春レポ⑥せたがや百景「瀬田の行善寺と行善寺坂」徳川将軍様が見た景色

正午近くから日差しが出て、気温もぐんぐん上がり23℃!街を歩けば、初夏を思わせるツツジやサツキが、あちこちでピンクや紅色、白といった美しい花を咲かせています。今日は二子玉川から国分寺崖線の坂を上がって瀬田へ抜けるまち歩きをレポートします。

東急田園都市線の線路に沿う道は「行善寺坂」。高低差は高いところで30メートルにもなるという国分寺崖線を上っていくと、息がハアハア上がってしまいます。ゆっくり休みながら坂の名前の由来である行善寺に立ち寄りました。

お寺の入り口に案内板が出ている通り、このお寺は「せたがや百景」に選定されています。せたがや百景は、区民に世田谷の風景に関心を持ってもらうことを目的に1984(昭和59)年に選ばれました。

区民からの推薦投票で選ばれた約400景の中から、選定委員会が200景の候補に絞ったものを区民投票を実施し、票の多い順で100景が選ばれたのだそうです。行善寺もそのひとつで、81番となっています。

行善寺の歴史は古く、弥生時代の遺構や小田原北条氏の家臣長崎氏の拠点である瀬田城の建物跡が発掘されているほか、富士山と多摩川を眺望する景色は江戸幕府の将軍様も遊覧で訪れた名所です。

よく晴れた今日でしたが、残念ながら富士山は見えませんでした。けれど、多摩川の河川敷とその先の大山連峰まで見渡すことができました。桜が咲いた景色も美しいのですが、今は赤いツツジが花を添えています。

保存樹木の木陰があり静謐な空気漂う境内には「猫塚」の碑もあります。大正時代に料亭などで栄えた時期に建てられた…など諸説あるようですが、今も猫ちゃんにとっての憩いの場所のようです。

住宅街の中に佇む古刹で、地域で昔から大切にされている場所です。ぜひお散歩がてら、二子玉川の街の四季折々の景色を眺めて心静かに過ごしてみては。

名称
獅子山西光院 行善寺
所在地
東京都世田谷区瀬田1丁目12−23

この記事を書いた人

こばなお

futakoloco 編集長。玉川町会100年懇話会事務局スタッフ。主に公民連携分野のフリーランス・ライター/エディター。二子玉川在住20年。出版社勤務を経てまちづくり法人で情報・広報戦略と水辺などの公共空間における官民共創事業に従事。多摩川流域生まれ&育ち。

暮らしを起点に「ほんとうに創造的な社会とは」を考えるラボラトリー「チームうなラボ」のフェロー。自分たちのまちづくり活動の経験や学びを言語化し、ときにはゲストとの議論と振り返りをまじえて発信・活動しています。

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