本年度より本格始動となった二子玉川×大学の地域連携の活動レポート第3弾。
第1弾の水島研究室(産業能率大学)「社会貢献の視点を養う」、第2弾の西山研究室(東京都市大学)「街のバリアを情報化する」に続き、3月8日(木)に保井美樹ゼミナール(法政大学現代福祉学部・人間社会研究科)2年生の学生さんらによる2017年度中間報告会が実施されました。
保井ゼミに所属する彼ら「街情報プロジェクト」のテーマは「バリアフリー河川敷に向けて」で、研究目的は、年代や性別、障害の有無を問わず上質な空間や時間を提供することができる河川敷の在り方の検討。副題に据えた-上質な空間や時間を提供できる河川敷の在り方―に、彼らの思いが込められています。
彼ら一人ひとりの心に芽生えた問いが、調査を重ねるごとに大きなリサーチテーマへと方向付けられ、二子玉川河川敷の未来像が見えてくる興味深い内容の報告会でした。
開催内容
■テーマ:バリアフリー河川敷に向けて
- 活動内容
- ボード調査班の調査報告
- バリアフリー班の調査報告
- ヒアリング班の調査報告
- まとめ・最終報告会に向けて
■日時:2018年3月8日(木)10:30~12:30
■場所:玉川町会会館
■実施:法政大学 保井美樹ゼミナール学生
■主催:二子玉川100年懇話会 街情報プロジェクト
◆報告会、スタート!
報告会は、中村輝之さん(玉川町会事務局長・二子玉川エリアマネジメンツ理事)の挨拶でスタートし、バトンを受けた沼田啓佑さん(保井ゼミ副代表)が発表の趣旨と活動内容を説明。
第1班「ボード調査班の調査報告」、第2班「バリアフリー班の調査報告」、第3班「ヒアリング班の調査報告」の順番で発表が展開されました。
◆研究の素材がいっぱい!
第1班は、二子玉川河川敷の利用状況に関する現状把握に、二子玉川の河川敷班と商店街班に分かれて河川敷の利用頻度、目的、魅力、課題の4つの視点で調査を実施し、調査報告をしてくれました。
◆都会にもバリアはいっぱい
この調査で初めて二子玉川にやってきたという清水さんは、「駅を出るとすぐにスローブがあって、めっちゃバリアフリー!と感激し、最初はこの地域にバリアなんてあるのかな~と思いました。でも駅を出ると、やっぱり使いづらい場面があり、どの地域にもバリアはあるんだと思った」と話してくれました。
◆いつか、車椅子で河川敷に行こう!
第2班調査メンバーの一人、五井愛梨さんは、二子玉川駅から河川敷、河川敷から兵庫島公園、兵庫島公園から二子玉川駅への道のりを車椅子で調査しました。
五井さんは、「二子玉川は、比較的バリアフリーが充実していると感じましたが、河川敷には行かない~と思いました。自分の立場だったら、何があれば、何が改善したら河川敷に行こうと思うかな?と考えて、意見に反映できたらいいと思う」と話してくれました。
車椅子の視点で調査してきたという清水さんは、「今後は、目が見えない、耳の聞こえない人などの視点や、さまざまな人の立場で調査することが課題です」と振り返り、研究への期待はますます膨らみます。
◆上質な空間とは?
彼らの聞き取りのなかで、とても印象深かった言葉が「バリアがあることが大切な人もいる」ということ。
「子どもたちが遊ぶにあたって、多少バリアがあるところで遊びの経験をしないと、守られすぎていてはダメ」という玉川保育園の園長先生から聞き取った話をしっかりと受け止めていたことが伝わってきました。
1,2,3班どの発表者からも、「それは、誰にとってのバリアフリーなのか?」「バリアフリーは誰にとっても上質な空間なのか?」と問いかけながら調査結果と向き合う姿勢を感じました。
◆大学と地域・行政との対話タイム
参加者は、二子玉川地域側から、中村輝之氏(玉川町会事務局長・二子玉川100年懇話会事務局長)、佐藤正一氏(二子玉川100年懇話会 街情報プロジェクトリーダー・二子玉川エリアマネジメンツ代表理事)。行政側から、畠山育也氏(世田谷区玉川総合支所用賀まちづくりセンター所長)、羽鳥由美子氏(玉川総合支所地域振興課地域振興・防災担当)、同・本田慶太氏。大学側からは、保井美樹教授と保井ゼミナール生全16名の内、当日の参加学生は5名。
ホッと一息つく間もなく、保井ゼミナールの学生メンバーは、地域・行政メンバーからいただいたご指摘を振り返り、研究をさらに深めていこうと意欲満々。 最終報告会が楽しみですね💛
法政大学現代福祉学部・人間社会研究科 保井美樹研究室
http://yasuilab.ws.hosei.ac.jp/wp/
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