後編:これからの二子玉川に、何を残すのか
対談の終盤で語られたのは、「これから」の話だった。
中村は、これまでの活動を振り返りながら、街へ最も期待することとして「継続」と述べる。


それは単なる「願い」ではない。地域コミュニティの強さが、防災や日常の安心に直結するという、実感に基づいた言葉である。
祭りや盆踊り、防犯活動、清掃活動。こうした一つ一つの活動は小さく見えるが、地域を支える基盤になっている。
しかし同時に、「持続が難しくなっている」現実も示唆された。
山室は、担い手の存在を課題として挙げる。企業側も人事異動がある中で、地域との関係をどう引き継ぐかが問われている。
また、街の機能自体も変化している。商業、オフィス、住宅、それぞれの役割は時代によって変わる。
その中で、変えるべきものと、変えてはいけないものの整理が必要だと指摘する。
菊山は、別の角度から未来を語る。
それは「集いの場」としての街である。同じ価値観を持つ人が集まり、コミュニティが生まれることが、人の幸福につながるという考えだ。
川の存在、自然環境、三世代の利用。二子玉川は、単なる商業地ではなく、「体験の蓄積によって愛着が生まれる街」であると捉えている。

再開発完了から10年。
しかし、街に「完成」はない。むしろ、ここからが次のフェーズである。
継続は、自動的に起きるものではない。誰かが担い、引き継がれることで、はじめて成り立つ。
「目指した街」としての二子玉川は、この先も維持されていくのか。
その問いは、すでに次の人たちに手渡されている。

※本対談は2026年3月23日、東神開発株式会社本社(玉川髙島屋S・C東館)にて実施しました。記事は当日の発言をもとに構成しています。
※futakoloco開設10周年記念|二子玉川「継続」のまちづくりは、第2弾「次の担い手と、これからのまちづくり」の公開を予定しています。どうぞお楽しみに!
本記事は、二子玉川の地域メディアfutakoloco開設10周年記念企画「二子玉川『継続』のまちづくり」シリーズの一環として掲載しています。
2011年の東地区再開発第1期、2015年の第2期完了から約10年。街の骨格が整った現在、二子玉川は「つくる街」から「育っていく街」へと移行する段階にあります。
本シリーズでは、街の継続の構造と現在地を捉え直します。企業と地域をはじめとするさまざまな立場からの発言を通して、街の見え方の違いと共通認識を可視化します。
本企画は、2026年度を通じて、2027年3月10日に向けて継続的に展開していきます。これまでに掲載してきた関連記事とあわせてご覧ください。
