花さんぽ#101 岡本わきみず緑地 スプリング・エフェメラル

「スプリング・エフェメラル」とは、「春のはかないものたち」という意味をもち、春の限られれた間にしか姿をみることができない生きものの総称として使われる言葉だそうです。

 

岡本わきみず緑地に咲くカタクリ

カタクリの花。スプリングエフェメラルの植物の代表格ともいえるのではないでしょうか。この言葉、私は、わきみず緑地のお世話をしてくれているmikiに聞いて、初めて知りました。そもそも、カタクリの花も全く知りませんでした。

 

岡本わきみず緑地の斜面。今年はたくさんカタクリが咲きました。

岡本わきみず緑地は、2021年の3月に世田谷区の公園としてオープンしました。長く個人宅だったのですが、世田谷区内で屈指の水量が湧く湧水池があり、国分寺崖線の斜面林も残っています。
2020年に亡くなったNPO法人せたがや水辺デザインネットワークの中西さんが、環境コンサルタントとして河川、湧水等に精通していたことから、世田谷区と協力してこの緑地のオープンに関わっていました。

 

園内から、湧水池を撮影。2023年3月22日午後

元の持ち主の方は、このお庭をとても大切にしておられ、国分寺崖線の斜面地に自生する植物を守りながら、ご自身で手に入れた園芸種もたくさん育てられていました。同じ岡本の坂の上で30年営まれているパン屋の「ぺトラン」さんのお話しでは、カタクリが一面に咲く様子をご近所の方をお招きして見せてくださっていたそうです。

2021年のオープン以来、ここの整備、管理を世田谷区と協力しながら行っていますが、今年ほどカタクリが美しく見られたことはありません。

カタクリの花は、種が発芽してから咲くまでに8年くらいかかるそう。
人にはそれぞれの事情があり毎日は忙しい。けれど、この湧水池を守り、カタクリの斜面地を大切に想ってくれた人たちがいたことを忘れてはいけないし、自分ごととして人まかせにしていてはいけないな、ということを思います。

 

同じく、スプリング・エフェメラル。ニリンソウ

雨が続いていますが、明日(3/26)は、岡本わきみず緑地のオープンディ
雨天時は中止です。中止の場合は、緑地前には掲示、また、NPO法人せたがや水辺デザインネットワークのホームページなどでお知らせいたします。

 

名称
岡本わきみず緑地
所在地
東京都世田谷区岡本2-35-16

この記事を書いた人

ゆか

サラリーマン時代に東急ハンズ玉川店、玉川高島屋を担当し、ここいら辺が気に入って移住。岡本の坂下に住み、母となり産んだ子どもたちはもうオトナ。2005年から鎌田で子どものアトリエを始め、2016年に大蔵5丁目「ゆいまあると3つの磁石」に引っ越し「子どものアトリエ」「映画とキャラメル」など、よくわからないことを展開中。NPO法人せたがや水辺デザインネットワーク事務局。