多摩川岸辺の散策路で野外展示「ON THE RIVER」芸大生作品約20点、9月19日まで

 世田谷区立二子玉川公園(玉川1)眺望広場階段下の河川敷通路(多摩川岸辺の散策路)で9月13日、野外展示「ON THE RIVER」が始まりました。

岸辺の散策路から見た「ON THE RIVER」展示の様子(9月13日)

 岸辺の散策路は、上流側にある区立兵庫島公園と二子玉川公園間約1キロを繋ぐ、多摩川沿いの通路です。上流から歩いてちょうど二子玉川公園が見えてきた辺りから、岸辺に油絵などの作品が並び始めます。作品は約20点、かかしのような人形や、お地蔵さまや石標といったオブジェのようなものもあります。各作品に作者や題名などの説明プレートはなく、イベントポスターの掲示もありません。通路の長さにして約200メートル、作品の設置が唐突に始まり唐突に終わる印象を受けます。

多摩川河川敷展示「ON THE RIVER」の様子(9月13日)

 「河川敷で作品を展示をすることは、変化する環境の中で絵画がいかに静物的であるかを強調しています。動かない石や草と同じように、そこへ置かれた絵画の色彩や線の表現に、何を見るかは見る人の連想に任せたい。ただ何も感じず、何も見なくてもいいのです」と話してくれたのは、同展示の主催者である鳥野見知高さん。

 東京藝術大学の学生である鳥野見さんが、友人3人と一緒に「京都の鴨川のような水辺でアートの展示をしたい」と2020年に企画を始動、今年4月に荒川河川敷でのトライアルを経て、二子玉川の水辺で開催に漕ぎ付けました。

 鳥野見さんは「本来、東京オリンピック・パラリンピックは子どもたちが感動を目の当たりにする機会であったけれど、実現できなかった。そして、芸術大学の学生である私たち自身も、表現を爆発させるような機会を持てず、気持ち的にも落ち込んでいる状況をなんとかしたかった」と、開催の動機を明かします。

 企画には全国の芸術大学の学生10人が賛同し、作品を出品しています。出品者の一人は「油絵なので、雨ざらしになってもそれはそれで楽しんでもらえれば!」と、笑顔で話してくれました。

「ON THE RIVER」主催の鳥野見知高さん。手にしているのは同展示のために作成した無料の冊子「BIRTH」(9月13日)

 「とにかくこの河川敷に来て、作品を見ていただけたら。その時は何も感じなくても、後から『あの時のあれは一体何だっただろう?』と思い出してもらうのでもいい」と、鳥野見さん。

 展示時間は10時~19時。9月19日(日)まで。展覧は無料。詳しくはON THE RIVER専用のInstagramアカウントでご確認ください。

「ON THE RIVER」の無料冊子と展示紹介メッセージ
ON THE RIVER 展InstagramアカウントQRコード

 

名称
二子玉川公園眺望広場下(多摩川岸辺の散策路)
所在地
東京都世田谷区玉川1-16-1

この記事を書いた人

こばなお

futakoloco 編集長。玉川町会100年懇話会事務局スタッフ。主に公民連携分野のフリーランス・ライター/エディター。二子玉川在住20年。出版社勤務を経てまちづくり法人で情報・広報戦略と水辺などの公共空間における官民共創事業に従事。多摩川流域生まれ&育ち。

暮らしを起点に「ほんとうに創造的な社会とは」を考えるラボラトリー「チームうなラボ」のフェロー。自分たちのまちづくり活動の経験や学びを言語化し、ときにはゲストとの議論と振り返りをまじえて発信・活動しています。

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