みきちゃんの水辺観察日記:「春告げ魚」マルタウグイレポート#10 満月と大潮

みきちゃんの水辺観察日記:「春告げ魚」マルタウグイレポート#9 速報!マルタがきた!

4月1日水曜日、雨/曇り、観察時間11:30、気温11℃

 小雨が降ったり止んだりの今日。川の水量は昨日と同じか少し多いくらいで、水は澄んでいます。 明日からは晴れ、気温も上がる予報。4月6~9日、満月の大潮も近づいてきました。期待しています。 今日は、産卵床の近くで鳥たちが大集合していました。

 はっきりとは判別しづらいのですが、ダイサギ、カワウ、カモの群れ(おそらくコガモ?)、オオバンなど。

 産卵床に通い続けている日々。 魚や鳥、植物など、ほかのたくさんの生きものに出会っています。 時には、生きものたちが残した「痕跡」に出会えることも。 ある日の整備作業中、石集めの時に見つけて持って帰ってきたクルミの実。 なんだか、不思議なかたちをしていませんか?

 両側に、まあるく穴が開いています。

 これは、「アカネズミ」が中身を食べたあとに残る、特徴的なしるし。 アカネズミは、しっぽを除く体の大きさが約10センチくらい、森林を中心に河原や農耕地など、色々な自然環境で暮らしている、日本固有種の小さな野ネズミちゃんです。 クルミだけでなく、かたい殻のある種子は、こんな風に両側に穴を開けてから中身をかき出して食べるのだそう。

 「野ネズミなんか、珍しいもんじゃなかろうが」なんて師匠の声が、どこからか聞こえてきそうですが。 わたしにはこのクルミが、多摩川のどこかに暮らしているアカネズミちゃんからのお便りみたいに思えるのです。

4月6日月曜日、晴れ、正午の気温15℃


 今日は二子玉川エリアマネジメンツとせたがや水辺デザインネットワークの仲間たちによる観察&整備作業!

 コロナウイルスに気を使い、作業は午前・午後班に分かれて一度に人が集まるのを避けながらやっています。水中作業をしない人は、河川敷から産卵床に入れるための石集めを行います。

 今日から大潮の時期に突入。多摩川の数キロ上流で、何日か前から産卵が始まっているとの情報をいただきました。産卵行動は、上流から下流に向けて波及するように始まります。名人・谷津田さんの産卵床でも、作ってから最長2か月待ったことがあったそうです。じりじり焦がれる気持ちですが、今年はもう少し待ちましょう…。

4月7日火曜日、晴れ、観察時間8:00、気温10℃

 今日は、産卵行動が活発になる朝・夕方の2回、観察に行きました。

 朝、河原に降りる前に上から覗いてみると、産卵床のすぐ下の洲にたくさんのカワウが…!


 洲の下は水深が深くなっていて、マルタウグイをはじめお魚のたまり場になっています。絶好の狩場なのでしょう。

 今日も産卵床にマルタの姿は見られませんが、昨日の整備で仲間たちが集めてくれた石の山が…!しっかり撒いておきましたよ…!

 夕方。今日も夕日がきれいです。この水面にマルタが来たら、とっても映えるんだろうなあ…。

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この記事を書いた人

miki

NPO法人せたがや水辺デザインネットワーク職員。とにかく生きものが大好き!色々な生きものを家に連れて帰っては、家族を戦慄させている。マイブームは二子玉川ライズの多摩川水族館にいる魚たちに話しかけること。地域のインタープリターを目指して目下修行中。