【コラム:ココロを扱うお仕事です】#18 『私鉄3.0』と私

最近なかなか仕事が忙しく、コラムを書くのをさぼっていました(前回#17は10月24日掲載)。すると、futakoloco編集長よりむしろ背筋が凍るほどの優しい督促をいただきましたので、何をさておき慌てて最近読んだ本の感想文を書くことにしました(編集長注:悪寒はここ数日の寒波が原因だと思います!)。

小学生の頃、私は読書感想文が大の苦手でした。そもそも本を読むことが好きではなかったのです。そのため、夏休みの宿題としての読書感想文などは、始めの1頁と、あとがきだけを読んで、何となく書いていたものです。

ところが、ここ数年は積極的に本を読むようになりました。知らない知識や考え方などが入ってくることを「なんだか割と面白い」と思うようになったのです。歳を取ったのでしょうか。四十にして惑わず、でしょうか。

さて、今回のコラムのタイトルは「私鉄3.0と私」なのですが、この「〇〇と私」というスタイルは大学時代の友人のやり方を真似ています。彼は大学の期末試験で、物理の試験なのに、勉強しておらず答えられないので、やむなく「物理と私」というタイトルの作文を答案に書いたそうなのです。すると彼はなんと物理学の単位を取得したのです。これに味をしめたのか、今度は、フランス語。試験の際に彼はまた、答えられぬ問題に「フランス語と私」というタイトルの作文を答案に書いたそうなのです。また単位を取れたのかって?いいえ、フランス語の単位は取得できませんでした。文系は厳しいのでしょうか。ちなみに言うと彼は現在、よく名の知られた某銀行で働いています。

本題である「私鉄3.0と私」です。本の基本情報は、以下のとおりです:

「私鉄3.0 沿線人気No.1東急電鉄の戦略的ブランディング」
著者:東浦亮典
発刊:ワニブックス、2018年12月

「私鉄3.0」(左)と自書「いますぐ遺言書を書きなさい」

東浦氏は、東京急行電鉄株式会社 執行役員・都市創造本部 運営事業部長というすごい肩書の持ち主です。

東急電鉄を「まちづくりデベロッパー」と呼び、初期の鉄道敷設から始まり、鉄道通勤を見越した住宅造成、緑のある街づくりとしての田園都市開発計画、昼間に電車を使ってもらうことを想定しての慶應大学等の誘致、生活サービスへの進出、オフィスの郊外化、職住の接近、及び、東急にも関係するタワーマンション林立の武蔵小杉の不便な面にも触れながら、同社のこれまでの歴史と戦略が書かれています。
そして、その未来についても触れています。電子立国エストニアを例に挙げ、統合システムを用いTPOに合わせたストレスなく好きな乗り物を利用できるようなシステム構築を目指す…など。

やはり人気の高い企業は、良い経営をしているのだなと思いました。時代によって社会のニーズは変化するのは当然で、そのためのいろいろな種をまきながら、ウォンツ(wants)を発掘し、敏感にニーズに対応していかなければ、社会から必要とされなくなってしまいます。

自分の仕事や生き方にも活かしていこうと思いました。

昨年末に二子玉川で行われた忘年会にて撮っていただいた東浦さん(左)とのツーショット!(画像提供:生田目一馬さん)

私鉄3.0(amazonサイト)

https://www.amazon.co.jp/私鉄3-0-沿線人気NO-1・東急電鉄の戦略的ブランディング-ワニブックスPLUS新書-東浦-亮典/dp/4847066189

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この記事を書いた人

大瀧 靖峰

弁護士。丸ビル綜合法律事務所(パートナー)。
2015年まで二子玉川に7年間在住(最後の3年間は二子玉川商店街に在住)。
二子玉川街情報プロジェクト「フタコロコ」の法律アドバイザー。

http://otaki-yasumine.kaisya.info/