二子玉川マルタウグイレポート2022② 産卵環境づくり当日

二子玉川マルタウグイレポート2022① 2017年からの記録 はこちら

3月6日(日)気温14℃ 晴れ

 二子玉川エリアマネジメンツがNPO法人せたがや水辺デザインネットワークと共催で行う「マルタウグイ産卵環境づくり」は今年で7回目。

 2020年にマルタウグイの産卵床作りに長年携わってこられた師匠の谷津田春吉さんと、この活動を私たちへ教え、伝えてくれた先生である中西修一さんが亡くなられたことに加えて、新型コロナウイルス感染症の拡大により、過去2回(2020年、2021年)はさまざまな意味で実施のあり方や意義を模索し続けた年となりました。

 お二人の「想い」を継承することは大切なことでありますが、その「想い」とは、多摩川で長いこと伝承されてきた、在来魚であるマルタウグイの命を繋ぐ環境を整えるための活動を未来の世代へ伝えていくこと。それを体験する機会を大げさでなく、自然に寄り添った形で作っていくこと…お二人は、当法人が2017年に制作した活動紹介ムービーでそう、話されています。(2017年に制作した活動紹介ムービーはこちら

 運営担当はこのことをじっくりと話し合いました。この活動を少人数の固定化されたメンバーだけで続けるものにせず、より多くの方に知っていただき、関心を持ってもらい、アフターコロナを迎えた社会では、実際に多くの方々が参加する地域の活動にしていくためにはどうしたらよいのか。

 正解かどうかはまだわかりませんが、私たちのこうした活動の目的や意義をご理解くださり、共に歩んでくださる新しい指導者をお迎えして、これまでのやり方だけにこだわらず、時にチャレンジしていこう!ということで、今年の活動をキックオフしました!

 雲一つない青天下の3月6日10時、新しく指導してくださることになった「えのきん」さんこと榎本正邦さんとともに、25人のメンバーがせたがや水辺の楽校に集合しました。

「マルタウグイ産卵環境づくり」冊子より(2021年改訂版)

 環境学習指導家のえのきんさんに今回の環境づくりについてのポイントをお話しいただいたのち、多摩川河川敷を徒歩5分の場所へ移動し、作業を開始しました。作業は、過去6回の方法と大きく変わりませんが、今回は、カマの長さを少し短く取り、3つ作ることにしました。

 作業時間は約2時間。せたがや水辺の楽校で小さな頃から多摩川に親しんでいる地域の学校に通う中学生や高校生も力を貸してくれて、70代から10代までのまさに老若男女が力を合わせた成果に一同満足顔。

 二子玉川エリアマネジメンツの中村輝之理事は、「今年は初めての試みとして小さ目な産卵床を3ヶ所設置しました。なかなかの出来栄えです。マルタウグイが瀬付く予感が大!!これから4月半ばは観察とメンテに取り組みます。サポートよろしくお願いします。」と話しました。

中村輝之理事(左)と松本順一理事(右)

 多摩川河川敷で、光を受けオレンジに輝く尾びれを見せながら水面を飛び跳ねるマルタウグイの姿を見るためには、今日から約1カ月間、卵を産み付ける石に泥や藻がこびりつかないように、産卵床近くに草やゴミなどが滞留しないように整える作業が欠かせません。

 産卵をするマルタウグイは音や光に敏感なため、産卵床を示す看板を設置し、釣り人や川の中でのアクティビティを行う方々へ暖かく見守っていただけることをお願いしています。

(記録:事務局 小林直子)

この記事を書いた人

二子玉川エリアマネジメンツ

二子玉川における持続的なまちづくり活動を進めるエリアメネジメント団体。構成会員は、玉川町会、東神開発、東急。アドバイザーに世田谷区。2019年1月に一般社団法人化、2020年2月に世田谷区初の都市再生推進法人の指定を受けました。

リアルでの活動拠点は「Futako Fun Base」(二子玉川ライズS.C.タウンフロント1階)。二子玉川地域に関わる皆さまやまちづくり活動に興味がある方々にとって、たくさんの楽しさや仲間(Fun&Fan)が生まれるような拠点や土台(Base)を目指しています!