【街情報掲示板PJ 連動企画】キネコ国際映画祭ディレクター・田平美津夫さんインタビュー 

今年で29回目を迎えるキネコ国際映画祭。世界各国から親子に見せたい映画を集め上映する日本最大規模の子ども国際映画祭で、今年も11月2日~6日に二子玉川エリアで開催されます。二子玉川街情報掲示板プロジェクトは、futakoloco初投稿記事として、同フェスティバルのディレクターである田平美津夫さんに映画祭や二子玉川への思いを伺いました。

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田平 美津夫さん

二子玉川の街を映画館に!地域の皆さんが誇れる映画祭を一緒に創り上げていきたい。

~二子玉川での開催のきっかけは?~

田平:この映画祭は1992年に渋谷の東京都児童会館(閉館)でスタートしました。その後、こどもの城(閉館)で続けたのち、日比谷や調布で開催し、2015年に渋谷の大和田ホールで開催しました。その際に東急の方とお話をさせていただき、二子玉川がこの映画祭にはふさわしい、と推薦いただいたのが始まりです。2016年に初めてこの地で開催し、今回で6回目となります。

~二子玉川の街の雰囲気は~

田平:初めてこの地で開催をすると、推薦をいただいた意味が分かってきました。例えば、親子連れが安全に遊べる街ですし、日ごろから街中にベビーカーを押している人がたくさんいるところはなかなかありません。また街の大きさ、規模感がお子様連れで回るにはちょうどいい。川や緑、自然があるというも、この映画祭をつくっていくにはとてもよい環境だと実感しました。

~映画祭のキーコンセプトは?~

田平:今年のテーマは今、言葉を詰めている段階ですが、大事にしていることは「二子玉川の街が映画館になる」ということです。前回も二子玉川の2軒の店舗にて上映をしていただきました。映画館だけでなく、二子玉川の多くのカフェやレストランなどでも映画が上映できるようにしていきたいと考えています。海外の映画祭などに出向くと、街をあげて、街中が映画祭で盛り上がっている。そこに住んでいる人たちも「わが街には国際映画祭があるんだ」と胸を張っている。そんな、街の人たちが誇れるような映画祭を二子玉川でつくりたいと願っています。

昨年のオープニングイベント

~主催者側としてお感じになっていらっしゃることは~

田平:正直、開催初日までは、不安を感じながら進めていて、二日目になり運営がスムーズに回り始めた瞬間、とてもほっとして、私もお客様が楽しんでくれている笑顔が良く見えてくるのです。微笑ましいお客様の様子をみると、開催して良かった!と感じますね。

~お客様の反応とかはいかがですか~

田平:この映画を上映するのは難しいかな、お見せするのは不安だな、と私たちサイドで思っていたりしても、意外と受け入れていただいているのを感じます。会場を歩いていて、「あの映画良かったね」、という親子での会話を耳にすると、見て欲しいという私たちの思いがみなさんに伝わっていること、とても文化度が高い方々にお越しいただいていることを感じますね。

やはり楽しいだけではキネコ映画祭らしくなくて、この映画を上映しても刺激的になりすぎていないかな?という難しいものも選んでいます。この映画、子どもに見せることができるかな?楽しめるかな?と悩みながらも、難しい作品を選んでいるのですが、アンケートでの感想などを読んでも、みなさんご理解をいただいているな、と感じています。

会期中,本ホールで映画を楽しむ子どもたち

~作品はどのくらいエントリーがあるのでしょうか?~

田平:開始当初は、5本集めるのも大変でした。でも、こうやって長く続けてこられたことで、日本にはキネコがある、ということが世界中に広まってきたのです。今では全世界から毎年500-700本ほど集まってきていて、そこから検討を重ねて30-40本を選んでいます。

オンラインミーティングの様子

~二子玉川のみなさんへのメッセージをお願いします~

田平:今はこの映画祭の運営は地元の企業様を中心に作っていますが、できるだけ早く地域の方々ともっと一緒になり、運営できるようにしたいですね。前回の2店舗内での上映がまずスタートでしたが、これからは、より多くのカフェやレストランで上映ができたり、地域の皆さんとその運営やワークショップをやっていただいたりと、二子玉川のみなさんと一緒につくっていく映画祭にしていきたい、というのが強い思いです。地元のパワーがみせられるよう、ぜひみなさんの得意分野を発揮して、積極的に映画祭に参加をしていただければ、と強く思っています。

田平さん流 キネコ国際映画祭を楽しむための3つのポイント

1.多種多様な映画作品を楽しむ!

海外から集まってくる多種多様な映画作品、アート的な作品やメッセージ性が強いものなど、ここキネコでしか見られない作品も多数あります。例えば、対象が1-2歳という作品を大人や大学生の人が見ても、ひらめきや自分の引き出しが増えるような、そんな映画祭にしています。

2.ワークショップに参加しよう!

映画祭ですが軸にあるのは「親子での経験」。いろんなワークショップをつくり、さまざまな体験ができるよう、一つでも多くの楽しい機会を提供できるよう催し物をたくさん準備しています。普段経験できないようなことができる体験を親子で楽しんでください。

3.河川敷での野外上映会に参加!

今回は、河川敷のエリアで多くの方が入れるスペースを使って、野外上映会をします。幅14mx高さ9mの巨大なスクリーンを使うのですが、100メートル後ろからみてもくっきり映画が見られるのです。多摩川の風を感じながらの上映会にもぜひお越しください。

この秋も子どもたちと一緒に映画を楽しんで!

第29回キネコ国際映画祭

開催期間:2022年11月2日(水)~11月6日(日)

会場:109シネマズ二子玉川、iTS COM STUDIO&HALL 二子玉川ライズ、二子玉川公園など

詳細はこちら:https://kineko.jp/

この記事を書いた人

掲示板PJ編集部二子玉川街情報

街にある掲示板での掲示、二子玉川まちづくりセンター、二子玉川商店街など約50か所で配布しているリーフレットを通じて、街のイベント情報や二子玉川のMAPを活用した企画を年に4回発表しています。