床の様子は、どうでしょうか。

 昨晩は予報通り雨が降りましたが、産卵床に目立った変化は無く、今日のメンテナンスは石組の部分を少し手直しするだけになりました。

同行してくれたスタッフが撮影してくれた、夕陽を背にして作業する私の姿。なんだかかっこよく見えちゃう!

 多摩川の「春を報せるマルタ」を待ちつつ、今日は「いつでも会えるマルタ」についてご紹介しましょう。二子玉川ライズ ルーフガーデン4階(109シネマズの上)めだか池の片隅にある「多摩川生きもの水族館」。 これまでにもフタコロコでは何度かご紹介してきましたが(記事はこちら)、私たちNPOせたがや水辺デザインネットワークが管理を担当しているこの水族館では現在、計14種類の多摩川の生きものを飼育・展示しています。じつはここにも、4匹のマルタウグイがいます。

 マルタウグイがいる水槽は向かって一番右側。生息環境が似ている2種類の魚たちと混泳していて、オイカワ、カマツカ、マルタウグイと一緒です。この写真で確認できるのは矢印のついた3匹。

 春を報せるマルタの特徴は、鮮やかな朱色の縞模様。 これはマルタウグイの「婚姻色」。遡上してくる産卵期にだけ、顔から腹にかけて真っ直ぐな一本線が浮かび上がります。最近、なぜか4匹の中で一番からだの小さな1匹だけに、うっすらとこの朱色のラインが現れました。

 生きものたちを見ていると、不思議なことがたくさんあり、これについても理由が知りたいなあと思います。 皆さんにもぜひ、実際に見に来てほしいです!

 「もしかしたら今日、来ているかもしれない」 …日が経つにつれ、多摩川の産卵床に近づくときにちょっとドキドキしてしまいます。 耳の奥に、マルタが瀬を遡る力強い水しぶきの音が蘇ります。私にとってはあれが、二子玉川の春の音。もう、待ち遠しくて仕方がありません。この三連休、お天気も気温も上々の予報です。川が流れ、季節が進むのを、しっかり見つめていきますよ。

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この記事を書いた人

miki

NPO法人せたがや水辺デザインネットワーク職員。とにかく生きものが大好き!色々な生きものを家に連れて帰っては、家族を戦慄させている。マイブームは二子玉川ライズの多摩川水族館にいる魚たちに話しかけること。地域のインタープリターを目指して目下修行中。