【生きることはアートだ!20】世田谷美術館「祈り・藤原新也」世界各地で生と死を見つめた大規模個展

11月26日(土)から世田谷美術館で「祈り・藤原新也」展が始まりました。前日の25日に行われた、ご本人も来場してコメントを発表してくださったプレス内覧会に参加しましたので、速報レポートをします。会期は来年1月29日(日)までです。

世田谷美術館公式サイト|展覧会ページ

「命のざわめきを撮る。この世界の奇跡に向かい合った時、その存在は奇跡で、それは祈りでもある」

内覧会に集まった20人ほどのプレス記者を前に、藤原さんはおっしゃいました。今回の展覧会は「後にも先にもあまりない、大きな写真展で、これはまつり」だ、とも。そして、そのとおりでした。

内覧会で記者を前にお話してくださる藤原新也さん、とってもオシャレ。1944年(第二次世界大戦終戦直前)生まれだそう。リュックの背中はこばなお編集長。まるで、こばなおに話しかけているように私には見えました。こばなお編集長によるレポート記事は来週掲載の予定だそうです。

恥ずかしながら、私は藤原新也さんのことをまったく存じ上げませんでしたが、フタコロコ編集長のこばなおが「一番好きで影響を受けた作家」ということで誘っていただき、「先入観が無いまま彼の作品に触れるのもいいよ」と言われるままに期待に胸を膨らませつつプレス内覧会に参加。いたく感動してしまいました。

そこには、もちろん数々の写真がありましたが、「ことば」もたくさんあり、大きな「書」もありました。最後のコーナーには「絵」も。まさに藤原さんが「生きることはアート」を体現されている展覧会でした。

写真と一緒にそれぞれ「ことば」が。「説明」ではなくて、それは、詩のような。

世田谷美術館の同展覧会副担当の方が、「今回の展示はとても難しかった、藤原さんが陣頭指揮をとって昨日やっと完成した」というお話もありました。

冒頭の藤原さんのお言葉通り、これはまさに「まつり」。壁いっぱいにひろがる大きな写真に添えられたことばたち。この世界のターニングポイントに現場に出かけて行き、それを「残す」。

「死」に向き合うことで「生きる」ことを想ってきた藤原さんの生み出した作品は、私の心にいろいろなことを思い起こさせました。そこに残された事象のどれもが、私自身が生きてきた中でどこかで知り、気にかけていた事柄だったからかもしれません。それらに再びこの世田谷美術館の展覧会で出逢ったのも、奇跡ですね。不思議。

2014年雨傘運動・香港のコーナー。

帰ってからも余韻を感じつつ、内覧会で配布された展覧会の図録、いや、写真詩集?を眺めながら、「さあ私、死ぬまで生きよう」と勇気が出たのです。

たくさんの人にこの体験をしてもらいたいと思いました。来年1月29日までですのでぜひご来場ください。

「死ぬな 生きろ」

「祈り・藤原信也」開催概要

会期:2022年11月26日(土)–2023年1月29日(日)
開館時間:10:00~18:00(入場は17:30まで)
休館日:毎週月曜日、12月29日(木)~1月3日(火) ※1月9日(月・祝)は開館、翌1月10日(火)は休館
会場:世田谷美術館 1階展示室
主催:世田谷美術館(公益財団法人せたがや文化財団)
後援:世田谷区、世田谷区教育委員会
協力:株式会社スイッチ・パブリッシング、株式会社太田プロダクション
企画協力:株式会社クレヴィス

一般 1200円/65歳以上 1000円/大高生 800円/中小生 500円
※障害者の方は500円。ただし小中高大生の障害者の方は無料。介助者(当該障害者1名につき1名)は無料(予約不要)
※未就学児は無料(予約不要)
※高校生、大学生、専門学校生、65歳以上の方、各種手帳をお持ちの方は、証明できるものをご提示ください

※日時指定券など、チケット情報は世田谷美術館公式サイトでご確認ください。

特別講演会

藤原さんのお話が聴ける講演会もあるそうです。
とってもオシャレな藤原さん。ステキでした。ぜひ、お話を聴いてみてください。

2022年12月10日(土)14:00~15:30(13:30開場)無料
お申込み方法などは、公式サイトイベントページをご確認ください。

会場入り口バリの花の前で。
「メメント・モリ(死を想え)」展示会場を出たところで映像が見られます。写真とことば。
美術館ロビーに掲げられた藤原新也さんの書の前で(撮影:こばなお)

👉過去の「生きることはアートだ!」シリーズ一覧はこちら

名称
世田谷美術館
所在地
東京都世田谷区砧公園1-2

この記事を書いた人

ゆか

サラリーマン時代に東急ハンズ玉川店、玉川高島屋を担当し、ここいら辺が気に入って移住。岡本の坂下に住み、母となり産んだ子どもたちはもうオトナ。2005年から鎌田で子どものアトリエを始め、2016年に大蔵5丁目「ゆいまあると3つの磁石」に引っ越し「子どものアトリエ」「映画とキャラメル」など、よくわからないことを展開中。NPO法人せたがや水辺デザインネットワーク事務局。