多摩美術大学 上野毛キャンパス(世田谷区上野毛)で、新棟(本部棟・講堂)が完成しました。

二子玉川ライズで10年以上続く地域連携アートプロジェクト「タマリバーズ」をはじめ、玉川髙島屋S・Cのファサード作品、子ども向け講座「あそびじゅつ」をはじめとする、あらゆる世代のための生涯学習講座など、多摩美術大学の活動は地域の日常風景の中にも数多く存在しています。
futakolocoでもこれまで、住民有志のロコ記者による継続取材を通じて、「タマリバーズ」の活動を見守ってきました。
今回の新棟整備で大学が掲げるのは、「地域に開かれた美と知の拠点形成」です。
取材に応じてくれたのは、多摩美歴40年で、「タマリバーズ」担当教員でもある加納豊美教授(演劇舞踊デザイン学科研究室)と、広報部の阿部かおりさん。
「大学と地域社会の交流を促進」
新棟は、建築家で同大学学長の内藤廣氏による設計で、これまで以上に近隣の方々と交流し、深く関われるような、地域へ開かれた構造になっているといいます。

取材時に伺って特に印象的だったのが、本部棟1階ギャラリー「Sala Blu(サーラブルゥ)」や講堂「Oculus Hall(オクルスホール)」に採用された高透過低反射ガラスです。環八通りを行き交う街の人々が、授業や展示、パフォーマンス、稽古の様子などを目にすることができる設計になっています。


完成した作品だけでなく、「つくられていく過程」も地域と共有していきたい——そんな考え方が背景にあるようです。
加納教授は、「美大には“観客”の存在が大切」と話します。新しい講堂では、完成した舞台だけでなく、稽古の様子なども地域に開いていくことを構想しているといいます。
地域とともに育む「美大のある街」
昨年初開催された「KAMINOGE SUMMER CAMPUS 2025 夏宵祭」も、その象徴的な取り組みのひとつ。今年も8月初旬に開催予定で、地域の人がキャンパスを訪れ、アートやパフォーマンスに触れられる機会として準備が進められています。
また、コロナ禍や工事期間中は制限されていた一般の方のキャンパス内への立ち入りも再開。学生食堂「Mensa」や「世界堂」(画材・文具専門店)なども利用可能になっているとのこと。

さらに、多摩美術大学は今年、近隣の五島美術館との協定締結も発表。地域の中で、文化や知性が自由に行き交う「交差点」としての役割も、これから少しずつ広がっていきそうです。
完成した建物そのものだけでなく、そこで生まれる表現や交流の積み重ねが、これからの「美大のある街」を地域とともに育んでいくのかもしれません。
- 名称
- 多摩美術大学上野毛キャンパス
- 所在地
- 東京都世⽥⾕区上野⽑ 3-15-34



