静嘉堂文庫美術館、移転前最後の「旅立ちの美術」展は会期延長して再開 6月13日まで

 2022年に丸の内の明治生命館1 階へ展示ギャラリーを移転することが決まっている静嘉堂文庫美術館(世田谷区岡本2)。新型コロナウイルス感染拡大防止のための東京都における緊急事態措置により臨時休館をしていましたが、6月1日より再開することが決まりました。

 また、移転前、世田谷岡本での最後の展覧会である「旅立ちの美術」は、当初の会期(2021年4月10日~6月6日)を延長し、6月13日までとなりました。予定していた展覧会関連イベント(文庫見学会、コンサートなど)は全て中止されますが、開館・閉館時間をそれぞれ30分延長、会期中は無休で、後期展示を開催します。

 詳しくは静嘉堂文庫美術館[公式サイト]をご覧ください

futakolocoだけの「旅立ちの美術」展 ガイドツアー動画を公開!

岡本の丘上にたたずむ静嘉堂文庫美術館へと向かう道(5月21日)

 「静嘉堂文庫美術館」の開館は、静嘉堂文庫創設100周年の1992(平成4)年ですが、静嘉堂文庫自体は1924(大正13)年に高輪から移転してきました。小高い丘を有する広大な敷地内には、霊廟のほか自然豊かな緑地を有し、地域の人々にとり大切な憩いの地としても親しまれてきました。

 開館から29年、新天地・丸の内への門出を見送る「旅立ちの美術」展では、同館所蔵の「曜変天目(ようへんてんもく)」、「禅機図断簡 智常禅師図(ぜんきずだんかん ちじょうぜんじず)」など国宝7点が一挙に公開され、そのほか講演会、コンサート、学芸員による列品解説、静嘉堂文庫見学会などさまざまな関連イベントが企画されていましたが、緊急事態宣言に伴う美術館休業要請に従い、4月24日以降、臨時休館となっていました。

 「旅立ちの美術」フライヤーはこちら[静嘉堂文庫美術館公式サイト]

臨時休館中の静嘉堂文庫美術館(5月21日)

 同展覧会の再開は可能になりましたが、引き続き緊急事態宣言中であり、日中も含めた不要不急の外出・移動の自粛が求められています。そこで、二子玉川エリアに特化した地域メディアfutakolocoは、同館のご協力を得て、「旅立ちの美術」展ツアーを動画で公開し、オンラインによって一人でも多くの方に楽しんでいただくことを企画しました。

 同展の担当学芸員である山田正樹さんから興味深いエピソードを交えた展示解説をいただくことができました。各章のなかのシンボル的な作品を深く掘り下げた、興味深い内容です。6月2日以降、全4部作のガイドツアーを順次公開してまいりますので、ぜひ繰り返し、お楽しみいただければ幸いです。

展示室内の様子(5月26日)

第1章 旅立ち-出会いと別れの物語 編(6月2日公開予定)

 解説見どころ:九淵龍賝題「万里橋図」(重要文化財)、五世大木平藏「木彫彩色御所人形」のうち「宝船曳」「輿行列」、河鍋暁斎筆「地獄極楽めぐり図」

第2章 理想郷へー神仙世界と桃源郷(6月2日公開予定)

 解説見どころ:鈴木鵞湖筆「武陵桃源図」

第3章 名品の旅路ー伝来の物語(6月2日公開予定)

 解説見どころ:「曜変天目」(国宝)、手搔包永「太刀 銘 包永」(国宝)

第4章 旅する静嘉堂ー静嘉堂の歩んだ130年(6月2日公開予定)

 解説見どころ:静嘉堂文庫の歴史とこれから

 

名称
静嘉堂文庫美術館
所在地
東京都世田谷区岡本2-23-1

この記事を書いた人

こばなお

futakoloco 編集長&ファウンダー。二子玉川在住20年。主に公民連携分野のフリーランス・ライター/エディター。法律専門書出版社勤務と米国大学院留学(高齢化社会政策)を経て、2016年〜2022年、自らの暮らしの場である二子玉川のエリアマネジメント法人で情報・広報戦略と水辺などの公共空間における官民共創事業に従事。最近は生まれ育った西多摩の多摩川および秋川の水辺界隈でもじわりわくわく活動中。

暮らしを起点にした「本当にクリエイティブな社会」のタネを自らのアンテナで見つけ、リアルに伺った物語を記録し続けることがいま、とっても楽しいです!